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事業概況

事業環境の認識

建設投資の状況は、堅調な公共事業投資を背景に、緩やかな右肩上がりとなっており、特に民間の設備投資はコロナ禍後における国内景気の持ち直しにより、首都圏を中心とする再開発案件、物流施設、工場等の生産施設への投資が伸びています。

その一方で、ここ数年の世界的な資源・エネルギー価格の上昇の影響で、鋼材・石油製品・木材等の建設資材価格が高騰し、さらに供給面での制約、労務需給の逼迫などの要因により建設コストの著しい上昇を招き、競争環境は厳しい状況が続いています。

2023年度の方針

新規受注量を大幅に抑制、採算重視の取り組みを徹底

国内建築は手持ち工事の消化を優先し、受注予想を1,100億円の水準に抑制します。新規の取り組みは、採算重視の方針を徹底します。

現状、手持ち工事量が多く、当面は高い水準の完成工事高で推移しますが、施工体制の逼迫を解消することで、体制の強化を図ります。

2023年度受注戦略

工事受注について、適正な施工体制と時間外労働時間の上限規制を考慮の上採算重視を最優先とし、取り組み初期段階において、工事の規模・難度に応じた人員体制、労務状況、資金収支等を精査検討の上、取り組み可否を厳格に判断します。特に技術者育成や資金効率向上を目的に、中規模工事を中心とする受注戦略により、さまざまな課題解決とリスクの低減を講じていきます。さらに、利益の安定的な創出に向け、生産施設の国内回帰など顧客企業の設備投資状況や社会環境の変化に伴う新たな市場ニーズを的確に捉え、地域特性に応じた工事規模・顧客・用途等と継続性を鑑みた受注方針と併せて、その運用を徹底していきます。

国内大型建築工事の損失再発防止策および国内建築事業の業績改善施策について

「国内大型建築工事の損益悪化とその対策」に関しては、多額の工事損失を計上する結果となった事象への対策に加え、今後のさらなる損益悪化防止に向け本店を中心とした特別対応チームを組成し、施工全般に対する支援と技術的な指導を実施しています。

また、調査委員会により損失発生の原因究明と再発防止策を策定し、加えて外部有識者から客観的な立場での助言をいただき、実効性をより確実なものとしさらなる損失発生を防止します。

さらに、一部の国内建築工事において工事採算が大きく低下したことを受け、今般、建築事業における業績改善に向けた4つの施策を策定し強力に推し進めていきます。

国内建築事業の業績改善施策

施工体制逼迫の改善と現場支援体制の再構築
短期的な施策としては、受注量を縮小させ、新規着工工事を抑制し、施工体制確保を前提とした受注方針を堅持します。これにより、 手持ち工事を着実に消化し、施工体制逼迫を解消することで事前検討・現場支援体制の強化を図ります。
受注プロセスにおけるガバナンス強化と最適な受注ポートフォリオの構築
案件取り組みの初期段階において、案件内容を審査する判定会を新設するとともに、受注審査の厳格な運用と、受注プロセスにお けるガバナンス強化により、低採算案件の回避・損益悪化リスクの排除を徹底します。
また、顧客、工事規模、用途、地域特性などを鑑みた受注方針を再設定し、運用を徹底することでリスク分散と受注機会の拡大を 図ることにより、安定的な収益を創出します。
採算性を重視した目標管理の徹底
案件ごとの利益の最大化を図るべく、利益確保を最重要指標と位置付け、受注から竣工までの各段階において採算性を最優先とした 目標管理を徹底します。現状、物価上昇等の影響を受けた低採算の工事が一定割合ありますが、今後、採算性を重視した受注にシフト していくことで、良質な案件への入れ替えを進め、2027 年度には売上総利益率を8.5% まで改善させる計画です。 上記の各施策を確実に実施することにより、足元の事業基盤を強固なものとしたうえで、将来に向けた企業価値の向上を目指していきます。 cr2023_kenchiku_01.png
国内大型建築工事のさらなる損益悪化防止に向けた対策
  • (1)本店を中心とした特別対応チームを組成し、施工全般に対する支援や技術的な指導を実施
  • (2)調査委員会による原因究明と再発防止策の策定・外部有識者による助言

技術の強化 サステナブル社会の実現に向けて

cr2023_kenchiku_02.png サステナブル社会の実現に向けた技術

     
  • 環境配慮に重点を置いた寮施設としてゼネコン初の『ZEH-M』を取得
  • 効率の良い蓄電と蓄熱により再エネの自家消費率100%を実現
  • 省エネ設備の運用状況の見える化管理によりランニングコストを削減
  • 太陽光・蓄電池・コネクティッドEVによりレジリエンスを向上
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⾃社施設「⼤志寮」
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「⼤志寮」施設内「環境配慮設備」