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[事業戦略] 海外事業部門

事業の特長と強み

いち早く築き上げたアジア地域を中心としたネットワークを活かしながら、日系企業の海外進出支援やODA事業への参画を通して、国際社会の発展を支える基盤づくりに貢献します。
1971年のタイへの進出をはじめとし、インド以東のアジアで豊富な施工実績を誇ります。また、歴史と施工実績を背景として、発注者や現地パートナーとの信頼関係を構築し、海外事業基盤を確立してきました。日本国内で培った最新の技術、最適なプロセス管理を基本に、現地の環境に最適な提案を行い、当社のものづくりの精神を各地に根付かせ、高いレベルの安全管理・品質管理システムを基軸とする建設事業を展開し、各国の発展に貢献しています。

機会とリスク、対応策としての中期経営計画における基本方針

〈機会〉

  • 新興国におけるインフラ整備市場の拡大
  • 海外新規事業の事業化

〈リスク〉

  • 海外事業要員の不足
  • 日系ゼネコン、現地企業、中国・韓国企業との競争激化
  • 海外進出国における政情、経済状況、為替レート、法制度などの大きな変動
  • 海外進出国におけるテロ、クーデター、自然災害、感染症などの発生
  • 新型コロナウイルス感染症の影響

〈対応策としての中期経営計画における基本方針〉

  1. 海外建設事業の着実な拡大
  2. HDCによる教育支援の拡充と、グローバル化
  3. 新たな収益基盤の創出
  • HDC:Human Resources Development Center(人材開発センター)

事業環境の認識

土木においてはアジア・アフリカでは急激に人口が増加するとともに、都市への集中化が進むものと思われ、都市整備や交通整備等の潜在的な需要は豊富な一方、建築においてはコロナ禍における社会環境の変化に対応した営業戦略が求められます。

2020年度の成果と主な取り組み

中期経営計画の目標に掲げる海外事業1,000億円体制の構築を目指し営業戦略を展開しましたが、折からのコロナ禍の影響で、土木においては発注者/コンサルタント等の入札関連業務の遅延による入札延期、建築においては製造業、倉庫および運輸業の海外投資の冷え込みによる海外進出計画の中止や延期が相次いだため、2020年度の連結海外受注高は558億円で前年度比27.9%の減となりました。また、売上総利益についても前年度比24億円減の36億円となりました。

土木では、東南アジア、南アジアを中心に当社の優位性を発揮できる良質なODA案件に積極的に取り組み、インドネシア共和国においてジャカルタ都市高速鉄道(フェーズ2)CP203工区を受注しました。また、バングラデシュ人民共和国においてはジャムナ鉄道専用橋建設事業(WD2)を着工しました。グアムにおいては米軍案件を含む現地公共事業を中心に取り組みを展開、空港滑走路改修工事等を受注しました。

建築では、営業力・提案力・コスト競争力を強化し、日系案件および非日系の地元優良企業案件、優良外資企業案件を受注し、引き続き進出先各国の発展への寄与を継続しました。また、これまでの工場・商業施設案件中心の取り組みに加え、タイにおいて地元優良企業発注の大型オフィスビル工事(サイアムパトゥムワンハウス建設工事)を受注しました。

コロナ禍の状況を踏まえ、支店管理部において海外からの緊急搬送サービスを含む包括的な医療施策を実施しました。また、海外事務所/現地法人で設定したBCP計画の見直しに着手しました。

2021年度の方針

2020年度に引き続き、2021年度も中期経営計画の目標である海外事業1,000億円体制構築のため、「第6次中期経営計画の完遂」「生産性の向上-DXの実行-」「サステナビリティの推進―SXの実行―」「働き方改革の推進」「コーポレート・ガバナンスの強化」「安全文化と究極品質」の6点を重点項目として取り組みを推進していきます。

中期経営計画の完遂

「第6次中期経営計画の完遂」では、土木での新領域案件の掘り起こし、営業財産の拡充、重要案件に対応する支店入札対応支援を実施、建築では商業・住宅・プラント案件、欧米系・台湾系、優良ローカル案件を発掘するための営業体制整備、また、支店設計部・設備部のフル稼働による拠点の受注および瑕疵削減の支援を実施、海外事業の年度目標予算必達を目指します。さらに、水上太陽光発電用フロートの他国展開、現地法人での余剰金の投資など新事業領域の拡大を図るとともに、国内外部門間連携強化によるネットワーク拡大、技術力のボトムアップを図り、グローバル人材育成を推進します。また、各国の現場に対する支援をより円滑なものとするため、法的支援体制を強化します。

DX(デジタル・トランスフォーメーション)の取り組み

「生産性の向上-DXの実行-」では、BIMグループを通じ、シンガポールにて先行しているBIMをはじめとする現場デジタル化の海外各地への水平展開を加速します。

SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の取り組み

「サステナビリティの推進―SXの実行―」として、台湾水上太陽光発電用フロート事業への支援・その海外展開を図るほか、環境関係プロジェクトの発掘・取り組みを進めます。

働き方改革の推進

「働き方改革の推進」としては、厳格な労働時間管理・社員の意識改革指導と、そのために必要な組織構造の改善を行います。また、海外勤務を希望する女性社員を応援し、受け入れる側の環境整備を図ります。

コーポレート・ガバナンスの強化

「コーポレート・ガバナンスの強化」では、コンプライアンス意識を高める企業文化の浸透と定着を図ります。また、リスクアセスメント制度の運用によりリスクを数値化することで、判断を明確にするとともに、グループ総合力の向上に向けた関係会社との連携も強化していきます。

安全文化と究極品質の追求

「安全文化と究極品質」では、PMS(Project Management System)の一層の充実により、各作業所のリスクを共有して、重大災害、重大品質不具合の芽を摘むことを徹底するため、安全環境生産管理本部とPMS担当部署の協働を進め、安全品質文化の定着と業務改善の機運を高めていきます。また、コロナ禍への慣れからくる予防対策の形骸化をなくすために、拠点長の関与による継続的な連絡会実施、そして、感染者が発生した場合の対応マニュアルの定期的改定と実地訓練対応を実施します。

海外事業基盤の強化に向けた取り組み

物流ネットワークの効率化に寄与し、堅調な経済発展を支える鉄道橋の新設

丸二所長
丸二所長

バングラデシュ人民共和国は、近年の堅調な経済発展に伴い、鉄道輸送需要の増加が予想されている中、鉄道施設の老朽化による速度・重量制限、運行遅延等が生じており、輸送需要増加に対応可能な鉄道網整備が喫緊の課題とされています。中でも、同国中央部を流れるジャムナ川に架かるジャムナ多目的橋(首都ダッカから北西約100km)は、道路橋と鉄道橋として利用され、隣国インドに繋がるアジア横断鉄道の一部をなす重要な区間であるにもかかわらず、振動問題およびひび割れなどの老朽化が進んでいます。
ジャムナ鉄道専用橋建設事業は、日本政府の円借款により、ジャムナ多目的橋と並行した鉄道専用橋を新たに建設するものです。将来の鉄道輸送需要への対応および安全性の向上を図り、バングラデシュ国内および近隣諸国との物流ネットワークの効率化に寄与することを目的としています。
当社は西工区にて鋼管矢板井筒基礎(SPSP)工事を担当します。

ジャムナ鉄道専用橋建設事業(WD2)完成イメージ
ジャムナ鉄道専用橋建設事業(WD2)完成イメージ