橋ガール

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#12 夢吊橋

橋をつくり続ける会社の橋好き女子、その名も「橋ガール」! 「橋好き女子」が勝手に橋の魅力を紹介しちゃうプチプロジェクト。 『お橋見』のためなら日本全国、いや世界の果てまでいってきまーす!

橋ガール1号2号の二人が九州地区で取材をしていると聞きつけ、広島の『とある場所』でなにやら動きが・・・

「ねぇねぇ、聞いた?あ・の・『橋ガール』、今回は九州地区の取材なんと!」

「え-っ、広島にだっていろんないい橋があるのに、飛び越えて九州行ってしもーたん?さすが、『おしい!広島県』(*)じゃね。」  *広島県観光PRキャッチコピー

「ほんまよ~。じゃけぇ、こうなったら、うちらで勝手に取材してみん?」

「ナイスアイデア!で、どこ行くん?」

「実はもう目星は付けとるんよぉ♪」

ということで、今回のレポーターはこのお二人。

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橋の概要

名称
夢吊橋(ゆめつりはし)
位置
広島県世羅郡世羅町小谷地内~府中市諸毛町内
橋長
172.6m(支間長147.6m)
形式
単径間吊床版橋
架設工法
懸垂架設工法
竣工年
1996年
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側面図

断面図

断面図

MAP

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ヒラコ と タジジ、頑張りマース!

「夢吊橋といえば、世羅高原の芦田湖にかかる“ぶち”長い吊床版橋よね。確かに橋ガールにはぴったり!」
※訳: ぶち = とても

「じゃろ♪それにね・・・広島県のホームページに『橋を渡りながら願い事をすると願いが叶う』って書いてあるんよ。」

「えぇー!?なんとなんと、大きく出たね~広島県。」

「ここはひとつ、橋ガールである前に『カープガール』であるうちらが来シーズンの優勝祈願に行かにゃぁいけんじゃろー!」

「よし!それゆけ橋ガール!!」

「ガール♪ ガール♪ 広島橋ガールっ♪」

・・・ということで、広島市中心部から中国道、国道184号と車を走らせること1時間半、最後に県道404号を北上すると八田原ダムの芦田湖面に目指す夢吊橋が見えてきました。

「おーーー!あれが目指す夢吊橋かぁ!車道からはちょっと見えにくいけど、そんな、主張しなくて慎ましい感じがカープっぽいじゃーん。」

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歩道を下りていくと、緑に映えるカープレッドの赤い橋 が登場!!

「わぁ、綺麗じゃね~♪ 湖周辺の風景と調和させるために橋脚がないPC吊床版橋が採用されたっていうのも納得できるわ。」

「支間長は147.6m・・・って、あのマツダスタジアム、センターのスタンドまでの距離(122m)より25mも長いんじゃね!!吊床版橋じゃ世界最長でギネスにも認定されとるんと。

「すごーい! しかも、あの田中賞も受賞しとるらしいじゃん。まるで野球殿堂入り&国民栄誉賞受賞の鉄人・衣笠のようじゃね!」

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「見てみて~!このアングル、カッコよくない!? 対岸まで続く赤い欄干が、マエケンの手元で伸びるストレートみたい☆

「中央の垂れ下がり(サグ)は3.5mだって。橋を今年のペナントレースに例えるなら、真ん中の辺りはどん底の交流戦(12球団最下位)の頃じゃねぇ・・・」

「ほんまじゃ、、、その後巻き返したけど、あれが響いて優勝まで届かんかったもんね(涙)」

橋のたもとにはちゃんと橋の特徴を説明した看板もありました。

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「そうそう、聞いたところによると施工方法は・・・
①両側の橋台を作り、硬い岩盤に孔をあけてグランドアンカーを設置する。
②PC鋼材(1次ケーブル)を張り渡す。
③工場製作したプレキャスト版を、ケーブルを利用して運搬・固定する。
④プレキャスト版の間にコンクリートを打設して一体化させる。
⑤PC鋼材(2次ケーブル)をプレキャスト版に挿入・緊張し、床版にプレストレスを導入する。
   なんだって。」

「『懸垂架設』っていう方法らしいね。ほらこれ、前のレポートに書いてあったでしょ。こんな風にケーブルに版をぶら下げてつくるのかあ。」

橋の構造に興味が出てきた二人は、近くにあるダムの資料館に行ってみることに。

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「実物の2次ケーブルが展示されとるよ!」

「わぁ、太いねぇ! 直径が野球のボール(硬球)くらいあるじゃん。1次ケーブルが14本、この2次ケーブルが7本じゃけぇ、合計21本も使って吊っとるんじゃね~。」

「しかも、二次ケーブルの断面よく見て!細い鋼線をよったもので出来とるよ!!!細いものでもまとまれば大きく重いものも支えられるってことじゃね!! 2007年のカープ球団キャッチフレーズ 『ALL-IN!』 もまさにこういうことだったんよね!!」

「タジジ、熱いね(笑) それにしても、ケーブルも1次や2次とかあるしさ~、さっきの看板にもなんかこの橋ならではの独特の秘密が書いてあるみたいだったけど、うちら技術の方はちっとも詳しくないけぇわからんね。」

「そうじゃね、救援がほしい。そうだ、そんな時は本家橋ガールみたいにアノ人呼べばいいんじゃない?」

「その手があった! ハカセ~! リリーフカーに乗ってやって来んちゃ~い!!」

「もしくは、炎のストッパー・津田並にダッシュで来んちゃ~い!!」
ということで・・・おまじない、おまじない・・・

「こんにちは、ハカセです。いやぁ、広島でハカセを呼ぶ声ありと聞きリリーフカー『のぞみ』に乗ってやってきましたよ。よろしくお願いします!」

「ほんとに来てくれるんですね。ようこそ広島へ!!」

「早速なんですけど、吊床版橋の特徴を教えてもらえますか?」

「えーっと、こちらの1次ケーブルと2次ケーブルのお話からですね。吊床版橋で使われるこの2種類のケーブルは役割が違っています。1次ケーブルは、工場で製作されたプレキャスト版を現場で決められた位置に載せるためのもので、橋の重さを支えています。なのでケーブルにあらかじめいれる緊張力は所定の高さにそろえる程度で、プレキャスト版が載っていくとだんだんケーブルの張力が増えていきます。」

「・・・・・」

「一方、2次ケーブルは、その橋にプレストレスを与えるケーブルなので、はじめから高い緊張力が導入されています。わかりますか?」

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「・・・・・な、なるほど~、1軍と2軍みたいなものかと思っとったけど、役割が全然違ったんじゃね。」

「ですね。あ、それに夢吊橋ならではの秘密があるんだとか・・・」

「あー、あの秘密のことですね?一般的な橋の場合には、両ケーブルとも床版と一体化した橋台の後方(端側)で定着するんです。この方法は、2次ケーブルのプレストレス効率が必ずしもよいとは言えないのですが、施工性が非常に良いために選ばれています。ところが、夢吊橋は世界最長の吊床版橋なので自分の重さも、載る人の数も増えますから、今までと同じ方法では必要なケーブル本数が橋の中におさまらなくなってしまうのです。そこでこんな風に、2次ケーブルを緊張するときまで、吊床版と橋台を分離させてプレストレスの効率を上げて、ケーブル本数を少なくしたのです。」

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「へえー、そんな難しい工夫があったんじゃね。」

「ほら、二人が撮った写真にちゃんとその証拠が写ってますよ。」

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「ほんまじゃ~! 全然気付かんかった!!」

ハカセの説明を聞いて夢吊橋のヒミツが分かった私たち。 身近なもので橋を作ってみたよ。

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【 ザ・事務職がつくる橋 】

簡単にできた割には野村元監督の人形が乗れるほどの強度を保っている!
ちなみに、風の影響を受けにくいよう桁の両端に三角のフェアリングという部分があるそうで、箱の端をつぶして再現してみたりして。しかも2次ケーブルは箱の端でとめてみた。芸が細かいこと、達川元監督の如し!

「この『フェアリング』の部分は、いろいろ実験したりしてこだわって設計した部分らしいよ。それから、施工にあたった所長にも話を聞いてみたんだけど、一番苦労されたのは『橋台の掘削のときに地山がかなり硬くてなかなか堀り下げられなかったこと』なんと。1日で3cmしか掘れなくて大変だったって言よっちゃったよ!」

「なるほど。その硬さ、いうなれば『キャッチャー石原の、無表情でホームベースを護るブロック』、もしくは『梵・菊池の二遊間の守り』といったところかね。ところで、このカープネタ、みんな付いて来れとるんかね・・・? 1点リードで迎えた9回2アウト満塁のピンチとか、山本浩二元監督のクイズ番組を見よるくらい不安なんじゃけど。」

「不安といえば、設計に使っている群集荷重は1㎡当たり200kgって書いてあったよね・・・?カープ4番のエルドレッド(122kg)がエース@マエケン(81kg)をおんぶして乗ったらもうアウトってゆーこと??」

「いーや、それがセーフなんよ。橋の全部にこの重さがかかっても大丈夫じゃけん、実際には1か所だけ200kgの重さがかかったところで何ともないんと。ほらほら、この開通式の写真見てん!すごい人じゃろ。こんなに人が載ってもだいじょーVっ!なんよー☆」

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中国新聞社提供

「うわ~すごい!!これだけ強度があれば安心じゃね。 2006年、黒田がカープに残留してくれた時くらい安心したわぁ。」

ハカセのナイスリリーフで、橋の構造もよーく解ったところで、いざ優勝祈願!!

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赤い疾風・高橋慶彦を彷彿とさせるダッシュで駆け抜ける2人。

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「来シーズンこそカープが日本一になりますように――!!」

「最低でもリーグ優勝するよ――!!」

ということで、本当に願いが叶うかどうかは別として・・・、みなさん足を運んでみてはいかがでしょうか。
世羅は秋の松茸、フルーツ狩りや四季折々のお花畑など、一年を通して楽しめますよ~♪

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最後に、、、 おーい!全国のガール達~!橋っていいもんだぞ~!!
(野村元監督・引退時のスピーチ:「おーい子ども達~!野球っていいもんだぞ~!!」より)

 

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2015年1月 行った場所:夢吊橋

駆け抜ける快走劇
広島橋ガール、トップ独走!!!!

誰も追いつけないぜ。

―つづく