#11 名護屋大橋
玄界灘の雄大なアーチ、外津橋を満喫した一行は、あたりでも評判のお店で昼食をとることに。名護屋湾に面したそのお店には、生簀があり、新鮮なイカをその場でいただくことが出来るんだとか。
橋の概要
- 名称
- 名護屋大橋(なごやおおはし)
- 位置
- 佐賀県唐津市鎮西町名護屋~唐津市呼子町殿ノ浦
- 橋長
- 258.0m(支間長41.0+176.0+41.0m)
- 形式
- PC3径間連続有ヒンジラーメン箱桁橋
- 架設工法
- 張出し架設工法
- 竣工年
- 1967年
- 「あ~、おなかがすきました。」
- 「ここのお昼は期待していいよ~」
- 「ホントですかぁ?楽しみです。あっ、センパイ。おおきな生簀がありますよ!」
- 「いっけ(か)すーーー」
- 「・・・」
- 「ここはね、呼子のイカの活き造り発祥の店でね。当時も時々足を運んだもんだよ」
- 「思い出のお店なんですね!」
- 「しかも、お店の窓からこれまた大きな橋が見えるんだよ」
ジャーン!
- 「うっわー すごーい!!」
- 「お刺身なんか、ほとんど透けてて見えないですよ!!」
- 「あー、私にもこれくらい透き通ってた頃があったんだよねえ。」
- 「さあ、遠慮しないでザザッととりなさい。ザザーッとね。」
- 「それではお言葉に甘えまして・・・、ザ、ザ、ザーっと。」
- 「ハカセ、そんなにずるーい。わたしも・・・」
しばし食事に集中!
- 「ところで、先ほどのお話にあったあそこに見える橋。あれもうちで施工したんですよ。」
- 「そう、名護屋大橋といってね。外津橋より少し前にできた橋なんだよ。今ではなかなか見られない構造してるんだけど、まあ詳しい解説はいつも通りハカセがしてくれるんだろう・・・」
- 「ゲホッ!えーっと・・・名護屋大橋ですね。えーーー、竣工が1967年の3径間連続有ヒンジラーメン箱桁橋、中央支間は176mで完成当時はコンクリート桁橋では国内最大、世界でも2位の規模でした!」
- 「佐賀なのに『ナゴヤ』、これいかに。」
- 「『にゃーごや』じゃなくて 『 名・護・屋 』 よ!ここ名護屋浦は、今話題のあの黒田官兵衛が設計したとも言われている名護屋城が有名やったりすると。」
- 「なるほど、こっちの『名護屋』も城で持つ、ってわけね。」
- 「それはそうと、あの橋。大きさの割りに橋脚がかなり小ぶりで薄くて折れちゃいそうに見えるんですけど、また何かすごいことしてたりするんですか?」
- 「実は、橋の端部では、橋本体と橋台がPC鋼材で一体につながっているんです。そうやって、地震のような水平方向の力に対して両端の橋台が橋をしっかり抑えて抵抗する構造になっているんですよ。ほかの普通の橋脚は、水平の力に抵抗するためにある程度厚みが必要になるのですが、ここは単に上からの橋の重さを支えているだけなので薄い壁状にすることができるんです。こういう構造を『ドゥルックバンド』といいます。」
- 「♪ 俺の、俺の、俺の話を聞け~。クレイジー・ドゥルック・バンドですか。なんか男気感じちゃう構造じゃないですか。」
- 「これが架設している写真ね。真ん中にだけかなり張り出して施工してるからいまにも海側に倒れそうだけど、ここでもまた橋台とやらが何かしてくれてたりするわけね?」
- 「ほほう、タノちゃん。なかなかいい線いってるね。」
- 「そうなんです。だから橋の端部は横方向だけでなく縦にもPC鋼材を配置して橋台と緊結していて、その重さを利用して倒れないようにしているんですよ。ちなみに橋台の中には土砂が充填されていてしっかり重量を確保しています。」
- 「両脇からしっかり支えてもらっているので、細ーい橋脚でも大丈夫なんですね」
- 「私も支えてくれるステキな人がいたら、もっと細くて済んだのになあ~」
せっかくなので、名護屋城跡の高台に登って美しい景色を眺めてみることに。
- 「昔の軍師ってえのは、城の設計まで出来るんですね。マルチだなー。」
- 「このお城は、敷地面積 東京ドームの4倍もあったらしいと。ここに豊臣秀吉とか黒田官兵衛とか錚々たるメンバーが集まって朝鮮出兵したとよ。」
- 「センパイ、わてらも交易するばい!」(決意)
- 「よかよか、なんか大きな気分になれるばい。」
- 「橋ガール二人は九州で一皮剥けたっちゃな~い?」
- 「玄界灘で限界突破!!」
- 「センパイの場合、限界突き抜けたらどこへ飛び出しちゃうんでしょうね。」
- 「未来だよ。未来!」
タノちゃんの絵日記
2014年10月 行った場所:名護屋大橋
ルナちゃん
「わてらも交易するばい!」
玄海灘で限界突破!!
な『お橋見』でした!
―つづく