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リリース

『連層耐震戸境壁(こざかいへき)の新工法』を開発~現場プレキャスト化による多品種生産と施工省力化によるスピードアップ~

三井住友建設(東京都新宿区荒木町13-4 社長 友保 宏)は、板状の集合住宅をターゲットにした『連層耐震壁※1現場Pca(プレキャスト)工法』を開発しました。
『連層耐震壁現場PCa工法』は、鋼製型枠システムを用いて多様な形状の耐震壁を現場製作し、かつ、耐震壁の接合部に溶接格子鉄筋を用いて現場施工を省力化して施工速度向上を図るものです。
現在、東京建築支店施工の「デライトシティー新築工事(武蔵野市境5丁目 450戸)」において実施中で、その有効性を確認しています。(写真-1)

■背 景

これまで当社は、連層耐震壁を用いた大型板状集合住宅の施工には、DOC工法※2とBoxBeam型枠工法※3を組み合わせて採用し、省力化・経済性・環境保全(南洋材使用の削減)などに成果をあげてきました。
しかし、昨今の集合住宅建設では、ますます工期短縮が要求される傾向にあります。こういった状況の中で戸境壁として用いられる連層耐震壁は、断熱補強層施工用の段差、多様な平面計画による梁間方向寸法の変化、棟毎の壁厚の変化など、さまざまな形状が求められるようになり、これらが工期短縮の阻害要因の一つとなっていました。

※1  連層耐震壁:建物の下層階から最上階まで貫く耐震壁
※2  DOC(ドック)工法:1日(one-Day)で躯体生産の全ての作業要素(One-Cycle)を実施するシステム施工法
※3  BoxBeam(ボックスビーム)型枠工法:連層耐震壁で大型鋼製型枠を用いる事により低コスト・高品質で施工する工法


■新工法の特徴

このたび開発した『連層耐震壁現場PCa工法』は、PCa戸境壁(耐震壁)を多様な形状に対応しながらサイト内で製作し、かつ、溶接格子鉄筋を用いて耐震壁の設置・接合作業を省力化して現場施工のスピードアップを図るものです。

1)「現場PCa製作用鋼板型枠システム」を開発、省力化、省スペースで耐震壁を製作
戸境壁となる耐震壁をタテ方向(垂直方向)に製作する「現場PCa製作用鋼製型枠システム」を開発しました。この型枠システムは少人数で操作でき、かつ型枠をヨコ方向(水平方向)に置く従来の製作方法と比較して、約1/4のスペースでPCaパネルの製作が可能です。また、鋼製型枠システムは壁厚調整機能を有し、多品種の生産が可能です。

「現場PCa製作用型枠システム」

・ 大型鋼製型枠に車輪やトロリーホイストを取り付け、重量型枠でありながら2名での移動・操作(手動)を可能にしました。(図-2)

・ 縦型であるため、駐車ピットなど狭いスペースを利用しながら、日産4住戸分※4の耐震壁の製作が可能です。(写真-2)

・ピットを利用することにより、コンクリートミキサー車から直接シュートで打設することが可能で、コンクリート打設のためにポンプ車やクレーンなどの重機械を使用する必要がありません。 (写真-3)

・ このシステムを稼働させてPCa耐震壁を製作(・設置)することにより、在来工法もしくはBoxBeam型枠工法と比べ、施工階における作業を大幅に省力化します。
(「デライトシティー新築工事」では、現場打ちRC造柱、PCa梁を使用しています)

・この型枠システムを利用して、廊下やバルコニー側の非耐震PCa壁を同時に製作することもできます。

※4DOC工法で1日に組み立てる住戸数に合わせて能力を設定できる。

2)継手部分に溶接格子鉄筋を使用
連層耐震壁の鉄筋の応力伝達継手部分に「溶接格子鉄筋」を使用します。これをスラブ厚内で重ね、コンクリート打設により上下の耐震壁を一体化します。この結果、在来工法に用いられている「重ね継手工法」や従来のPCa工法に用いられる「スリーブ充填式継手」と同等の強度を確保しながら「重ね継ぎ手工法」よりも鉄筋の重なりが少なくなり、「スリーブ充填式継手」で行われるグラウト注入が不要になります。経済的である上、施工も簡略化されて工程短縮に貢献しています。
なおこの方法は、各種構造実験により構造性能を確認しています。

【今後の展開】

今後、当社の手掛ける板状集合住宅の中で、耐震壁を現場制作できる環境が整った場合、この方法を積極的に活用し、DOC工法と組み合せてさらに高品質高効率化施工を目指します。

 
図-1 溶接格子鉄筋継手、重ね継手、スリーブ充填式継手の比較



溶接格子鉄筋

ボックスビーム型枠工法
在来型枠工法        


写真-1 壁PCa設置状況 1


図-2 PCa製作用鋼製型枠システム概要図


写真-2 PCa製作用鋼製型枠システム設置状況


写真-3 コンクリート打設状況

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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