計測作業・管理の省人化を実現する『SMC-Oneナビ』を開発・適用

─ PC橋の計測・管理作業をスマホを用いて、複数人から一人で!─

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 新井 英雄)は、スマートフォンと自動追尾機能付き測量機器を用いて、プレストレストコンクリート橋(以下、PC橋)の建設現場で行っている計測とその管理業務を大幅に省人化できる 『SMC-Oneナビ』 を開発し、実用化しました。

なお、今回開発したシステムは、国道45号夏井高架橋工事(岩手県久慈市)ならびに平成27年度牧港高架橋上部工(P4~P6)工事(沖縄県浦添市)で適用しました。

 

 

【SMC-Oneナビの概要図】
【SMC-Oneナビの概要図】

 

■ システムの概要と効果

張出し架設工法によるPC橋の施工は、1ブロック3~4mの橋体架設を通常10日程度の短いサイクルで繰り返し行われます。その間に現場の担当職員は、型枠位置や鉄筋・PC鋼材配置、出来形などの多岐にわたる管理項目について、計測をして管理します。例えば、各張出しブロックにおける型枠セット時においては、レベル(水準測量機器)やトランシット(角度測量機器)を使用して型枠の高さや平面位置を逐次確認しながら位置調整するため、計測作業には複数の現場職員が必要になります。

本システムでは、計測作業に自動追尾機能付き測量機器(TOPCON社:LN-100)を使用し、自社開発したスマートフォンの専用アプリで自動制御することにより、職員一人で計測から調書作成までを簡単に行うことができます。専用アプリでは、あらかじめ読み込んだ設計値の3次元座標データを基に、測量機器が自動的に対象となる計測点を視準し、瞬時かつリアルタイムにスマートフォンの画面に設計値と計測値の差分を表示できます。また、取得した計測データは無線でクラウド上に保存され、自社開発した専用ソフトにより簡単に調書データを出力できます。システム一連の作業を全てデジタルデータで管理するため、計測値の読み違いや記録ミスなどのヒューマンエラーを確実に防止できます。また、複数人で行っていた繰り返しの作業が一人でできるようになるため、大幅な省人化を実現しました。

 

■ 現場への適用事例

国道45号夏井高架橋工事では、張出ブロック型枠セットに本システムを適用しています。また、平成27年度牧港高架橋上部工(P4~P6)工事では、壁高欄の型枠天端高さ計測に本システムを適用しています。

 

【夏井高架橋での適用状況(発注者:国土交通省 東北地方整備局)】
【夏井高架橋での適用状況(発注者:国土交通省 東北地方整備局)】

【牧港高架橋での適用状況(発注者:内閣府 沖縄総合事務局)】
【牧港高架橋での適用状況(発注者:内閣府 沖縄総合事務局)】

 

■ 今後の展開

『SMC-Oneナビ』は、今回現場で適用した型枠位置の計測に限らず、PC鋼材配置や橋面高さなどの施工管理にも幅広く適用していく予定です。また、当社開発の『橋梁3次元モデル作成システム(SMC-modeler)』との連動などのシステム改良を行い、更なる業務の効率化と橋梁建設の品質向上を目指して積極的に活用していく方針です。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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