橋ガール

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#04 潮騒橋

橋をつくり続ける会社の橋好き女子、その名も「橋ガール」! 「橋好き女子」が勝手に橋の魅力を紹介しちゃうプチプロジェクト。 『お橋見』のためなら日本全国、いや世界の果てまでいってきまーす!

今回の橋ガール、更に更に踏み出しました。新幹線の窓越しに『小田原ブルーウェイブリッジ』を眺めながら、やって来たのは遠州灘を望む『潮騒橋』! この橋、会社案内パンフレットでもしっかり紹介されている、ちょっと変わった形のアイドル橋だったりします。ロマンチックな名前の響きにテンションあがって妄想が膨らむ二人、橋を前にかなり羽を伸ばし始めている様子です。果たして、今回の「お橋見」取材、どうなってしまうのでしょう・・・ NOZIP_3799_03

橋の概要

名称
潮騒橋
位置
静岡県掛川市国安
橋長
232.0m ( 55.0+2@61.0+73.1m )
形式
4径間連続上路式PC吊床版橋
工法
懸垂架設工法
竣工年
1995年

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MAP

「「橋ガール」もいよいよ静岡県までやってきましたね。掛川ですよ!最後に来たのは夏の野外コンサート。この風、この日差し、、、あの夏を思い出します。」 kakekawa_station

「眩しいーわね。この日差しに負けない眩しい思い出こさえて帰ろうじゃないの!!静岡まで「お橋見」に来れるなんてホント幸せだねっ。ああ~、『潮騒』が私を呼んでいる!」

「ん~、なんだか私にも聞こえる気がします!!」

『潮騒橋』は掛川駅から車で15分くらいのところにあります。なんと駅の観光マップにも載っている!

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県道38号線を南下してやがて見えてくるのは大東温泉シートピア

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130530_22  この松林を抜けると・・・

でました!遠州灘です!! 「潮騒橋」は、この太平洋岸自転車道を構成する橋なのです。

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「ワーイ、海だー!!」

「さすらお~ この世界中を~ ころがり続けて歌うよ 旅路の歌を♪
『橋ガール、掛川の地で波乱の予感・・・』」

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「センパイ?その展開どこかで見たことがある気します。」

「ごめんごめん。海に来るとついついやりたくなってしまって。ちょっと待って。楽しい取材をする前にちょっとお昼ご飯食べて行こうよ!!」

「ちょっと早くないですか?橋はすぐ目の前だって言うのに。」

「たまにはいいじゃない。「茶蕎麦」食べていこうよー。せっかく掛川まで来たんだから。」

「そういえば、さっきお茶畑たくさん通り越してきましたね。「茶そば」おいしそうですね。じゃあたまにはお橋見前に食べちゃいましょーか。」



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「きゃあー、これはなんですか?新茶の天ぷら?初めて食べます!」

どうやらこの時期にしか食べれない貴重なものらしいよ。新芽でも、5月頃の柔らかい新芽しか天ぷらに出来ないんだって。本当ラッキーラッキー最高!!」

「この桜海老のかき揚も見て下さい。もう我慢出来ません。いただきます。

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陣場の里 かちゃ料理 むとう
http://kacha-muto.com
今回取材させていただいたお店。こちらのお店の裏にはお茶畑が広がっていて、お店の中からもこんなのどかな景色を眺めながら季節の味を楽しむことが出来ます。

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ご主人ありがとうございました。おいしかったです。

「さあ、お腹も一杯になったことだし先を目指しましょう!!
センパーイ!いよいよやってきました。しおさーい、ごめんくださーい!」

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「海と風車に囲まれて、なんか絵になるよね。
ルナちゃん、反対側に見える橋が『菊川橋』って言ってね、実はこれも1972年にウチで施工した橋なのよ。」

上:菊川橋から見える潮騒橋

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下:潮騒橋からみえる菊川橋

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「へー、『菊川橋』は無骨でシンプル!!車も走れる道路橋ですね。」

「そうそう。そしてこっちの『潮騒橋』は自転車・歩行者用道路橋。このキャシャなシルエット。まるで『菊川橋』が男性で『潮騒橋』が女性みたいじゃない?♪ 男と女あやつり吊られー。恋はいつでも初舞台・・・」

「確かに見た目、男橋、女橋って感じがするかもですね。
それにしても、今日のセンパイ、歌ってばっかりテンションおかしくないですかぁ?恋はいつでも初舞台って???」

「あ~、ホント美しいわー。潮風も気持ちよくて最高。歌もうたいたくなるってもんでしょ。
ねぇ、色んな角度から見てみたいよね。あの辺にいってみようよ。」

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「センパイ、高欄になにか付いてますよ。えーっと『田中賞』って書いてある!もしかして『潮騒橋』もあの橋の日本アカデミー賞受賞橋ですか?」

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「そうそう。これが、かの『田中賞』を受賞した賞碑なのよ。

「へー。でも、この橋は眺めてると本当にキレイだなぁと思うんですけど、そもそも何でこんな形になったんですかね?
この「上路式PC吊床版橋」っていうのが形式なんでしょうけど、よくわからないです。それに工法に書いてある「懸垂架設工法」っていうのもどうするのか想像がつかないなぁ。うーん、かなり造るの大変そうな気はするんですが・・。」

「実はね、わたしもわかってない・・・
ということで、ちょっと遠いんだけど今日もハカセ呼んじゃいまーす。
せーの、ハッカセー!!ノックノックピンポーン!」

「どーも、おはようございます。いやいや、みなさんのお陰で静岡まで来れてしまいました。毎度、お呼びいただきありがとうございます。潮騒橋、これ面白い橋ですよね。それでは、景色の余韻に浸る間も無く、早速無骨に解説に入るとしましょう。
まずは「上路式吊床版」についてですね。お二人は「吊床版」は知っていますか?」

「なんとなく・・。張り渡したPCケーブルの上に橋を架ける方法ですよね。」

「その通りです。張り渡したPCケーブルをコンクリートで固めたのが吊床版、そしてその上を直接通れるようにした構造が「直路式」です。
ところが橋には重量があるからケーブルはピンと真っ直ぐに張り渡せません。このときの垂れ下がった量を「サグ」といい、「直路式」ではこのサグで通行する部分の勾配がきまってしまいます。」

「じゃああまり垂れ下がっていると渡るのが大変ってことね。」

「そうなんです。かといってできるだけピンとPCケーブルを張ろうとするとより大きな力で抑えなくてはいけません。そうすると橋脚やその下の基礎が大きくなって工費が増えてしまいます。
そこで、吊床版の上に柱(鉛直材)をたててその上にもう一回通行面になる床版(上床版)をかけた方法が「上路式」というわけです。潮騒橋は、支間が61mと大きく、自転車も通るために「上路式」が選ばれたのです。そして、この橋がすごいのは、通常の吊床版橋は一径間がほとんどなのですが、世界で初めて多径間連続の橋に挑戦したところなんですね。」

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「だから柱は細いまま、緩やかな勾配が続く橋が作れたんですね。
今回の新キャラは「サグ」君ですね。よし、ハカセと一緒にサグを探そう!!」

「ほら、ガールたち。早速こんなに近くにサグがありましたよ」

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「なるほど、これ駐車場でもよく見かけますね。確かにこのチェーンのたるみを小さくするには大きい力で引っ張らなきゃいけないですね。
ちなみにハカセ、施工方法にあった懸垂架設ってどういう方法なんですか?」

「当時の写真がありますので見てください。」

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「懸垂架設は、このように張り渡したPCケーブルの上に、工場で造ってきたプレキャスト部材を並べて、橋を造る方法です。潮騒橋では吊床版も鉛直材も上床版もすべてプレキャスト部材で、現地ではその部材間だけをコンクリート打設しているんです。」

「へー、橋の下にはなにも支え無しで、全部空中で造っちゃうんだ。あ、こんなところに窓がある。この隙間から見る海って、ロマンチックじゃないですか。」

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「この空間からPCケーブルを引っ張ったんですよね?ハカセ。それでそのままこの銃の引き金みたいな空間をデザインで残したんですよね。」

「よく調べてますね。その通りです。さらにさらに引き金部分の荒い表面もデザインが単調にならないように施されたデザインなんですよ。」

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「センパイ、下から見ると、またおもしろいですね。近くで見ると新しい発見がありますね。橋脚も形が変化しているし、さっきハカセが言っていたプレキャストの継ぎ目もわかりますよ!
なんだか大きなクジラが空を泳いでるみたい。

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「やっぱりベスポジは真下の砂浜から見る『潮騒橋』で決まりですね。」

「ほんと、すごいすごい。太陽がめざめたら あの海へ行こう よりそって♪いやぁ、「雪解けをおよぐ くじらみたいな橋だねえ。」

「センパイ、今日は最後までそのノリでしたね。」

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タノちゃんの絵日記

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2013年5月某日 行った場所:潮騒橋
「 挑戦する
  強くてしなやかな女性
   鉄の女の様な橋でした 」

―つづく