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リリース

車載型GPSレーザースキャナー計測システムを開発工事出来形計測を自動化・高速化

概要
三井建設株式会社(東京都中央区日本橋蛎殻町1-36-5 社長 清 昇)はGPSによる位置計測技術とレーザー形状計測技術を融合した『車載型GPSレーザースキャナー計測システム』を開発し、工事区域の地形形状を高密度・高精度に自動測定して立体的に再現することに成功しました。
本システムは計測作業を全て車両からの遠隔測定で行うため、機動的な運用ができることから、造成工事やダム工事の出来形計測、広域の敷地内調査を極めて短時間に行うことができます。

従来技術との比較
当社で開発運用してきました『レーザー計測技術による形状計測システム』は、半径350m以内の地物表面形状を約200万ポイントの三次元座標(精度25mm)で計測する『三次元レーザースキャナー』を用いています。従来は計測装置を三脚に固定し観測を行いますが、測定範囲に座標変換用の基準点を3箇所設置し、計測画像に写し込む必要がありました。基準点はレーザー光反射率の高い板で構成され、GPS等で位置を計測し現地座標を与えています。広範囲を計測する場合は、複数の観測点に計測装置を順次設置し、同様の作業を行ってから計測データを合成することで全体の形状を再現していました。

今回の技術の特徴
(1)GPSとレーザー技術の統合
今回のシステムはレーザー計測装置を車両ルーフに搭載すると同時に3点の基準点(反射板)も車両に取り付け、さらに基準点上部にGPSアンテナを設置する構成になっています。車両は観測点まで移動した後、静止してレーザー計測を開始し(計測時間約5分)、その間、3台のGPS受信機で3点の基準点位置を計測します。観測が終了すると次の観測点へ移動します。レーザーによる地形計測データは機械中心を原点とする座標系ですが、計測データに含まれる基準点に対応する現地座標(GPSにより計測)を与えることで、全データを現地座標に変換します。この操作により複数の計測データを合成することが可能となり、対象範囲の全体形状を立体的に再現することができます。

(2)GPS新技術の採用
また、GPS計測技術についても、従来のローカル基準局を用いたRTK方式(リアルタイムキネマティック方式)に加え、携帯電話を介して位置情報サービス事業者が提供する基準点データを取り込んで測位を行うVRS方式(仮想基準点方式)にも対応できるシステムとなっています。VRS方式では、自前でGPS基準局を用意する必要は無く、高精度の測位サービスを受けることができます。

今回の技術のメリット
(1)車両に乗ったまま計測できるので、機器や基準点の設置作業を省くことができ、さらに移動時間も短縮できるため、現地作業時間を大幅に短縮することができます。
(2)遠隔からの計測であるため、危険区域に立ち入ることなく安全に作業できます。
(3)観測点を事前に設定しておけば、GPSによるナビ機能を用いて観測点まで車両を順次誘導することもできます。

実証実験事例
今回、本システムの実証実験を『万福寺土地区画整理事業』(神奈川県川崎市麻生区:当社東京土木支店万福寺工事事務所)で実施しました。
(1)現地作業時間
計測範囲は約4haであり、観測点を8箇所設定し順次車両を移動して観測しました。本システムでの観測作業時間は約60分でした。従来の三脚によるレーザー設置法も同様に実施しましたが、レーザー計測に120分、基準点の座標計測に60分、計180分を要しました。この結果、車載システムによる作業時間は従来のレーザー計測法の約3分の1となります。なお、通常行われているトータルステーションによる測量では今回の作業に3日程度を要しますので、それと比較すると、本システムは約25分の1の作業時間で実施できることとなります。
(2)成果作成時間
各計測データはGPSによる基準点データを用いて現地座標に変換後、全データを合成して成果を作成しました。データ処理時間は約5時間であり、計測した日に即日完了しました。

今後の展開
本システムは今後、造成やダム工事などの土工事へ積極的に展開していきます。現在はシステムの大きさの関係から工事区域でしか運用できませんが、今後コンパクト化を図り、建物や構造物の形状計測へ適用できるよう開発を進めます。都市空間の形状・景観計測、防災面での崖面・急傾斜地の形状・変位監視など幅広い分野への展開を予定しています。

【用語説明】
VRS:Virtual Reference Stations、仮想基準点方式
GPSでリアルタイムに高精度(センチメートル精度)で測位するためには、GPS基準局とGPS移動局(計測局)の2台を用意し、基準局から移動局へGPS観測データを通信して処理する必要があります。従来は、利用者が自前でGPS基準局を用意していましたが、移動局との距離が10km以下に限られるなど制限がありました。VRS方式は、複数の基準局をネットワークで利用して最寄の基準局から10km以上離れた位置でも安定した測位を可能とする技術です。具体的には、移動局の近くに仮想の基準点を想定し、実在する複数の実基準点の観測データからこの仮想基準点の観測データをデータ処理センターで生成して移動側に送るという手法をとります。国土地理院の電子基準点データの提供を受け、ユーザーにリアルタイムにデータ配信を行う位置情報サービス事業が本年5月から開始されており、サービスエリア内では携帯電話で配信データを受けることによって、高精度の安定した測位が可能です。
 





 

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