高層板状マンション「SuKKiT 45(スキット45)」を開発

― 非常用エレベーターを設置せずに15階建てを実現 ―

■概 要

本日、三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 則久 芳行)は、基本性能と快適性能を同時に確保した15階建てのマンション計画を、非常用エレベーターを設置せずに実現する「SuKKiT 45(スキット45)」※1を発表いたします。「SuKKiT 45」は当社が昨年11月に発表いたしました SuKKiT20 に続いてシリーズの技術を応用した設計システムで、天井高やサッシ高、遮音性能などマンションとしての基本性能を維持しながら、階高を抑えることで非常用エレベーターを設置せずに建物高さ45m以下で15階建ての計画を実現するものです。SuKKiT20同様、この設計システムを用いて、首都圏をはじめとする全国市街地でのマンション開発計画へ提案を展開していきます。

※1 「SuKKiT」は「すまい(Sumai) 快適(Kaiteki) きれい(Kirei) テクノロジー(Technoloy)」をコンセプトとした造語

■ 開発の背景

建築基準法により、高さ31mを超える高層建築物には非常用エレベーターの設置が義務付けられています。ただし、高さ31mを超える階数が4以下で、かつ、主要構造部が耐火構造で当該部分を床面積100㎡以内ごとに防火区画された建物に関しては設置を要しません。そこでこれまでは、階高を低くして高さ31mを超える階数を4以下とし適切に防火区画を行なうことで、非常用エレベーターを設置せずに15階建てとする計画が一般的に行われていました。しかしその場合は単純に階高を低くするだけなので、バルコニー側サッシの高さが1.9m弱となり、高層住宅でありながら眺望や採光の面で物足りないものとなっていました。

そこで「SuKKiT」の技術を用いて住戸の基本性能と高層住宅の快適性を十分に確保しながら階高を抑え、無理なく15階建てのマンション計画ができるよう「SuKKiT45(スキット45)」を開発いたしました。

また、建物高さが45m以下に抑えられる事で、近年増えている各自治体での建物絶対高さ制限導入による45m制限地区にも対応することが可能です。


15階建て45mの場合の住棟断面図の例

■ SuKKiT 45の構成

当社「SuKKiT」シリーズのトリプルフラットビーム、フリーノンビームをプラットフォームとして、住戸基本性能と高層住宅の快適性を確保しながら高さ45m以下の15階建て高層マンションをリーズナブルに実現します。

SuKKiT1での基準階平面図の例
SuKKiT1での基準階平面図の例

階高は2915㎜を標準とし二重床二重天井で2.45mの居室天井高さを確保。洗面所や浴室などの水回りには一切床段差が出ないバリアフリー構造としています。サッシは2.15mのハイサッシとして、従来構法に比べて非常に開放感が高く、高層住宅にふさわしい明るいリビング空間を創ります。またSuKKiTシリーズの共通仕様として、小梁の無い大型スラブや梁内蔵型の戸境耐震壁を採用。住戸内に邪魔な出っ張りの無いすっきりとした居住空間を実現します。

住戸断面図の例
住戸断面図の例

■ SuKKiT 45のメリット

(1)非常用エレベーターを設置せずに15階を実現

非常用エレベーターの設置及び管理に関するコストを縮減。屋上に機械室が出ないため屋根形状がスッキリして、建物による日影の影響が少なくなります。

(2)容積率の確実な消化

従来構法で14階建てとしていた計画を15階建てとすることで、容積率の確実な消化と専有面積の増加が可能になります。

建物配置上のメリット
建物配置上のメリット

(3)建築面積の縮小

14階建てで容積率を消化するために、建物をL型に配置したり建物長さを長くしたりしていたものを、1フロア上階に積むことで、建物形状が整形になる、駐車場を含む外構計画が容易になる、南向き住戸が増加するといった効果があります。

(4)2.15mのハイサッシ

商品性の高い2.15mのハイサッシ設置が可能となり、高層住宅にふさわしいワイドな眺望と採光たっぷりの居室空間を実現します。

(5)エコロジー&エコノミー

建築面積が小さくなることに伴い、根伐り工事範囲が狭くなり杭や基礎の工事も縮小されます。そのため工事に伴うCO2の発生を抑えられるため、地球環境保全に貢献します。

■ 今後の展開

「SuKKiT」シリーズは、既成市街地や郊外開発地域で最も需要が多いと見込まれる中高層板状集合住宅に的を絞った住空間の提案です。その中でSuKKiT45は15階建ての高層マンションを、45m以下の高さで非常用エレベーターを設置せずに実現する設計システムです。限られた条件と空間において最大限の広さと居住性能の高い住空間を、これまでと変わらないコストで実現することが可能となります。「住まい・快適・きれい・テクノロジー」をキーワードに、今後の全国市街地でのマンション開発計画へ提案を展開していきます。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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