集合住宅における住戸階での中間階免震改修工事を実施

- 住まいながらの施工と、住戸階としての機能を復旧 -

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 新井 英雄)は、神奈川県住宅供給公社が開発した若葉台団地(横浜市旭区)内の賃貸住宅3-5棟において免震改修工事を実施しました。

同建物は当社の施工により1983年に竣工しましたが、建築基準法改正(1981年)以前の基準(旧耐震基準)で設計されているため、耐震診断を実施した結果、耐震改修の必要性が求められていました。1、2階が事務所および店舗、3階から上層階が住宅という複合用途の建築物であることから、店舗の継続営業と住戸階での住まいながらの施工が最大限可能な改修構法で行う必要がありました。そこで当社は、公社による企業開発提案制度に対し、それらの条件を満たし、かつ優れた耐震性能を有する免震レトロフィットによる改修工事と、免震改修階となった3階部分を改修前と同じ住戸用途に復旧させる提案を行い選定され、工事を実施しました。

 

若葉台賃貸住宅3-5棟 外観
若葉台賃貸住宅3-5棟 外観

 

建物概要

所在地 神奈川県横浜市旭区若葉台3丁目5番地
規模 地上13階
構造 SRC造 1、2階 両方向:耐震壁付ラーメン構造
3階以上 桁行方向:ラーメン構造、梁間方向:耐震壁構造
建物用途 店舗、事務所、賃貸共同住宅(132戸)
延床面積 19,681.14m2
竣工年 1983年

 

若葉台第1共同住宅3-5棟耐震改修(免震レトロフィット)工事概要

発注者 神奈川県住宅供給公社
改修設計 三井住友建設株式会社 一級建築士事務所
改修施工 三井住友建設株式会社 東京建築支店
改修構法 中間階(3階、一部1、2階)免震改修構法、
耐震構造となる1、2階については耐震壁、耐震ブレースを増設
免震改修階の3階は住宅階として復旧 (住宅面積復旧率約70%(最大80%))
工期 2015年8月5日~2016年10月31日

 

本工事にて採用されたハイブリッド免震レトロフィット構法

一般的な集合住宅での免震レトロフィットは、住戸が無く共用部として使用されている1階の既存柱を切断して免震装置を設置しますが、同建物は1、2階部分と3階以上とで平面形状および構造形式が異なるため、3階住戸階での免震改修工事となりました。地震の揺れを伝えにくくする免震装置と、揺れのエネルギーを吸収して揺れを抑制する減衰装置を併用配置するハイブリッド型のハイレトロ構法を採用し、1、2階には耐震壁と耐震ブレースの増設を行って免震の下部となる構造として耐震補強を行いました。また、今後は神奈川県住宅供給公社および若葉台まちづくりセンターの協力を得て、当社開発の構造ヘルスモニタリングシステムを設置し、地震時や経年変化に伴う構造性能のモニタリングも行っていきます。

 

免震改修工事後のイメージ図
免震改修工事後のイメージ図
免震装置の設置作業状況
免震装置の設置作業状況
3階免震階廊下面 (左:工事前、右:工事後)
3階免震階廊下面 (左:工事前、右:工事後)

 

今後の展開

当社は、誰もが安心して暮らせる社会を実現するために"免震レトロフィット"を、今後も積極的に提案していきます。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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