現地における非鉄製実証橋の施工について

―超高耐久橋梁の開発に向けた挙動確認―

西日本高速道路株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:石塚 由成)と三井住友建設株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:新井 英雄)は、鉄筋やPC鋼材などのように物理的に腐食の可能性のある材料に替わり、腐食しない新材料を緊張材として用い、耐久性を向上させて維持管理費用を低減することによりトータルコストを削減、また鋼材腐食によるコンクリート片はく落などによる第三者災害の防止を目指し、非鉄製材料を用いた超高耐久橋梁:Dura-Bridge (Durable Bridge)の共同研究を平成22年3月より進めてきました。(平成25年9月11日に記者発表しています。)

これまで、様々な材料試験や試験体による載荷試験を行い、得られた知見を基に設計した実証橋を施工し挙動を確認します。

今後は本線構造物への適用を目指し、超高耐久橋梁の開発を進めてまいります。

 

1.共同研究の内容及び経過

(1)共同研究の目的

本研究は、橋梁構造物に腐食の可能性のある材料を使用せず、錆びない新素材を採用して、超高耐久橋梁を研究・開発するものです。これによって、塩害による構造物の劣化やコンクリート片のはく落を防止し、将来の維持管理費用の低減や安全性の向上を目的としています。

(2)研究概要と成果

≪新たなコンクリート材料の開発≫
本構造を実現するため、新たに設計基準強度80N/mm2の高強度繊維補強コンクリートを開発しました。その特性について、材料試験や梁の載荷実験により評価し、十分な強度特性を有していることを確認しました。

≪新たな緊張材の定着工法の開発≫
引張力に対しては、アラミドFRPロッドによるプレストレス力で補強する構造を考案しました。その合理的な定着工法についても、本研究により開発しました。

≪非鉄製の橋梁構造の開発≫ 
上記の新たなコンクリート材料とアラミドFRPロッドを用いた非鉄製箱桁橋の実物大1/2試験体による載荷実験により十分な耐荷力を有することを確認しました。同材料を用いた床版についても、重交通による疲労特性を評価するため、想定する実物大模型による輪荷重走行試験を実施し、従来の鉄筋やPC鋼材を用いたプレストレストコンクリート(PC)床版と同等以上の疲労耐久性を有することを確認しました。

 

2.今回の試験施工の概要

(1)試験施工の目的

超高耐久橋梁の特性について、これまでの材料試験や梁の載荷実験により十分な強度特性を有していることを確認しています。この実証橋により、Dura-Bridgeの施工性や全体安全性などの最終確認を行い、本設構造への適用性を検証します。

(2)試験施工の場所

長崎自動車道(長崎多良見(たらみ)IC~長崎芒(すすき)塚(づか)IC)の4車線化事業に伴う工事用道路の一部として建設します。

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(3)通常構造との比較

今回の実証橋の構造は、一般的なPC箱桁構造と比較し、使用する材料に以下の違いがあります。

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※1高強度繊維補強コンクリートの特性
1) 繊維補強によりコンクリート自体のせん断強度を向上させ、せん断補強鉄筋の省略を可能としました。
2) 高強度と鉄筋の省略により部材厚の低減が図れ、構造全体の軽量化が実現できます。
3) 密実なコンクリートであるため、塩分など劣化因子の侵入を抑制する効果が向上し耐久性が向上します。

※2アラミドFRPロッドの特性
1) 引張強度は同一重量の普通PC鋼材の約6倍です。
2) 重量が普通鋼材の約1/6で取扱が容易です。
3) 一般的なPC鋼材に比べ、弾性係数が小さいためコンクリートの乾燥収縮・クリープによる緊張力の減少が抑制できます。
4) 高い耐アルカリ性を有しています。

 

(4)実証橋の構造一般図

本橋は、プレキャスト化を念頭にセグメントを工場で製作し、現地へ搬入して架設しています。
なお、ウェブには、東九州自動車道や新名神高速道路で採用したバタフライウェブ構造を用いています。

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(5)スケジュール

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※本工程は、工事用道路工事のうち、今回の実証橋の工程のみを示す。

 

(6)今後の展望

今後、工事用道路として運用し、全体挙動をモニタリングするとともに、載荷試験を行って構造全体の安全性確認する予定です。
鉄筋や一般的なPC鋼材を一切使用せず、アラミドFRPのみで補強されたコンクリート橋は国内初となります。今回の実証試験を経て、本研究の成果を新設の橋梁構造物へ適用することを進めてまいります。
また、本研究成果を応用し、取替床版等の特定更新用の部材としても適用を考えており、実用化に向けて検討を進めています。

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<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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