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リリース

衝撃弾性波によるコンクリートの圧縮強度測定器を開発「聴強器」として商品化 ~非破壊試験を新設構造物に適用~

【概要】

三井住友建設株式会社(東京都新宿区西新宿7-5-25 社長 五十嵐久也)は、コンクリートに発生させた衝撃弾性波の伝播速度に基づいてコンクリートの圧縮強度を推定する非破壊試験装置を開発し、同社の関係会社である株式会社コスモプラニング(東京都千代田区神田須田町2-3 社長 山村啓二)から、商品名「聴強器」(写真1)として製造・販売を始めました。聴強器は、コンクリートの表面をハンマーで軽く叩いて発生させた衝撃弾性波の伝播速度を測定することにより、新設構造物のコンクリート強度を推定する装置で、事前に求めた強度推定式を介して、その場で精度良くコンクリートの圧縮強度を推定することができます。

【聴強器の原理】

「聴強器」は、三井住友建設が開発した非破壊試験の測定法「衝撃弾性波試験 表面2点法によるコンクリート強度測定法」*1)*3)を用いる測定器です。
衝撃弾性波試験表面2点法では、2つの振動センサを組み込んだ振動検出器をコンクリート表面に接触させ、その近傍をハンマーで軽く叩いて衝撃弾性波を発生させます。弾性波速度は2つの振動センサの間の波動伝播時間差と測定距離(30cm)から算定されます(図1)。コンクリートの弾性波速度と圧縮強度の間には強い相関関係があることが知られており、圧縮強度は弾性波速度と事前に求めた圧縮強度推定式から決定されます(図2)。
表面2点法による圧縮強度推定法の特徴は、以下のとおりです。

・簡便な方法により圧縮強度が推定できます
・一人で測定できます
・コンクリートの強度をその場で即座に測定できます
・広範囲(10~150N/mm2)の圧縮強度測定に適用できます

聴強器は、測定した弾性波速度に基づき圧縮強度推定式を介して強度を推定するため(図2)、推定精度は強度推定式に依存します。このため、圧縮強度推定式は、予め実機試験などの機会に打設するコンクリートの特性試験を行い、適切なものを用いることとしています。

【測定手順】

聴強器による一連の測定手順は、以下の通りです。

手順1. 円柱供試体による特性試験
打設するコンクリートの試験練り、または実機試験の際に円柱供試体を製作します。材齢7,28,56日に円柱供試体の弾性波速度と圧縮強度の試験を行い(写真2)、両者の関係を求めます。

手順2. 圧縮強度推定式の作成
円柱供試体の弾性波速度と圧縮強度との相関関係に対する回帰式として、圧縮強度推定式を導きます(図3)。

手順3. 現地測定位置の選定
ひび割れ、ジャンカ、鉄筋など、測定結果に影響を及ぼす位置を避け、ハンマーで叩き易い位置を選定します。

手順4. 圧縮強度の測定
測定状況を写真3に示します。ハンマーでコンクリートを数回軽く叩くことにより、即座に圧縮強度を確認することができます。測定結果は、ほぼ±15%の誤差範囲内にあることが確認されています(図4)。

【販売と今後の展開】

三井住友建設とコスモプラニングでは、「聴強器」の商品化を進めてきましたが、昨年末に販売の運びとなり、今年度より本格的な販売を計画しています。
昨今、工事実施時に構造物の品質の確認を行うことが大きな流れとなっています。コンクリートの強度確認の分野においても、今後、非破壊試験法の適用が一般化するものと考えられ、三井住友建設は「衝撃弾性波試験 表面2点法によるコンクリート強度測定法」を広く自社の工事に展開するとともに、「聴強器」の販売も大いに見込んでいます。

【背景(参考)】

構造物の安全・品質に対する社会的関心の高まりに伴い、コンクリート構造物の新設時に品質を保証する検査手法が脚光を浴びるようになってきています。
国土交通省では、コンクリート構造物の品質確保の取り組みとして、昨年度からコンクリートのかぶり厚さ、配筋を確認するための非破壊検査を橋梁上部・下部の全数で試行しています。
これに続いて同省では、昨年度「微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定試行要領(案)」*1)(以下「要領案」)を策定し、平成18年度に施工されたコンクリート橋の上部および下部工事のうち、全国37箇所の直轄土木工事を対象として、要領案に基づいたコンクリート構造物の強度測定による品質管理を試行的に実施しました*2)。
この要領案に盛り込まれている試験法は、「微破壊試験」と「非破壊試験」に大別されますが、全部で5種類あります*1),*3)。
「聴強器」は、三井住友建設が開発した非破壊試験の測定法である「衝撃弾性波試験 表面2点法によるコンクリート強度測定法」*1)に用いる測定器です。
表面2点法については、要領案において測定者の要件として「土木研究所の講習を受けた者」とされたことから、昨年度に引き続き、今年度も5月から土木研究所において講習会が計画されています*4)。
また、国土交通省においては、直轄の橋梁工事の強度測定による品質管理の試行に向け、昨年度、全国の各地方整備局で微破壊・非破壊試験の講習会が開催されました。

*1) http://www.mlit.go.jp/tec/cost/sekkei/pdf/180925-2.pdf
*2) http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/13/130925_2_.html
*3) http://www.pwri.go.jp/renewal/relation/conc-kyoudo/index.html
*4) http://www.pwri.go.jp/renewal/news/20070412/kousyuu1.pdf

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

 

聴強器の外観

写真1 聴強器の外観

聴強器の構成および測定方法

図1 聴強器の構成および測定方法

弾性波速度と圧縮強度との関係および強度推定方法

図2 弾性波速度と圧縮強度との関係および強度推定方法

円柱供試体の弾性波速度測定状況

写真2 円柱供試体の弾性波速度測定状況

円柱供試体の円柱供試体の弾性波速度と圧縮強度との関係および圧縮強度推定式

図3 円柱供試体の弾性波速度と圧縮強度との関係および圧縮強度推定式

橋梁上部工における主桁側面の測定状況

写真3 橋梁上部工における主桁側面の測定状況

橋梁上部工における主桁側面の測定状況

図4 推定強度とコア強度との関係
(上図は三井住友建設(株)と(独)土木研究所との共同研究の成果です)

施工事例

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