危険物タンクの改造工事にアルミドーム(ウルトラドーム工法)国内初適用

― エム・シー・ターミナル(株)川崎事業所 ウルトラドーム化工事 ―

■ 概 要

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃2-1-6 社長 則久 芳行)は、エム・シー・ターミナル株式会社川崎事業所内において、既存の浮き屋根式危険物タンクの改造工事に伴い、製品タンクへの雨水浸入防止の目的でアルミニウム合金製ウルトラドームを設置します。
ウルトラドームは危険物保安技術協会から、直径120mまでの性能評価を平成22年5月に取得しており、今回が初の適用工事となります。

【タンク概要】

所在地: 神奈川県川崎市川崎区千鳥町4-2 内径: ID=30,028mm 高さ: H=15,200mm

【工事概要】

発注者:
ティー・エム・ターミナル株式会社
エム・シー・ターミナル株式会社

工事内容:
開放点検工事
ウルトラドーム化工事
ブレンダー・配管改造工事

設計: 三井住友建設株式会社
施工: 三井住友建設株式会社 東京土木支店
工期: 2011年2月21日~2011年8月10日(工期6ヶ月)

完成予想CG
完成予想CG

■ ウルトラドームとは

ウルトラドームは、アルミニウム製の三角形の骨組を組み合わせて構成された球型立体フレーム状の空間トラスと、この骨組に被覆するアルミニウムパネルで構成される構造物です。

■ ウルトラドームの特徴

ウルトラドームの主な特徴は以下の通りです。

  • 構成部材がアルミニウム合金で構成されているため、耐候性に優れ防食処置が不要です。
  • 組立がすべてボルト接合であるため、施工が容易で短期間で施工可能です。
  • 敷地の状況により、タンク内部または外部での組立てを選択することができます。
  • 本体が軽量なため浮き屋根上でも組立が可能であり、既存タンクの躯体や基礎への負担も軽減できます。

■ ウルトラドーム化工事

今回設置するウルトラドームは直径約30m、付帯設備を加えた総重量は14.2トンで投影面積当りの重量は20kg/m²と非常に軽い構造物です。そのため、既存のタンクの本体や基礎の補強等の改造は不要です。また、既存側壁との接合部が既存のトップアングルに直接設置できる構造であるため、側壁上端のトップアングルや歩廊兼用のウィンドガーターの改造も不要です。

ウルトラドーム設置に伴う改造は、ローリングラダーの撤去、消火設備のエアフォームチャンバーの移設、避雷設備の設置、ゲージポール周りの改造のみです。

完成予想CG
改修前のタンク(緑色は撤去する施設)

完成予想CG
改修後のタンク(赤色が新設。改造する施設)

■ 今後の展望

このたびの工事により、既存の浮き屋根タンクをほとんど改造することなく、アルミニウム合金製のウルトラドームの設置が可能となった。
今後、当社では危険物貯蔵の浮き屋根式タンク用屋根構造物として、積極的に提案していく方針です。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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