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リリース

「遠心力トンネル吹付け工法」で小断面トンネルの低粉塵化を実現

三井住友建設(東京都新宿区西新宿7-5-25 社長 宮田博之)は、従来のエア-吹付け方式とは異なる、遠心力を利用した吹付方式「遠心力トンネル吹付け機(ダストレスショットクリート)」を小断面トンネル用として新たに開発し、占冠(しむかっぷ)トンネル西工事(東日本高速道路株式会社北海道支社発注の道路トンネルのうち避難坑、掘削断面積18m2、延長2285m)に本格的に導入を行い、従来困難とされた小断面トンネルでの低粉塵化(2mg/m3以下)を実現しました。

【背 景】

昨今、山岳トンネル工事の粉塵による労働災害が社会問題化しております。厚生労働省はこの現状を鑑み吹付け施工時の粉じん濃度を切羽から50m後方位置で3mg/m3以下とするガイドラインを平成12年度に策定しました。通常、山岳トンネル工事で施工される吹付けコンクリ-トはエア-吹付け方式が主流となって採用されています。この方式は、吹付け施工時の材料の飛散等に起因する粉じんの発生が見られ、坑内環境の劣悪化を惹起する主因となっています。吹付け施工時の粉じんの発生は、視界の悪化を伴うことから作業効率を低下させるだけで無く、安全面や人体への健康面に悪影響を及ぼすことになります。

こうした状況を解決するため三井住友建設では、圧縮空気を用いずに機械的にコンクリ-トと急結剤との混合攪拌を行い、かつ遠心力で掘削面にコンクリ-トを投射し吹付けを行う遠心力トンネル吹付け機を開発しました。これにより作業環境が改善され、作業効率・安全面の向上にも寄与出来るため実現場への展開を進めてまいりました。

【遠心力トンネル吹付け機の概要】

遠心力トンネル吹付け機は、吹付け機本体内部の撹拌装置により急結剤を機械的に混合した後に、高速回転する羽根で遠心力を起こし、吐出口から吹付けコンクリートを投射し掘削面に吹付けます。この吹付け方式は吹付けコンクリートと急結剤を機械的に強制混合するため未混合急結剤がほとんどありません。またエア-吹付け方式の吐出口に見られる圧縮空気による吹付けコンクリートの材料分離や拡散が少ないため、粉じんが非常に少ないという特徴があります。同時に、材料の供給を止めても機内の材料は遠心力の作用で全て吐き出されるので、この種の方式の吹付け機のトラブル原因である吹付け機内部でのコンクリ-トの固結を解消すると共に、吹付け作業後の清掃の簡易化、メンテナンスの容易さを実現しています。

【小断面トンネルへの遠心力工法の適用と効果】

今回、東日本高速道路株式会社発注の道路トンネルの避難坑(断面約18m2)の現場に遠心力トンネル吹付け機を本格的に導入し、トンネル延長2285mを対象に延長550m、吹付け総量1900m3(平成17年10月現在)の実施工を行っています。当トンネルはいわゆる小断面トンネルに属します。一般的にエアー吹付け方式の場合、粉じん発生量を低減させるため粉じん低減剤の使用や換気設備の増設、特殊な液体急結剤の使用等、種々の対策がとられています。しかし小断面トンネルにおいては坑内断面の制約から、これらの低粉じん化技術を採用する選択肢が狭まっています。このため、前述したガイドラインでは「中小断面のずい道のうち、3mg/m3を達成することが困難と考えられるものについては、できるだけ低い値を粉じん濃度目標レベルとすること」と適用除外されているのが現状です。当工法は平成16年に、道路断面トンネル(網代市 立岩トンネル 断面約80m2)に導入しガイドライン規制値を満足することを実証しました。今回は条件の厳しい小断面トンネル対応として新たに開発を行い、構造の変更、操作性、整備性の向上を図り吹付機全体をシステム化し、あわせて軽量化を図りました。また新しい吹付け工法に起因する操作の不慣れやこれに対する設備の調整、仕上げ面に影響する吐出口の形状等の課題を適宜克服してまいりました。この遠心力トンネル吹付機を使用し、ガイドラインの粉じん濃度測定方法に準拠した併行測定を実施した結果、施工中の粉じん濃度が切羽後方50m位置で1~2mg/m3であり常時3mg/m3以下であることが確認できました。

遠心力トンネル吹付け機は、従来の粉体急結剤を使用でき機構的に粉じん発生量が非常に少なく、吹付け作業現場の環境を向上させることが可能です。また吹付け材料も、一般的に行われているエアー吹付け方式の材料と同等品の使用が可能です。

以上、遠心力トンネル吹付け機による施工により、エアー吹付け方式では難しい粉じん濃度規制値3mg/m3以下を満足することが、道路断面トンネルに引き続き、小断面トンネルでも確認できました。

[今後の展望]

小断面トンネルは低粉じん化が困難であるため、ガイドラインでは粉じん濃度目標レベル3mg/m3と規定されず、「できるだけ低い値を粉じん濃度目標レベルとすること」と緩和されていますが、今回、この数値を下回ることができました。今後とも現場に導入し、実績を積み重ね坑内環境の改善に努めていく予定です。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

(配信写真)


写真-1(遠心力トンネル吹付け機全景)


写真-2(遠心力吹付けコンクリート施工状況)


(説明図、説明写真)


写真-3 遠心力吹付機の構成

図-1 遠心力吹付け装置の構造

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