橋ガール

見出し

#02 後楽園ブリッジ

橋をつくり続ける会社の橋好き女子、その名も「橋ガール」! 「橋好き女子」が勝手に橋の魅力を紹介しちゃうプチプロジェクト。 『お橋見』のためなら日本全国、いや世界の果てまでいってきまーす!

今回「橋ガール」が紹介するのは、またまた後楽園にある歩道橋。
1964年に完成した超年代モノの橋です。
野球好き、競馬好きの方なら必ず渡ったことがある勝利の架け橋(?)。
今日の見所はいかに、、、

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橋の概要

名称
後楽園ブリッジ
位置
東京都文京区後楽一丁目
橋長
89.78m
形式
3径間連続PC有ヒンジラーメン箱桁橋
工法
ディビダーク工法
竣工年
1964年

MAP

JR水道橋駅到着。

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「今日の『お橋見』ポイントに到着!暖かくなってきたし、外歩きにはちょうどいい季節になってきたよね。」

「センパーイ、せっかくいい天気なのに、なんでまた後楽園なんですか???もっときれいな川とか緑が見えるところ、あるんじゃないですか?っていうか、2回続けて同じ場所って、なんか近場ですませちゃってる感みえみえじゃないですか。」

「そんな小さいこと気にしない。私たち「橋ガール」よ。橋があるところなら、全国どこでも、海外でも、もちろん『同じところでも』ね!橋みたいにどーんっとビッグにいこうじゃない!」

「だから、同じところじゃなくても・・・。」

「ところでルナちゃんさぁ、最近ニュース見てる?いまテレビでなに盛り上がってるか知ってる?そう、オリンピック!2020年東京でオリンピックでしょ!」

「え、そういえばIOCの人が視察に来てたとか。でも、それが今日の『お橋見』となにか関係が???」

「あるある、大アリクイ。今日のターゲット、完成したのって東京オリンピックが開催された年なのよね。前回の北歩道橋よりさらに3年前。すごいでしょ!」

「へぇ~。で、その橋どこにあるんですかぁ?
というかセンパイ~、なんか息が切れてきちゃたんですけど・・・、ってもしかしてもう橋の上だったりして?」 02_img04

「よく気が付きましたー!
そうなのよ。この橋の勾配、マックス10%もあってね。これって、今じゃ考えられない坂道よ。実は、この坂にはおもしろい話があるのよ。当時水道橋駅と後楽園の間を行き交う人の量は何と平均で毎分400人!何とか歩道橋をつくろうって事になったんだけど、ここからが大変。この道路には都電が走っていてそれに当たってはいけないし、水道橋駅前で人が溢れないよう駅前に広場をつくって橋がすりつかなきゃいけないし。そんな条件の中で人が歩ける勾配という事で10%になったんだって。だからこの条件を満たすために、設計も施工も大変だったみたい。」

「へー!たしかに急だけど、駅前のちょっとした広場あるから、歩いているといつのまにか橋になってる感じですよね。それにしても競馬で負けて帰ったら転げ落ちそうですよ~。」

「でもね、そのお陰でというわけじゃないんだけど、この橋ならではのきれいなアーチが見られると思わない。どうどう、ここから見るラインが美しいんじゃない!」 02_img05

「そうですね。表面は結構よごれちゃったりしてるけど、良く見るときれいに絞り込まれた形が「美しい」って感じがします!」

「ということは、この橋の姿がよく見えそうなところは・・・、あの交番のある交差点あたりじゃない?」

水道橋駅前交番

水道橋駅前交番

交番前の交差点から橋を見る

交番前の交差点から橋を見る

「確かに全体の姿が見渡せるといえばこの辺がベストですかね。ビルの隙間から観覧車が見えてるあたり、あの先になにか楽しいことが待っていそうな気がしてきますね。」

「じゃ、そろそろ向こう側に渡ってみましょうか。」

「ところで、さっき橋の説明のところに「ディビダーク工法」っていうのを見つけたんですが、このディビダークって何のことですか?とてつもなくかっこいい響きですけど。」

「こんな感じの人?」

タノちゃんの「ディビダーク」イメージ

タノちゃんの「ディビダーク」イメージ

「・・・」

「じゃあ今回も例のごとくハカセに登場してもらっちゃいますか?
ハカセー、ノックノック ピンポーン。」

「え、もしかしてまたお呼びしてるんですか?」

「はい!またまたお招きいただきましてありがとうございます。いつ呼んでもらえるのかとヒヤヒヤしておりました。
『ディビダーク』についてですね?この工法を開発したドイツの会社Dyckerhoff & Widmann AGの頭文字DY-WID-AGからきています。ちなみにDyckerhoffとWidmannは会社を設立したときの社長さんの名前、AGはドイツ語で株式会社の意味です。「ディビダーク工法」は、この会社の定着具をもちいる場合や、それを使って張出し架設する場合の事を意味します。」

「どんな工法なんですか?」

「当時の写真があったので持ってきましたよ。ディビダーク工法では、この写真のように移動作業車を使って張り出しながら橋桁を架設します。ここは建設当時でも日中の自動車交通量が6000台/時ありましたので、その交通を止めてしまっては大混乱になります。そこで交通に支障をきたさず施工することが求められ、施工中も道路の交通が解放できるこの工法が採用されたのです。このディビダーク工法は1958年に日本に導入されたのですが、歩道橋に用いられたのはこの橋が初めてなんですよ。」 02_img08

「あー、この写真の場所ってさっきの交番の前あたりじゃないですかぁ?この車、まるで映画の世界ですね!02_img09

「うわぁ、こっちの写真、確かに都電ギリギリで走ってるっぽい。 にしても、歩いてるみなさん、ヘルメットとか安全柵とか関係なく歩いてるけど怖くないのかしら。あー、そもそもバイクの運ちゃんがノーヘルだったりする!
この橋のすごさは、この厳しい条件の中でつくっちゃったことよね。この辺りがちょうど真ん中だから今の橋でいくとあの辺で・・あ!、この橋も真ん中が切れてる。ハカセ!あそこがヒンジですね!」 02_img10

「そうです、ヒンジ橋です!中央の桁の高さは700mmしかありません。これは先ほどタノちゃんが言っていた勾配10%を確保するためにぎりぎりまで低くしたそうですよ。」

「下から見ると「つるっ」としててなんだかかわいい。なんか顔みたいだし。」 02_img11

「これを愛おしく思えるなんて、ルナちゃんいよいよ橋ガールっぽくなってきたわね。」

「こうしてみていくとさりげない歩道橋でもいろいろ見所ありますよね。ちなみにこの橋、橋脚と橋桁の間に継ぎ目がないでしょ?これって、、、」

「ハーイ、ラーメン橋!!ラーメンって「拉麺」の「らーめん」じゃなくって、ドイツ語ですよね、勉強してきました!!」

「優秀!優秀!
またしてもラーメン橋ね。
「ラーメン、ラーメン」って言ってると、ついつい麺が食べたくなっちゃうのよねー。 」

「センパイ、あそこ!あんなとこに行列のある刀削麺のお店みっけー。」

「ナイス発見!さ、行くわよ!」 02_img12

「ごちそうさまでした、辛かったけどおいしかったー。今日の取材も無事終わりですね?」

「そうね、、、と思ったけど、あれ何かしら。わーこんなとこに可愛いお店があるー。ね、ね、ちょっと寄ってかない?周辺のオススメスポットもりっぱな『橋ガール』のお仕事なんだから!」

「えー、いま食べ終わったばっかりじゃないですか。やっぱり『お橋見』も、花より団子のパターンですか???」 02_img13

「ところでセンパイ、「水道橋」って地名だけじゃなくて、本当に橋があるんですね。ココから見える「後楽園ブリッジ」も、水面にうつってる姿が絵になりません?」 02_img14

「ふむふむ、逆さ橋!確かにー。これって意外に知られてなかったりするんじゃない?交番前もいいけど、今回の鑑賞ベスポジはこの「水道橋から見る~」で決まりかな!!」

タノちゃんの絵日記

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2013年2月28日 行った場所:後楽園北歩道橋
「見上げてごらん。
 後楽園ブリッジは
 水道橋のかっこ良さに負けても
 堂々としているよ。」

―つづく