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リリース

当社が開発した「トンネル切羽前方探査システム」が安全な施工を進めるために威力を発揮~東海・北陸自動車道 椿原トンネル 環境条件(椿原地区の水源)とトンネル切羽の安全性に対して切羽前方の探査を行い、沢部の直下を通過~

当社は現在施工中の東海北陸自動車道・椿原トンネル(岐阜県)工事の沢部直下の施工に際して、「トンネル切羽前方探査システム」をドリルジャンボ(*)に搭載し、掘削部の湧水と地質状況を坑内から繰り返し調査することにより工事を進め、先日、当該区間を通過しました。
同システムは当社が独自に開発したもので、施工条件の厳しい沢部の下で安全に工事を進めるために大きな威力を発揮しました。

システム適用の背景
椿原トンネルは平成10年6月に工事を開始して以来、順調に掘削が進み、先日、坑口から1,200m付近において大谷の沢(最小土被り17m)を通過する地点まで到達しました。この付近の地山は事前のボ-リング調査において、上部は崩積土で、その下部のトンネル掘削個所においては比較的新鮮な安山岩となっていましたが、発破掘削であるために掘削時に地山を緩ませることが懸念されました。
また、大谷の沢は極めて水量が多く(推定で2t/min)、この水がトンネル施工時に、大量に切羽に回ってきた場合、切羽の自立が確保できなくなり、地山の崩落や沢の陥没が起きる可能性がありました。また、トンネルが通過する直上の沢水は同地区の水源となっていることもあり、施工にあたってはトンネル掘削の安全性と環境条件である水源の保全の両面に対して細心の注意を払いながら進める必要がありました。
そこで当該部、約100m区間の施工に対しては当社が開発した「トンネル切羽前方探査システム」を適用し、沢の手前から通過するまでを、20mごとの調査と掘削を繰り返しながら慎重に施工を進め、先日無事に沢部下区間の通過を果たしたものです。

システムの特徴
一般にトンネル事故の9割は切羽で起こると言われています。当社は昨年、炭鉱の削孔探査で豊富な経験をもつ室蘭工業大学・情報工学科の板倉賢一助教授の指導を得て、「トンネル切羽前方探査システム」を開発し、椿原トンネルを始めとする複数のトンネルに適用してきました。
切羽の前方探査は、発破による反射波や電気抵抗を使って予測する方法等、種々の方法が提案されていますが、そのなかで最も確実なのは切羽の前方を水平ボ-リングで調べる方法です。しかし、その場合、別途ボ-リングマシンを導入することとトンネル作業員とは別のオペレ-タが必要となり、作業としては極めて大掛かりとなるために、費用と工程に与える影響が大きいという問題がありました。そこで、トンネル掘削を行なう作業員の手で調査が可能で、現場で簡単に解析・評価できる簡便な調査法として、通常のトンネル削孔機であるドリルジャンボに搭載した前方探査法を開発しました。
削孔時の作業員の感触やノミ下がり速度(削孔速度)から地山状況を判断する手法は、従来から「探り削孔」と呼ばれ、トンネル削孔においてしばしば採用されてきました。当社が開発した探査法の特徴は、削孔ジャンボに搭載したドリフタ-(削孔機)のオペレ-ションをドリフタ-自身が保有する自動制御に任せ、その際の機械の判断を圧力センサ-や流量計で機械量データとして忠実に取り出すことで、地質状況の判断を行なうことを大きな特徴としています。ドリフタ-の自動運転では地山の状況に応じてドリフタ-自身が適切な削孔モ-ドを選択するので、いわば機械の判断の結果から地質を評価しようとするものです。
地上から事前に実施した地質調査ボ-リングの結果では、比較的良好な岩盤状況が予想されていました。しかし、実際のトンネルル-トへの前方探査では、亀裂が顕著な部分、風化が進み劣化が目立つ部分等、より複雑な地質構造が見られました。これらの探査をもとに慎重に掘削を進めましたが、地山状況は概ね「前方探査」の予測と一致したものとなっていました。
施工的には前方探査を参考に、沢直下の岩盤には沢からの湧水を集中させない対策(切羽に多くの水抜き孔を設け湧水を導く)を実施し、これによりトンネル切羽は安定した状態で施工できると判断しました。実際に水抜き孔が有効に機能し、当該区間を無事通過することができました。
この工事において、「トンネル切羽前方探査システム」の十分な精度と適用性が実証されましたが、今回用いたドリルジャンボの機械量データを用いた探査法は、切羽前方探査のみならず、発破削孔やロックボルト削孔など通常の削孔に用いる場合でも、一連の削孔デ-タを分析することにより、「岩判定」などの地山評価を始めとする様々な用途があり、当社では現在、積極的なトンネル掘削への適用を展開しています。

*ドリルジャンボ:削孔機(ドリフター)を2、3連ベースマシンに搭載した削孔専用の機械で通称ジャンボと呼ばれる。

【工事概要】
・物件名:東海北陸自動車道 椿原トンネル工事
・発注者:日本道路公団名古屋建設局清見工事事務所
・施工者:三井建設(株)・名工建設(株)共同企業体
・工事場所:岐阜県大野郡白川村大字椿原
・工 期:平成10年6月~平成13年11月
【工事内容
・総延長:約2,368m
・土工延長:約27m
・トンネル延長:約2,341m(椿原トンネル1,822m 加須良トンネル519m)
・作業坑延長:491m
・橋梁下部工:基礎杭 2基
・トンネル掘削工法:補助ベンチ付全断面掘削工法・爆破工法
・掘削断面積:79.5~101.2m2
・内空断面積:71.2~87.4m2

      

 

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