橋ガール

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#01 後楽園北歩道橋

橋をつくり続ける会社の橋好き女子、その名も「橋ガール」! 「橋好き女子」が勝手に橋の魅力を紹介しちゃうプチプロジェクト。 『お橋見』のためなら日本全国、いや世界の果てまでいってきまーす!

記念すべき「橋ガール」第1回目に紹介する橋はこちら! 東京ドームと後楽園駅、それにラクーアを結ぶ三つ又の歩道橋。 こちらの橋、「後楽園北歩道橋」っていう立派な名前がついています。 01_img01

橋の概要

名称
後楽園北歩道橋
位置
東京都文京区後楽一丁目
橋長
64.05m ( 3@16.25m+4.9+4.6+5.8m )
形式
3方向PC有ヒンジラーメン箱桁橋
工法
プレキャストセグメント張出し架設工法
竣工年
1967年
MAP
01_img02

丸の内線 後楽園駅に到着。

01_img03 今回の橋があるのはココ!

「ルナちゃん、どう、どう?この橋。最大の魅力はやっぱり「3方向」にすらっと伸びて浮かんでいるみたいなところよね。こうして下から見あげるとなかなか迫力あるでしょ!右に行くと東京ドーム、左に行くとジェットコースターって、ちびっ子なんかどっちに行こうか迷っちゃうんじゃない?」 01_img04

「センパイ~、『お橋見』とか言っていきなり歩道橋じゃないですか。橋ガールのデビュー取材、なんか地味じゃないですかぁ???でも、こうやって見あげると高級車のマークみたいでちょっと格好いいかも。」

「高級車のマークって、ルナちゃんらしいね。歩道橋っていってバカにしちゃだめよ。この橋完成してから45年も経ってるんだけど、当時からここは1日に何万台も車が通る三叉路になっててね、おまけに野球場や競輪場、それに大学や区の施設なんかがあって人通りも多いでしょ、それでこんな形の橋が造られたんだって。まわりの施設は入れ替わってるけど、後楽園駅に東京ドームやラクーアがつながっているから人通りの多さは相変わらずで、今でもしっかり現役で活躍している橋なのよ。」

完成当時(1967年)

「へー!そんなに昔からにぎやかな場所だったんですね。確かに野球の試合なんかあったら大勢の人が集まるから、横断歩道だけだったら大変だったかもですね。」

「そうそう。1967年といえば巨人軍のV9時代がはじまってたころじゃない。そりゃすごかったに違いないわよね、ってそんなオジサン級の野球ネタはおいといて、、、実はこの橋、下の道路の交通をほとんど妨げないように架けられたんだってよ。」

「え~、こんなに交通量が多いところに!工事中に車が走るなんて想像するだけで恐ろしいですねー。でもどうやって?」

「ほら、興味がわいてきたでしょ。この橋はね、専門的には「プレキャストセグメントを使った張出し架設」っていう工法で架けられててね。歩道のところに下駄の歯みたいに大きな壁が2枚あるでしょ。あれが橋脚なんだけど、その部分の上に工場でつくってきたプレキャストの橋桁を道路に向かってせり出して架けていったんだって。3ヶ所から交差点に向かって伸ばしていって最後に交わったところでつながっているわけ。

 2つの橋脚の上にプレキャストの橋桁がのっかってる

2つの橋脚の上にプレキャストの橋桁がのっかってる

「なるほど~。それにしても車の通りを止めないで工事するって大変だったんじゃないですか?」

「さすがにずうっと止めないっていうわけにはいかなかったみたいだけどね。道路上の作業は、夜の10時から朝の7時までの間に制限して昼夜連続作業で工事したそうよ。それによって張出し架設作業は実質15日で終わったんだって。

「ふーん!15日ですかぁ!そ、それってきっとすごいことなんでしょうね?(よくわかんないけど・・・)で、センパイ。そのプレキャストの橋桁ってどこか別の場所で造られてきたんですか?」

「なんでも相模原の工場で造って運んできたって。ここから40kmはあるわよね。でもそうやって先につくっておく方法を選んだから、昼間の通行を妨げないで素早くつくることができたのよ。ほら、ルナちゃん、橋の裏側よーく見て!セグメントの継ぎ目があるのわかる?」

「ホントだー、わかるわかる。あ!センパイ、事件です!この橋、3つが交わる真ん中の部分って切れているように見えるんですけど!つながってなくて大丈夫なんですか?」

「それはね・・・、実は秘密があるのよ!ということで、ここからはちょっと専門的な説明が必要だから、ハカセに登場してもらって教えてもらいましょう!ハカセ~っ。」 01_img07

「どうも、今日はお招きいただきまして。では、解説させていただきます。えー、この橋はですね、架設したときから道路方向片側だけに長く張出した状態でいられるようにつくられているのです。張り出している橋桁を、PC鋼材というケーブルで締め付けて折れないように補強してあるんですね。ちなみに、今のできあがった状態でも3方向の真ん中は、ルナちゃんご指摘の通りで完全にはつながっていないんです。ここには鋼製のヒンジと呼ばれる部材をこんな風(手でやってみる)に入れてあって、3つの橋に段差ができないようにしているんです。 01_img08

「橋の形式に書いている「ヒンジ」ってこの事だったんですね。でもハカセ、つくるときからこんなに片方に張り出しててどうして倒れないでいられるんですか?

「さっき、橋桁の根もとのほうに壁みたいな橋脚が二本あるって話してたでしょう。前方の橋脚は普通に橋桁の重さを支えているんですが、後方の橋脚が絵のように橋桁が転ばないようにPC鋼棒で地面の方向に引っ張るように基礎まで一体化させていまして、こうして基礎にしっかり抵抗力を持たせることで片側に長く張り出していても倒れないようにしているんです!」 01_img09

「ちょっと話が難しくなってきたけど、形からしてながーい飛び込み台みたいなのつくるのにいろんな工夫がしてあるってことなんですね。さすがハカセ!すてきな解説ありがとうございます。じゃ、そろそろ上に上がってみませんか!」 01_img10

「ここが3つが交わるヒンジのところよね。隙間を埋めるようにゴムが挟んである。たしか橋も温度によって伸び縮みするって聞いたことがある!夏は伸びて冬は縮まるからその差を吸収してくれるこのヒンジ部分が大事なんだね。この隙間のゴムは雨水なんかが流れていかないようにする役割にもなっているのよね」

飛び跳ねると結構揺れるー!!でも大丈夫なんですね」 01_img11

「じゃ、今度は上のほうから全体を眺めてみましょうよ。多分、あのラクーアのビルあたりがベストポジションなはずよ!」 01_img12

「見てください、ちゃんと色が3色に分かれてる~。芸が細かいですね。でもあらためて思ったんですけど、東京ドームって、プロ野球の試合やアイドルのコンサートとかで人でいっぱいになったりしますよねぇ。そういう日って、この橋の上も人・人・人になるはずでしょうけど、どこまで耐えられるのかしら?」

「そうね、多分そんなときは3つの橋が必死に力を合わせてギリギリ堪えているのかしらね~、って思ってさっきハカセに聞いてみたんだけど、1m²あたり350kgの重さがかかっても大丈夫なように設計してあるんだって。これって畳半分のところに70kgくらいの人が4人、それが橋全体にいることを想像してみて。」

「うわぁ、橋全体が満員電車状態みたいになっても大丈夫なんですね。なんか安心しました。あ、そうこうしているうちに夕暮れになってきましたね。」

「ここでこうやってみてると、駅とラクーアと東京ドームを機能的にもデザイン的にも美しくつないでいて古さを感じさせないわね~。この橋をみるなら、鑑賞ベストポジションはこのラクーアの4Fで決まりね!さ、ということで今日の取材はおしまい。おなかすいたからそこのレストランでおいしいもの食べていきましょう!!」 01_img13

タノちゃんの絵日記

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2013年2月28日 行った場所:後楽園北歩道橋 「One for All All for One まるで三銃士のようなそんな橋。 いつまでも力強く、美しく!」

―つづく