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リリース

『超大口径PC推進管』の実用化を完了-内径3.5mの超大口径PC推進管の公開性能試験を実施-

『超大口径PC推進管』の実用化を完了-内径3.5mの超大口径PC推進管の公開性能試験を実施- 住建コンクリート工業株式会社、三井住友建設株式会社の2社は、平成12年度より、内径3mを超える「超大口径PC推進工法」の研究を、早稲田大学理工学部教授小泉淳先生のご指導のもとに進めてきました。このたび、住建コンクリート工業小山工場内において、内径3.5mのPC推進管を用いた①組立・緊張試験、②継手水密試験、③外圧強度試験、以上の基本性能試験を実施し、その適用性を確認しました。
また、11月19日(金)には、発注者、コンサルタント、研究機関など約110名の参加者を得て、公開性能試験を同社小山工場内で実施しました。今年6月に下水道管渠推進技術協会の主導で官民合同の研究会として「超大口径管推進工法研究会」が設立されるなど、本工法への関心は高く、当日は説明会場や実験会場において、活発な意見交換が行われました。

〔開発経過〕

・ 平成12年10月:住建コンクリート工業株式会社、三井住友建設株式会社の2社で共同研究に着手。
・ 平成15年3月:内径2mの分割型PC推進管を用いた基本性能試験を三井住友建設技術研究所で実施。
・ 平成15年5月:内径2mの分割型PC推進管を用いた管軸方向載荷試験を日本大学理工学部理工学研究所の大型構造物試験棟で実施。
・ 平成15年10月:曲線部模型推進試験を三井住友建設技術研究所で実施。
・ 平成16年5月:「超大口径PC推進工法研究会」を設立。現在10社加盟。
・ 平成16年6月:超大口径管推進工法研究会に参画。
・ 平成16年10月:平板供試体を用いた性能試験を三井住友建設技術研究所で実施。

〔基本性能試験結果〕

(1)組立・緊張試験
内径3.5m、幅2.43m、厚さ0.25mの2分割の推進管を製作し、実際の施工に合わせて、横置きで組み立て後、管材の外側からPC鋼材を挿入し、緊張定着し一体化した。組み立ては、接合ピンの配置により、突き合わせ面の調整が容易であった。
(組立時間)
①分割管組立;4分
②PC鋼材挿入・緊張(5本);20分
③鋼製カラー溶接30分(2箇所)
④ゴム輪取り付け6分(鋼製カラー溶接との並行作業となる)
なお、組立サイクルタイムは、実施工においては、さらに短縮が予想される。
(組立精度)鉛直方向、水平方向とも±1.0mm以内と高い真円性が得られた。

(2) 継手水密性試験
完成した2本の管材を接続し、継手部分に水密試験器を設け、下水道協会が規定する試験方法によって、水圧を作用させた。試験の結果、0.3MPaの静水圧に対しても漏水は認められず、下水道協会(JB規格)が規定する試験水圧(0.25Mpa)を十分満足することができた。
(3) 外圧強度試験
管材を水平に置き、1方向から載荷試験を行った。ひび割れ荷重、許容応力度荷重とも、設計値を満足した。なお、破壊試験(破壊強度の確認)は、今後行う予定である。

〔本工法の概要〕

超大口径PC推進工法は、運搬可能な大きさに分割された管材を立坑上に搬入し、現地で組み立てた後、あらかじめ管材の円周方向に配置されたシースの中にPC鋼材を挿入し、プレストレスを導入して推進管を一体化します。掘進作業は、従来の推進工法と同様に、泥水式、土圧式などの推進機を管の先導体として用いて、発進立坑内の元押し推進装置により管材を推進します。その際、管材には、断面方向に土水圧が、管軸方向に大きな推進力が作用し、複雑な荷重状態となりますが、プレストレスの導入により一体管として挙動するため、確実な施工が可能となります。本工法は、内径3.0m~6.0m程度の管路を適用範囲とします。このため、上下水道、電力、通信、ガスをはじめとして、単線鉄道、共同溝、地下道まで広範囲に適用できます。

〔本工法の特長〕

① 推進工法の適用範囲を拡大
分割して製作した管材を現場に搬入し、プレストレスで一体化するため、路上運搬の制約を受けることなく、内径3.0mを超える推進工法が可能となる。
② コスト縮減
推進延長が短い場合など、シールド工法と比較して、コスト縮減が期待できる。また、従来推進工法で用いられている急曲線、長距離推進などの技術を融合させることにより、多様な条件に対応できる。
③ 工期の短縮
推進工が完了した時点で、管渠がほぼ完成するため、二次覆工を伴うシールド工法と比較すると、大幅な工期の短縮が可能となる。
④ 品質の向上
プレストレスの導入で一体管と同等の剛性を持つ管材となるため、推進工法への使用が可能となる。また、真円性、止水性、耐久性に優れた管材が得られる。


〔今後の展開〕

今後は、積極的に実工事に採用する中で工法の完成度を高める予定です。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。


写真-1  分割型PC推進管の組み立て状況

 


写真-2  分割型PC推進管の組み立て完了

(参考資料)

1.超大口径PC推進工法の概要
あらかじめ緊張定着体、シース、鋼製カラーを埋め込んだ2等分割半円形の推進管を工場で製作する。接合面の精度を確保するため、接合面に仕切り版を設けた鋼製型枠を使用し、1回のコンクリート打設で推進管1本分の製作を行う。十分な養生を行った後、低床トレーラー等により、施工現場まで運搬する。発進立坑の周辺で、分割された推進管を門型クレーン等で吊り卸すとともに、円形に組み立てる。アンボンドPC鋼材を管外面に設けた切り欠きから順番に挿入し、センターホールジャッキにより緊張定着を行い、管本体を接合する。その後、鋼製カラーの継手溶接を行うと同時にPC鋼材とシースの間隙にPCグラウトを注入した後、切り欠き部を無収縮モルタルで充填する。こうして完成した推進管を立坑上から推進架台上に吊り卸し、推進設備により地中に圧入して管渠を築造する。推進管の組立工程は増えるが、掘進工程に与える影響は少なく、施工法は従来どおりでよい。

2.分割型PC推進管の構造
2等分割された推進管は、コンクリート面の突き合わせを調整して、プレストレスにより一体化した構造とする。施工時には、鉛直方向に土圧・水圧、管軸方向に推進力が作用し、複雑な荷重状態となるため、継手全断面を全圧縮状態にして剛性を確保する。プレストレスの導入では、摩擦ロスが少ないアンボンドPC鋼より線を使用し、円周上1カ所の定着で所要プレストレスを導入する。また、緊長端と固定端を一体化した鋳鉄製定着体を使用し、定着部付近の補強鉄筋を省略して製作性を向上させる。
継手の止水方法は、継手面にシール溝を設けて、水膨張系シール材を貼付する。シール材は、プレストレスによりシール溝に確実に封入されて止水効果が向上する。このシール材は、埋め込み鋼製カラー背面の止水用ゴムおよび差し口側のゴム輪とラップさせることで、地下水の浸入を遮断する。また、推進中にシール溝がずれないよう継手面に鋼製ピンを設ける。この接合ピンは、組立用のガイドにもなる。なお、管軸方向の継手は、埋め込み鋼製カラーとコンクリート差し口による構造とする。

 
図-1 分割型PC推進管の運搬例
図-2 分割型PC推進管の組立


図-3 分割型PC推進管概要図

 


写真-3 外圧強度試験 

 


写真-4 継手水密性試験

施工事例

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