- 土木
モールボルティング(MOLE-Bolting)工法とは
特殊な高出力小型削岩機と継ぎノミ方式により、高効率にトンネル幅以上のロックボルトを縫い付けることのできる工法です。
背景
トンネル覆工に構造ひび割れが発生した場合、ロックボルトによる縫い付け補修が最も効果的な対策工法です。
しかし、中小水路トンネルの標準的断面は2~10m²と狭いため、通常の削岩機では長尺のロックボルトを打設することができませんでした。
そこで、狭小坑内からトンネル幅以上のロックボルトを打設することのできるロックボルト打設システムとしてモールボルティング工法を開発しました。
システムの全景 |
補修・補強の概念 |
特徴
- ひび割れの周辺をロックボルトにより覆工ごと地山に縫い付けることで、覆工と地山を一体化させ、覆工機能の保持・強化をします。
- トンネル幅より長いロックボルトが打設可能です。
- 強度150kN/mm²程度の硬岩まで削孔が可能です。
- 発生粉じんはすべてサイクロンとバキュームにより吸引し、狭小な作業空間の環境を維持します。
システム構成
空気配管のみで打撃・回転・フィードの削孔作業が可能で、粉じん吸引も行えます。 |
システムの構成 |
施工
- STEP 1 坑外準備工
資機材の集積と、換気・圧縮空気・電気などの坑外配管・配線
- STEP 2 坑内準備工
坑内換気、ロックボルト打設工のための圧縮空気坑内配管、坑内照明設置など
- STEP 3 ロックボルト打設工
(1) ロックボルト孔削孔作業
(2) 定着材挿入・ロックボルト打設作業
(3) 廃棄物(若干の岩屑、定着材の残材など)の清掃作業
- STEP 4 坑内撤去工・坑外撤去工
ロックボルト孔の削孔 |
ロックボルト孔の清掃 |
セメントカプセルの挿入 |
ロックボルトの打設 |
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実施例
工業用水トンネルの補強工事
内空面積:約2.3m²
農業用水トンネルの補強工事
内空面積:約2.9m²