[ 事業戦略 ]
建築事業部門
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建築事業部門
建築事業は、事業の柱となる集合住宅をはじめ、商業施設や物流倉庫、オフィスやさまざまな産業分野の生産施設に至るまで、お客さまの幅広い分野のニーズに合わせた安心してくらせる豊かな空間づくりを実現します。
長年にわたり注力してきた集合住宅の分野では、高品質・短工期を実現する独自の躯体工法(SQRIM工法)を活かし、超高層住宅の施工で高い競争力と豊富な実績を誇ります。また、さまざまな用途の事業施設で、高い技術力を活かし、災害に強い施設づくりへの対応やお客さまの事業発展に欠かせない施設整備・再構築などを提供しています。
建築全般における市場は、東京オリンピック・パラリンピックに向けた施設整備の完了と民間設備投資の抑制などにより、受注環境がピークから下降に転じた状況であったことに加えて、新型コロナウイルス感染症に起因する製造業の投資計画の軌道修正、オフィス・商業・宿泊施設の環境変化などの影響により、先の投資予測が難しい状況です。一方で、「新しい生活様式」の定着によるインターネット購入利用の常態化を背景として、その需要が拡大している物流倉庫やデータセンター施設、また、感染症への対応における医薬関連施設、そしてカーボンニュートラルの実現に向けたゼロエネルギー建築物やバイオマス発電施設などの環境・エネルギー分野は、今後急速な広がりが見込めるため、当社はこれらの市場に対し、引き続き積極的に取り組んでいきます。SDGsの達成やカーボンニュートラルの実現に向けては、事業を通じた取り組みを積極的に展開します。
中期経営計画の2年目となった2020年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、民間の設備投資計画が縮小、あるいは実施延期となるなど、建設業界全般における業績計画に影響が生じました。2020年度の受注高は1,858億円と前年度と同水準で推移しましたが、完成工事高は着工直後の大型工事が多く1,939億円(前年度比18.5%減)、工事利益は完成工事高の減少に加えて一部の工事における採算低下により133億円(前年度比30.7%減)となりました。
このような状況の中、重点分野と位置付け、積極的に取り組んだ大型物流倉庫案件は市場競争力と施工技術力の優位性が向上し、超高層住宅に並ぶ当社の得意分野として大きく受注を伸ばしました。物流施設の開発マーケットは今後も成長が見込まれることから、競争力の研鑽を継続します。
建設業界を挙げて対処すべき喫緊の課題のひとつである、「生産性の向上」に関する施策として、当社は建設業全体と当社の将来を見据えた技術開発を推進しています。具体的にはICT、BIMを活用した現場のデジタル化を加速するとともに、建設生産プロセスの将来像を具現化するための進化したPCa(建物躯体の工業化構法)などの新工法の開発・導入を積極化しています。デジタル化については、タブレットを現場技術社員全員に配布し、生産管理のデジタル化の基盤構築を実施し、設計監理業務においては、タブレットによるICT版工事監理確認記録の運用をスタートさせました。BIMの業務活用・導入については、施工管理業務で施工シミュレーションをはじめ、鉄筋、鉄骨納まりのチェック、コンクリート打設計画などにBIM技術の有効性が定着、現れつつあります。
また、脱炭素社会への貢献策として、施工段階におけるCO2排出削減を目的に、超高層住宅建設作業所においてグリーン電力の使用を開始しました。今後、グリーン電力使用作業所を拡大するなど、脱炭素社会づくりに資する諸施策を積極的に展開します。
そのほか、「Withコロナ社会における新たなワークスタイル」に対応した、集合住宅の新たな間取りプランSmaEworkプラン(スマイーワークプラン)※を開発しました。これは、住戸面積を変えずに、在宅ワークのためのもう一部屋を合理的に実現したものです。当社では、社会やライフスタイルの変化に対応した技術開発を今後も継続していきます。
2021年度の建築部門の基本方針は、前年度まで継続して取り組んできた、デジタル化を始めとする生産プロセス、業務プロセスの将来像を実現するための諸施策をさらに推し進め、具体的な成果として、日々の業務の場面において実効性を上げることです。現下の事業環境は、新型コロナウイルス感染症の影響で先行き不透明ですが、積極的に変革に向けた施策と成果を積み上げることにより、未来のあるべき姿に必ずアクセスできると考え、以下の3点の基本施策を展開します。
前年度に引き続き、成長分野である物流倉庫案件に重点的な取り組みを継続し、また、当社が得意とする超高層住宅の技術を深化させ、都市再開発事業や地方都市における超高層住宅の受注拡大を図ります。市場の拡大が見込まれるPFI事業、医薬関連や環境エンジニアリング分野にも注力します。
生産性向上に向けたDXの推進施策として次の3点に注力します。
脱炭素化、環境負荷低減に向け、次の施策を推進します。
施工中の超高層集合住宅建設作業所において、2021年3月より工事用電力としてグリーン電力の使用を開始しました。
当社は、環境方針 "Green Challenge 2030" を制定し、2030年の理想の姿を見据えた「脱炭素社会への貢献」を目指す中で、同作業所における施工段階でのCO2排出削減の取り組みとして、エバーグリーン・マーケティング株式会社が供給するトラッキング付非化石証書を活用した実質再生可能エネルギー100%となる電力を使用します。施工段階でのグリーン電力の使用により、ライフサイクルを通じて環境負荷の少ない超高層集合住宅の実現に貢献します。