2021年11月11日に策定した「2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ」(以下、ロードマップ とします)を改訂しました。
改訂後は、新たに2050年に Scope 1 + 2 + 3 でカーボンニュートラルを目指す長期目標を設定し、マイルストーンとなる2030年の Scope 1 + 2 および Scope 3 の目標を更新しました。あわせて基準年を2023年としました。
ロードマップ改訂に伴い、環境方針"Green Challenge 2030"の「脱炭素社会への貢献」に関するKPIを更新し、環境マネジメントシステムによる目標管理を実施します。
- ※Scope 1 : 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope 2 : 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope 3 : Scope 1、Scope 2以外の間接排出で15のカテゴリに分類(事業者の活動に関連する他社の排出)
最終更新日 2025年5月14日
ロードマップの概要
ロードマップの概要は次のとおりです。
- ※基準年はいずれも2023年とします。
Scope 1の削減施策
- 燃料 : GTL、バイオディーゼル燃料(B5/30/100)、e-fuel等の利用を推進する
- 機械 : H2エンジン建機、EV建機等のCO2排出量が少ない機械の利用を推進する
- CO2排出量の少ない施工計画を検討する
Scope 2の削減施策
- グリーン電力の調達を推進する(購入、自家使用)
Scope 3の削減施策
Scope 3 排出量の内、特に排出量が大きい Category 1 および Category 11 について、削減施策を推進する
Category 1
- 低炭素排出量材料の採用を検討する/低炭素排出量材料の研究・開発に取り組む
- 鉄 : カーボンフリースチールの採用
- コンクリート : 低炭素コンクリートの採用/低炭素コンクリートの開発
- 再生建材の採用
- 木造化の推進
Category 11
- ZEB/ZEH案件の提案・受注に取り組む
- 改修による既存建物のZEB化を推進する
ZEB/ZEHに関する目標
ZEBに関する目標
自社が受注する設計業務のうち、ZEBが占める割合を2025年に50%以上とすることを目標とします。
ZEHに関する目標
ZEH-M普及に向けた取組計画
2022年6月の建築物省エネ法改正において「住宅トップランナー制度」の対象が、分譲マンションにも拡大されました。
当社は、2030年以降に新築される集合住宅について、ZEH基準の省エネ性能を確保するため、2030年までの中長期的なZEH-M取組計画に基づき、ZEH-M基準を満たす集合住宅を積極的に提案してまいります。
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)とは
建築物でのエネルギー消費を極力抑え、災害時でもエネルギー的に自立した建築物として、ZEBが注目されています。
わが国では、「エネルギー基本計画」においてZEBの実現・普及目標が設定されており、経済産業省資源エネルギー庁の主導のもと、有識者で構成される「ZEBロードマップ検討委員会」では、ZEBは以下のように定義されています。
ZEB区分 | 定義 |
---|---|
『ZEB』 | 年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物 |
Nearly ZEB | 『ZEB』に限りなく近い建築物として、ZEB Readyの要件を満たしつつ、再生可能エネルギーにより年間の一次エネルギー消費量をゼロに近付けた建築物 |
ZEB Ready | 『ZEB』を見据えた先進建築物として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた建築物 |
ZEB Oriented | ZEB Readyを見据えた建築物として、外皮の高性能化及び高効率な省エネルギー設備に加え、更なる省エネルギーの実施に向けた措置を講じた建築物 |
ZEBプランナーとは


一般社団法人環境共創イニシアチブが定める「ZEB設計ガイドライン」や自社が有する「ZEBや省エネ建築物を設計するための技術や設計知見」を活用して、一般に向けて広くZEB実現に向けた相談窓口を有し、業務支援(建築設計、設備設計、設計施工、省エネ設計、コンサルティング等)を行い、その活動を公表するものとして定められています。
当社はZEBプランナーに登録しています。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは
ZEBは非住宅建築物を対象としていますが、住宅建築物を対象としてZEHが定義されています。また、集合住宅を対象として、「ZEH-M(ゼッチ・マンション)」が定義されています。断熱性能として強化外皮基準(地域ごとに定められたUA値を強化した省エネ基準)が、一次エネルギー消費量の削減率20%以上が求められる点は共通です。
ZEH-M区分 | 定義 |
---|---|
『ZEH-M』 | 再生可能エネルギーによる省エネ率:100%以上 対象となる住棟:1~3階建 |
Nearly ZEH-M | 再生可能エネルギーによる省エネ率:75%以上100%未満 対象となる住棟:1~3階建 |
ZEH-M Ready | 再生可能エネルギーによる省エネ率:50%以上75%未満 対象となる住棟:4~5階建 |
ZEH-M Oriented | 再生可能エネルギー導入不要 対象となる住棟:6階建以上 |
ZEHデベロッパーとは


一般社団法人環境共創イニシアチブが定めた制度で、ZEH-Mの案件形成の中心的な役割を担う建築主(マンションデベロッパー、所有者等)や建築請負会社(ゼネコン、ハウスメーカーなど建設会社)が「ZEHデベロッパー」と定め、登録され、広く公表されている制度です。
当社はZEHデベロッパーに登録しています。
当社の主なZEBプランニング実績

■ 京都府向日市新庁舎整備事業
(庁舎、5階建て、ZEB Ready)
建築計画と省エネルギー技術の連携によるコンパクトな庁舎の実現。
環境省「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金事業」
当社の2024年度 ZEB実績
規模 | 『ZEB』 | Nearly ZEB | ZEB Ready | ZEB Oriented | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
300m²未満 | ― | ― | ― | ― | 0件 |
300m²以上2,000m²未満 | ― | ― | ― | ― | 0件 |
2,000m²以上10,000m²未満 | ― | ― | ― | ― | 0件 |
10,000m²以上 | 1件 | ― | ― | ― | 1件 |
合計 | 1件 | 0件 | 0件 | 0件 | 1件 |
- ※2024年度確認済証取得物件を対象
当社の主なZEH-Mプランニング実績

■ Brillia Tower聖蹟桜ヶ丘BLOOMING RESIDENCE
(集合住宅、33階建て、ZEH-M Oriented)

■ 三井住友建設(株)四国支店 (仮称)大志寮
(社員寮、3階建て、ZEH-M )
当社の2023年度 ZEH-M実績
規模 | 『ZEH-M』 | Nearly ZEH-M | ZEH-M Ready | ZEH-M Oriented | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
2,000m²未満 | ― | ― | ― | ― | 0件 |
2,000m²以上10,000m²未満 | ― | ― | ― | 1件 | 1件 |
10,000m²以上 | ― | ― | ― | 1件 | 1件 |
合計 | 0件 | 0件 | 0件 | 2件 | 2件 |
- ※2023年度竣工物件を対象