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事業概況

2022年度の振り返りおよび今期の取り組み方針など

2022年度は、①新規・周辺領域事業の創出、②再エネ事業の拡大、③脱炭素関連技術・サービスの開発、④次世代生産システムの導入に取り組んできました。

特に、新規・周辺事業領域における、バイオトイレの製造販売事業等への取り組みや、全社員を対象とした「社内アイデア公募制度」の構築に注力し、また、再エネ事業では、太陽光発電所5カ所の稼働により、約3億円の売上を計上するとともに、新たな水上太陽光発電事業として、当社初のオフサイトPPA案件となる泉佐野市長滝第1、第2水上太陽光発電所を2023年6月に完成させ、発電を開始しています。このように新規・建設周辺事業の創出や再エネ事業を主として、着実に成果を上げています。

2023年度は、再エネ発電事業において、急速にニーズが高まってきている農業用ため池でのPPA案件への積極的な取り組みや、ダム湖および海洋を利用した水上太陽光発電の取り組みに向けた実証試験を進め、水上太陽光発電の裾野拡大を図り、2030年カーボンニュートラルロードマップに目標として掲げた2024年度40MW、2030年度150MWの発電規模を目指します。また、再エネ発電以外の取り組みでは、バイオトイレの製造販売事業の2023年度中での事業化を目指しており、その他サステナブル社会に貢献する新規事業開発にも引き続き取り組んでいきます。

水上太陽光の事業拡大ストーリー

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新型浮体・係留システム

水上太陽光発電事業は、盛土・切土などの造成や森林伐採を伴わない環境改変の小さな発電施設であり、補助金や設計・施工ガイドライン(NEDO)および設置に関する手引き(農林水産省)等により設置を推進する国の支援が充実しています。

大型太陽光において、従前のFIT制度の適用を終了し、今後は相対で売電をするオフサイトおよびオンサイトPPAに事業環境が変わってきています。

当社は、泉佐野市でオフサイトP P Aを事業化し、民間会社でのオンサイトPPAの事業化に向け検討中です。

今まで対象としてきた水面の多くは農業用ため池で、河川の流入がないことや水深が浅く底面が平滑である等水上太陽光が設置しやすい環境でした。一方、国内のダムや湖沼の水面面積は当社調べで農業用ため池の10倍以上あり、この水面が活用できれば太陽光発電の大きな導入ポテンシャルとなります。

大水深のダムや海洋では、ため池にない大きな水位変動や波浪や潮流等の影響を考慮する必要があります。この課題を解決できる新しい浮体と係留のシステムを開発しました。本技術は、東京ベイeSGプロジェクトの先行プロジェクトに採択され、今後実証試験を行う予定です。

当社は、これまで農業用ため池を対象として取り組んできた水上太陽光発電を引き続き核とし、急速にニーズの高まりをみせているオンサイト・オフサイトPPA案件の取り組みを強化することに加え、大水深のダムや洋上まで適地拡大を図り、再エネ発電事業を大きく拡大していく計画です。

リスクと機会

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Topics

新規事業の社内アイデア公募制度を創設

個別プロジェクトの事業化に向けた活動と並行し、事業アイデア創出を継続的、 かつ多産的に行うために「社内アイデア公募制度(通称:Plus One Challenge)」 を創設し、2023年度より本格的な活動を開始しました。

バイオトイレ製造販売の事業化に向けて

上下水道インフラの有無によらず、衛生的でメンテナンス負担の少ない水洗トイレが提供可能な「トイレ洗浄 用再生水利用型バイオトイレ」の製品開発を進めています。今後、自社作業所における試作機の実運転試験を経 て、2023年度中の販売開始を目指します。

バイオトイレ処理システムのイメージ

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鶏ふんバイオガス化発電技術の実証を開始

脱炭素社会の実現と新たな事業の創出の両立を目指し、環境省委託事業として「鶏ふんを原料としたエネル ギー回収技術の開発」に着手しました。2025年の実用化を目指し、実証プラントにて課題解決に取り組みます。

ゼロカーボンバイオ産業創出への挑戦

光合成細菌によるCO₂固定化をコア技術とした共同研究プロジェクトに参画し、京都大学桂キャンパス 内に設置したデモプラントにて培養実験を開始しています。なお、本取り組みは、科学技術振興機構(JST) の共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)にも採択されており、地域共創による産業創出と研究開発を 両立していきます。