AIを活用した樹木診断システム「tree AI(ツリーアイ)™」の開発に着手
― 茨城県と覚書を締結し、同県内でシステムの実証実験を開始 ―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 柴田 敏雄)は、倒木や落枝による事故防止に寄与する樹木管理支援事業の展開に向けて、AI(人工知能)を活用した樹木診断システム「tree AI(ツリーアイ)™」の開発に着手しました。
そしてこのたび、茨城県と覚書を締結し同県内の街路樹を対象にAI診断システムの実証実験を開始しました。
【実証実験の様子】
■ 開発の経緯
近年、倒木や落枝による事故が増加し、中には人命に関わる事故も発生しており、大きな社会問題となっています。国土交通省による街路樹の倒木に関する全国調査結果(※1) によれば、年平均で約5,200本、つまり1日平均14本の倒木が確認されている状況です。このような事故を防ぐには、樹木の健全性を維持するための老化や病気などに対する定期的な診断が必須となります。しかしながら、この診断を行う樹木医などの専門家不足や人件費高騰などによって、十分な管理体制の維持が難しくなってきており、樹木管理の効率化が強く求められています。
そこで当社では、検討を進めている樹木管理支援の事業化に向けて、本システムの開発に着手しました。
(※1)国土交通省「街路樹の倒木に関する全国調査結果について」(2023年12月12日発表)
■ 樹木診断システム「tree AI(ツリーアイ)™」の概要と期待される効果
本システムは、現在は樹木医などの専門家が目視で行っている樹木の初期診断を、AIの画像解析によって実施することで、倒木などの恐れがある危険木のスクリーニングを簡易に行うことが可能となります。また、診断データをデジタル管理台帳に蓄積し可視化することで、樹木管理の高度化を実現します。
【本システムを活用した樹木管理の手順】
- 初期診断としてカメラなどで撮影した樹木の画像を本システムのAIが解析・診断し、危険木をスクリーニング
- スクリーニングで危険木と判定された場合には、樹木医などの専門家によって精密診断
- 精密診断で異常が確認された場合、手入れや伐採などの適切な処置
- デジタル化された樹木管理台帳で、樹木の位置情報、過去の診断・手入れの履歴などの情報をリアルタイムに管理、正確なデータに基づいた最適な管理計画を立案
本システムによって、最も診断本数が多く手間の掛かる初期診断をAIに委ねることで、専門的な知見がなくても危険木のスクリーニングができるようになり、より多くの樹木診断が可能となります。また、樹木医もより専門性の高い精密診断に注力できるようになることも大きなメリットとなります。本システムの活用によって、限られた維持管理予算・工数の中で、より効率的な樹木診断を実施することができ、危険木の早期発見に繋がり、倒木などの事故を未然に防ぐことが可能となります。
■ 今後の展開
本システムの開発に向けて、茨城県の協力のもと、AIを用いた診断結果と専門家による目視の結果との比較により、システムの精度や有効性を検証する実証試験を実施します。その試験結果を踏まえ、本システムの精度向上や、より実用的なシステム開発を行い、樹木管理支援事業の早期事業化を目指します。
当社は本システムの展開を通じて、倒木事故の防止に寄与することで、人と木が共存できる安心・安全なまちづくりを目指してまいります。
なお、本事業は、「新たな収益源の創出」「社員が挑戦する場の提供」を目的に実施している、社内アイデア公募制度(通称:Plus One Challenge)の2023年度(第1回目)の最終選考通過案件で、現在事業化に向けた検討を進めています。今後も様々な社会課題解決に寄与する「新たな価値」の創造に向けた取り組みに注力してまいります。
<お問い合わせ先>
本件についてのお問い合わせは、下記までお願いいたします。
三井住友建設株式会社
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〒104-0051 東京都中央区佃二丁目1番6号
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