特命!プロセス・ブランディング部

この物語は「限りなくリアルに近いフィクション」です。

#3 早速、発掘作戦会議が開催される?!

2013年1月24日 月島商店街 某所

2013年1月某日 月島商店街 某所

月島もんじゃ商店街の中ほどにある、趣のある小さな居酒屋。 誕生したばかりのプロセス・ブランディング部のメンバー3人、まとめ役の“リーダー”を中心に、アイデアマンの“ナベさん”、土木ネタには困らないと豪語する技術主任“ハカセ”が集まって、ボスに告げられたミッション「大切にするプロセス発掘」をテーマに夜の作戦会議が始められようとしていた。

「お疲れさーん!『もんじゃ』も悪くはないけど、月島といえばこのレバーフライだよね。」

「リーダー、ほんと好きですね。リーダーの『情熱の源』はココにありって感じスかね!」

(突然、なぜかヒメちゃん登場)

「こんなところで抜け駆けですか?月島=もんじゃなのに、あ・え・てはずすあたり、みなさんのこだわりを感じちゃいますわ。」

「うわっ、出た~!ヒ、ヒメちゃん、どうしたの?」

「女子はハナがキクのよ。せっかくチームに加われたんですから、もっと仲良くしていただかないと!大将、わたしにもこの『情熱源』くださーい。」

「ははは、さっそくヒメのつっこみ全開か。来てもらったからにはちゃんと知恵しぼってもらわないとね。早速なんだけどさぁ、例の『プロセス発掘』ネタ、なにかいいテーマ浮かんでる?」

「リーダー、いきなりいじめないでください!正直文系のわたしには、会社が大切にしている『プロセス』っていわれてもピンとこなかったんですよね。ゼネコン社員といってもフツーにオフィスで机とにらめっこ、現場のことはぜーんぜん知る機会ないし。今回なんで私がさそわれたのかしらって感じだったりして・・・」

「いや、そもそも『文系』だからとか言ってちゃダメなんじゃないスか?建設っていろんな分野の人が関わって成り立つ仕事なんだから。気が付いてないだけでいろいろ聞いてみたらきっとなにか思い当たることあるかもよ。」

「そうそう、ナベさん言ってたよね。ユーザー目線で視点を変えてみたらどうかって。ヒメちゃんの役割はそこ!いろいろ聞いてみてふつうに生活者目線でつっこんでもらえばいいからさ。」

「じゃぁ、まずはいろいろ思ったこと言わせてもらえばいいって感じですか?それなら得意かも。で、ハカセはなにかあるって言ってたんじゃなかったですかぁ?」

「え・・・はい。色々と候補はあります。あるのですが、一般の人が聞きたい話題として最初の話題に何がベターなのか、いやベストは何なのか、それを考えるとそのセレクトが実に難しい。そう、難しいのです。」

「だよね。基本的に普段から取り組む仕事ひとつひとつが大切な建設プロセスだって言うこともできるからね。当社にとって『これこそが、、、』って気負っちゃうと選ぶのも大変か。」

「さすがエンジニア、みんな硬―い。候補があるならもっとシンプルに『あれってすごーい!!』みたいな感じで選んじゃえばいいじゃないですか?フツーにあっという間に橋つくっちゃったり、ぱっぱと建物建てちゃったりして・・・」

「ヒメちゃん、そんなにぱっぱとはいかないんスけど。でもまぁ、それなりに早くつくるとかっていうのはウチの自慢だったりするか。そういうことなら、まずは選ぶ視点として『一般ユーザーの関心が高いテーマ』ってあたりで具体的に決めてしまっても・・・」

「うん、うん、例えば?」

「例えば、『古くなっても壊れずにいつまでも使えるように』とか『地震とか台風なんかがあっても安全にくらせるように』とか・・・・。使う人、買う人はいろいろ期待というか希望があるわけスよね。で、そのために実は我々こんなことしてるんです、って感じでどうスかね。

「今だと『安全に暮らす』ための社会インフラ整備という話題が、一番関心が高いでしょうか。土木の世界では人知れずに施工される、安全のための『こだわり技術』というのがたくさんあります。例えば、ダム建設の際のアンカー施工だったり広いエリアの地盤改良技術だったり・・・何かが起こっても、時間がたっても、ただひたすらそこにある、そう、ずっとあり続けるための・・・。」

「地上に出てる目立つ部分だけじゃなく、地下の見えない部分にこそ『価値』があるか・・・面白そうだね。」

(うん、うん、うん・・・)

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「そういう意味では、最近始まった例の超高層マンション現場でもちょうど『液状化対策工事』ってやってたりするんじゃなかったでしたっけ。まだ何にもないひろーい敷地なんだけど、完成したあとに建物まわりが液状化しないようにって先行して対策してるんスよね。」

「そうなんですかぁ。『液状化』なんて広い範囲で起こっちゃったりするわけでしょ。そのための対策工事なんていったいどんな風にやるのかしら?もしかして土をぜーんぶ入れ替えちゃったりとか、カッチカチに固めちゃったりとか?想像も付かないけど、すっごく興味ある。」

「工事をする前にしっかり調査して準備はするにしても、いつ襲ってくるかわからない地震を相手に見えない地面の下で対策する訳ですから、いろんなノウハウや判断が必要になります。」

「液状化対策か。先日技術の連中に論文を読ませてもらったけど、かなりシビアなところで検討しているようだったよね。この辺はひとつテーマとしてありかな・・・。そういえば、地震にまつわる技術といえば、最近古い建物の耐震化なんかも関心がとても高いよね。」

「あ、それって例の『免震レトロフィット』というやつですね。」

「そうそう。先日開催された完成現場の見学会は結構関心もってもらえてたらしいし。実はマンションの免震改修、免震レトロフィットを採用した事例はあまり数がないというからね。」

「この技術はかなり前から実績を積んできてるけど、古い建物の耐震診断義務化の動きなんかもあって最近また注目度アップしているらしい。この場合、「当社の独自構法」ってところがポイントで、そこはもっと詳しく紹介したいって感じじゃないスか?」

「盛り上がってるところすみませーん。わたしそのメンシン(免震)構造とか、タイシン(耐震)構造とかの違いってもうちょっと詳しく説明してほしかったんですぅ。最近の新しいマンションで『免震構造採用』とかいって広告してるアレでしょ。古い建物までそんな風にしちゃうってところが良くわかんない???」

「だよね、やっぱり。ということでナベさん、忙しいとこ悪いんだけどさぁ、一般的にも興味ありそうな、『免震改修のプロセス』あたりをうまくまとめて、プロセス発掘会議で報告してくれないかなぁ。」

「え・・・?!いやその辺は僕の専門分野では・・・」

「ナベさん、ガンバ!!!」

うむ。狙いどおり、ヒメちゃんを参加させたのは大正解のようだ。技術のことはわからないだろうけど、いろいろと興味を持って聞いてくれるから技術屋連中にも刺激になりそうだ。 眠っているプロセスを発掘するにはこういうやりとりが必要だったんだよなぁ、きっと。ちなみに、このノリはさすがのハカセやナベさんもたじたじだったようだけど(笑)。さて、次回のナベさん報告は、どんな感じになることやら。 ところで、ヒメちゃん、どうやってこの店を嗅ぎ付けたんだろう?まさか偶然ではないだろうけど、ハナがキクって、、、ほんとだったらちょっと怖い。