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海外事業

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事業の特徴と強み

当社の海外建設事業は、1971年のタイでの橋梁案件から始まり、50年以上の歴史があります。この期間に日本のODA案件で実績を重ね、各国の慣習や風土を学びつつ、日本の先進技術を展開し、組織体制を確立してきました。現在、フィリピンでは超大型鉄道案件に取り組み、日本の高品質な技術を用いて直営施工を行っています。また、インドでは多くの民間顧客に対して最適な設計・工法を提案し、さまざまな施工を実施しています。東南アジアや南アジアで、多国籍の社員が参加し、技術の深化と伝承が行われています。

中長期方針

2024年度は、バングラデシュでの大型橋梁案件やベトナムでの地下鉄案件など、日本ODAによる複数の交通インフラ案件が完成し、世界各国で地域社会の発展へ貢献を果たすことができました。

一方、建設業における担い手の確保は、日本国内と同様に避けて通ることができない課題です。当社では、日本や海外拠点における外国籍社員の採用活動に加え、日本の技術やノウハウを中心とする世界横断的な人材教育に継続して取り組んでおり、各拠点の自立と持続的成長を図る「ローカライゼーション」を推進することにより、目まぐるしく変動する海外事業の経営環境に対し、適切に対応する組織体制を充実させる計画としています。

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2024年度の主な取り組み

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マレーシア・ジョホール港
石油輸送用桟橋建設プロジェクト
(New Liquid Jetties Project)

新たな成長領域への挑戦

当社の海外事業において、海洋土木の分野で新たな強みをもたらしたAntara Koh社は、40年以上にわたり培ってきた豊富な海洋建設のノウハウをもとに、シンガポールやASEAN地域でトップクラスの実績を持ちます。その原動力となっているのは「多様性」であり、約10カ国の国籍の社員で構成される多様性豊かな組織構造となっております。

これにより、多様な視点からプロジェクトや課題を分析するとともに、新たな改革やイノベーションを積極的に推進する企業風土が生み出され、海洋土木という分野の高い補完性によるシナジー効果のみならず、適応力と柔軟性を兼ね備えた豊富な人材が新たな市場への進出における重要な推進力となっております。

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グローバル教育

グローバル人材の育成と登用

当社は、海外事業における人材育成を重視し、各拠点の自立とネットワークの強化に取り組んでおります。まず、海外事業の担い手となるグローバル人材の育成を目的としてHDCグローバル研修を実施しており、全拠点から参加者を募り、国際交流やネットワークを深めつつさまざまなテーマの研修を行っています。また、各拠点の総合力強化のために、より実務的な内容 となるHDCローカル研修も実施しており、現在5カ国でHDC(Human resources Development Center)を設立し教育を展開しています。さらに、優秀な人材の最適配置と強固なネットワーク構築のため、現地社員の中から管理職にふさわしい人材を「Management Member(MM)」として認定し、各海外拠点においても積極的に登用しております。このほか、MMを支援する役割として「Operation Member(OM)」の認定も行っており、これらのメンバーは、全拠点の現地社員が参加するHDCグローバル研修において講師を務めるなど、リーダーシップを発揮しています。これらの活動を通じて、各海外拠点間のネットワークをさらに強化するとともに、海外事業の要となる人材の育成と担い手の確保を推進していきます。

2024年度 施工実績

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バングラデシュ・ジャムナ鉄道専用橋建設事業WD2工事

施工場所のジャムナ川は川幅4.8kmの大河川であり、近隣地域を結ぶ重要な鉄道輸送網を形成する大規模鉄道橋です。