新しい板状集合住宅システム「SuKKiT(スキット)」シリーズを展開

―「開放感」と「自由度」を「合理的」に実現するマンション設計システム ―

■概 要

三井住友建設株式会社(東京都新宿区西新宿7-5-25 社長 五十嵐 久也)は、今年度より(1)集合住宅に関する市場ニーズの把握と分析、(2)保有技術のブラッシュアップによる低コストな新商品の開発・提案を目的とし、設計本部設計管理部に「商品企画グループ」を設置しました。

これより、新しい板状集合住宅システム「SuKKiT(スキット)※1」シリーズ(以降「SuKKiT」)を展開してまいります。「SuKKiT」は14階程度までの中高層マンションをターゲットとした設計システムで、市場ニーズに即応できる付加価値を持った住空間を、これまでと変わらないコストで提供するものです。まず第一弾として3方向扁平梁構法「トリプルフラットビーム」の提案を開始いたします。トリプルフラットビームは
  Case1 ... 3m未満の階高で約2.2mのハイサッシを実現
  Case2 ... サッシ高2mのまま、階高を抑えてもう1階プラス
といった計画を可能にします。 ※2

※1 「SuKKiT」は「すまい(Sumai) 快適(Kaiteki) きれい(Kirei) テクノロジー(Technology)」をコンセプトとした造語。
  商標登録出願中。
※2 特許出願中。

構法の違いによる断面比較
構法の違いによる断面比較

階高差200mm×14階分=2,800mm(約1階相当の高さ)

■ 開発の背景

 近年マンションの商品性向上のためサッシをハイサッシとする例が増えています。当社設計施工案件での実績によりますと、14階までの中高層マンションでも、5割以上の物件がハイサッシを採用しています。ただしその場合、大半が構造フレームの建物外側にあるいわゆるアウトフレーム構法を採用し、それ以外の場合は階高を3m以上とした設計でした。そこで当社では、高さ2.2mのハイサッシを3m未満の標準的な階高で実現することを目標とし、上記の新システムを開発いたしました。

イメージパース
イメージパース

■3方向扁平梁構法「トリプルフラットビーム」

これは高さ約2.2mのハイサッシを階高2,980mmのインフレーム架構で実現するもので、14階建て程度の板状集合住宅を対象としています。

【1】構成

住戸バルコニー面(南側と両妻側の3方向)の大梁をH=600mmの扁平梁(トリプルフラットビーム)としています。但しそのままではバルコニー面と外部廊下面の桁行き方向の荷重負担が異なります。そこで建物にねじれを生じさせない範囲で合理的に外部廊下側に荷重負担させるために、開口部下にパワーアシストウォール※3を配し、構造躯体として利用します。パワーアシストウォールは構造躯体に設備的な機能を融合させたもので、梁間方向は耐震壁付のラーメン構造で、住戸境壁に邪魔な梁型の出ない構造としています。 

※3 商標登録出願中

基準階平面図の例
基準階平面図の例

【2】特徴・メリット

2,980mmという標準的な階高で高さ約2.2mのハイサッシを実現(Case1)。開放感と採光性に溢れ、室内に出っ張りの無い自由な住空間をこれまでと変わらないコストでご提供します。住棟形状はバルコニーや外部廊下が構造フレームの外側にあるインフレーム架構を採用。シンプルな躯体形状を活かして、外装材や手摺素材の選択によるバリエーション豊かな外観デザインが可能です。建物の平面形状もシンプルな板状住棟を基本としており、都心市街地や郊外沿線のさまざまな形状の敷地に計画可能です。

住戸断面図の例
住戸断面図の例

また、一般の順梁構造で2mのサッシを設置する場合に比べて、200mm程度階高を低くできるので(Case2)、例えば14階建ての場合でほぼ1階相当分建物高さを低く設計できます。そのため、建物高さ制限や日影規制の厳しい市街地でのマンション計画において、より広い床面積の確保や建設コストの削減が可能となります。

構造概略図
構造概略図

■今後の展開

「SuKKiT」シリーズは、既成市街地や郊外開発地域で最も需要が多いと思われる、中高層板状集合住宅に的を絞った住空間の提案です。「住まい 快適 きれい テクノロジー」をキーワードに、三井住友建設ブランドのマンションとして、今後ともより良い開発・提案を続けてまいります。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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