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リリース

超高強度コンクリート、200N/mm2を達成

■概要

三井住友建設株式会社(東京都新宿区西新宿7-5-25 社長 五十嵐久也)は、住友大阪セメント株式会社(東京都千代田区六番町6-28 社長 渡邊 穰)と共同で、建物のさらなる高層化,居住空間の拡大を目指して設計基準強度(Fc)150N/mm2を超える超高強度コンクリートの開発を進めてまいりました。今回、使用材料の開発や各種養生条件下における強度発現の確認試験を実施した結果、圧縮強度が200N/mm2を超えるコンクリートを製造することができるようになりました。

■背景

現在、都心部を中心にRC造超高層集合住宅の建築数が増加しており、更なる高層化や大スパン化が進行しています。また現在、三井住友建設では、鋼材価格の高騰を踏まえ、従来S造が中心であった超高層オフィス分野においてRC造での建設を提案し、技術開発とともに営業展開を積極的に進めています。このような状況下において、構造材料としてのコンクリートの高強度化は必須の条件となっています。これまでに、三井住友建設は住友大阪セメントと東京エスオーシー株式会社を併せた三社で、Fc150N/mm2までの高強度コンクリートを対象に大臣認定を共同で取得し、また、Fc120N/mm2までの高強度コンクリートの施工実績を有しています。今後もコンクリートの高強度化へのニーズは高いと予想されることから、三井住友建設は住友大阪セメントとともに200N/mm2級の超高強度コンクリートの実用化を目指し研究開発を進めてきました。

■従来技術とその問題点

コンクリートは練混ぜ水に対するセメント量が増加すると共に強度は高くなりますが、反面セメント量が増加するにつれてコンクリートの粘性*1)が高まり、施工性*2)が低下します。そこで、Fc80N/mm2以上のコンクリートでは、施工性の改善や高強度化を目的にセメントにシリカフューム*3)などの混和材*4)を混合します。しかしコンクリート強度がさらに高い150N/mm2以上になると、混和材を混合しても施工性の確保が困難になるので、新しい材料が必要になっていました。

■特徴

今回、開発した200N/mm2級超高強度コンクリートでは、従来使用してきたシリカフュームより粒度の粗いシリカ質微粉末を適量混合しました。また使用する骨材は、細骨材として高密度で高強度のスラグ*5)系細骨材を、粗骨材として強度確保のため粒度調整した硬質砂岩砕石ないし安山岩砕石を採用しました。

これらの材料を用いることにより圧縮強度が200N/mm2を超える超高強度コンクリートを達成することが可能となりました。このコンクリートは、50cmフロー時間*6)が6秒前後と高い流動性を持ち施工性に優れています。また、70℃環境下で5日間程度養生したコンクリートの圧縮強度は200N/mm2を大きく上回ること、小型の部材試験体より採取したコアでも200N/mm2の圧縮強度が得られることを確認しました。

■今後の展開

両社では、既にレディーミクストコンクリート工場などでの製造実験や大型部材での施工・強度確認試験も実施しており、早急に実用化を図る予定です。

■超高強度コンクリートが創り出す世界

あらゆる分野で、材料の性能向上はその利用領域を拡大します。コンクリートの圧縮強度向上は、構造物で力が集中する部分に利用すると大きな効力を発揮し、新しい空間を生み出します。200N/mm2の『超高強度コンクリート』は、一般に使用されているコンクリートの4~5倍を超える圧縮強度を持っています。この特性を活かすことにより、次のような新たな付加価値を提供することが可能となります。

  1. 超高層化・大スパン化によって高軸力を受ける柱に適用することによる「RC造オフィスビルの超高層化」
  2. 下層階の柱の断面寸法を通常の超高層建物と同程度に抑えた、「300m級の鉄筋コンクリート造住宅」の実現
  3. 「PC(プレストレストコンクリート)」との組み合わせにより、梁の断面寸法を通常の大スパン建物と同程度に抑え、「階高の増大を抑えた大スパン物流倉庫」の実現
  4. 超高強度コンクリートを使用した「大スパン構造」と「免震」を組み合わせることにより、優れた免震性能を持ちながら平面計画に無理が生じない免震建物の実現
    また、橋梁など土木構造物への応用も可能です。


用語説明

*1)粘性:
コンクリートの流れやすさを表すフレッシュコンクリートの性状を表す指標の一つ。低すぎるとモルタル分と骨材が分離してしまい、高すぎると流動性に劣り施工性が低下します。

*2)施工性:
コンクリートの流動性、分離のしにくさ、型枠への打ち込みやすさなどを総合的に判断したコンクリートの扱いやすさを表す指標。

*3)シリカフューム:
シリコン製造時等に副産物として生成される非常に細かい球状の微粒子。コンクリートの性状改善や高強度化に寄与します。

*4)混和材:
性状や強度改善のため、比較的多量にコンクリートに使用する材料。

*5)スラグ:
鉱石から金属を製錬する際などに、金属を取り出した残留物。コンクリート用骨材としても使用するものもあります。

*6)50cmフロー時間:
JIS A 1150「コンクリートのスランプフロー試験方法」に規定されるスランプフロー試験において、スランプコーンを持ち上げてコンクリート試料が流動を始めてから、直径50cmまで広がるまでに要する時間。コンクリートの流動性の大きさの一指標となります。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。


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スランプフローの測定

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