より高水準のマンションセキュリティ

― ゲート式エントランスを実用化 ―

■ 概要

三井住友建設株式会社(東京都新宿区西新宿7-5-25, 社長: 五十嵐 久也)は、安心できるマンションライフの提供に向けて、従来よりマンションセキュリティー向上技術の開発に取り組み実用化してきました。
その一環として、この度マンションのエントランスで、セキュリティーの向上を図ることのできる「ゲート式エントランス」を実用化しました。
ゲート式エントランスは、入口と出口の動線を分離してゲートを設け、入居者の入口にはノンタッチキー、来訪者の入口にはオートロック操作盤を設置するシステムで、「とも連れ入場」など不審者の侵入を防止することができる新しいタイプのマンションセキュリティーシステムです。
より高い水準のマンションセキュリティーが要求される超高層住宅などに最適なシステムです。

■ 背景

近年、マンションの防犯対策などセキュリティーに対する関心は非常に高まってきており、東京都では平成15年10月1日より「東京都安全・安心まちづくり条例」が施行されるなど、防犯に対する社会的要求も強くなってきています。
マンションエントランスにおけるセキュリティー対策としては、従来よりオートロック・インターホン設備などが導入されてきました。しかし、通常のオートロックでは、ロックを解除すると一時的に扉がフリーとなってしまい、前の人に追従して入場するいわゆる「とも連れ入場」を防止することが困難でした。また、お年寄りや体の不自由な方に対する使い勝手などさらに改善すべき課題も残されていること、バイオメトリクス(生体認証)など高度な認証装置を用いた場合では、維持管理が複雑になるなどの課題がありました。

■ ゲート式エントランスの特長

今回開発したゲート式エントランスは、入口と出口の動線を分離し、入口については入居者と来訪者の動線を分けて、入居者の入口にはノンタッチキー、来訪者の入口にはオートロック操作盤を設置するシステムとなっており(図1参照)、シンプルな装置構成で「とも連れ入場」などを防止することができます。また、ゲートインスペース(図2参照)を設けることにより、鍵を持たない同伴者がいる場合など、複数人を同時に入場させることができます。ゲート式エントランスの特長を以下にまとめます。

(1)入口と出口を分離したことにより、建物内の人が外出する際に待ち伏せてオートロックを通過することができなくなります。
(2)入口で入居者と来訪者の動線を分離し専用化したことにより、心理的な入りにくさを演出します。
(3)ゲートを設けたことで、横からの「とも連れ入場」を防止します。
(4)ノンタッチキーは普及タイプを利用したことで、管理が容易になり、故障時の対応が軽減されます。
(5)子供連れの場合でも、キーマスター(親)がゲートインスペースに子供を先に入れることで、一緒に通過することができます。(図2参照)

■ 開発の経緯

三井住友建設では、従来よりマンションセキュリティー対策技術に注力し、マンションセキュリティーのパイオニアとして、すでにダブルオートロック※に関連した特許技術も開発・実用化してきました。これらに加えて、この度ゲート式エントランスを新たに開発し、セキュリティー対策メニューを充実させました。
ゲート式エントランスの開発にあたっては、当社技術研究所において実験を繰り返し、スムーズな入場を可能とするゲートの大きさや装置の配置を検討しました(図3)。その研究成果から、実用化可能なシンプルな装置の導入と新しいプランニング構成をもつ「ゲート式エントランス」を実用化することができました。(特許出願中)

■ 今後の展開

当社では、このゲート式エントランスが採用された超高層住宅を、現在都内で施工中です。
集合住宅におけるセキュリティー問題がますます注目されている中、今後、当社ではより高い水準のマンションセキュリティーの実現に向けて、超高層住宅に対してこのゲート式エントランスをこれまでの開発技術と併せて提案していきます。

※ とも連れ入場
マンションのエントランスにおいて、前の人に追従することでオートロック操作をすることなく入場すること

※ ゲートインスペース
複数の人が同時に入場する際に、キーを持たない人が待機できるように設けたノンタッチキーとオートロックの間のスペース

※ ダブルオートロック
マンションにおいて、エントランス以外にエレベータホールなどもう一箇所オートロックを設けてセキュリティーをさらに向上させる技術

*本件についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。

〒160-0023 東京都新宿区西新宿七丁目5番25号
三井住友建設株式会社 広報室 宇野
TEL 03-5332-7230


図1 ゲート式エントランスの設置イメージ

図2 ゲート式エントランスの配置と動線計画

図3 技術研究所における実験

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