合成桁橋における架設機を用いた床版取替工法の開発・適用
― 鋼桁または大型クレーンを配置する橋端部の補強を不要とした施工方法 ―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 近藤 重敏)は、橋梁の大規模更新事業の床版取替工事において、合成桁橋での鋼桁または大型クレーンを配置する橋端部の補強を不要とした施工方法として、架設機を用いた床版取替工法(※) を新たに開発しました。
そして本工法を、中国自動車道(特定更新等)蓼野第二橋他3橋床版取替工事(島根県)のうち、蓼野第四橋下り線の一部の鋼単純合成桁橋の床版取替において初適用しました。
(※) 特許出願中
【架設機を用いた床版取替作業の様子】
■ 特徴と効果
一般的に合成桁橋における床版取替では、大型クレーンを橋端部(片側または両側)に配置して作業を行います。ただし、大型クレーンを配置する橋端部が交差道路や河川などの直上で、ボックスカルバートなどの構造物が大型クレーンの重量に耐えられない場合は、鋼桁を補強して橋面上に大型クレーンを配置するか、橋端部の構造物を補強する必要があり、床版取替の施工前にそれらの補強が必要なことが課題でした。
本工法で使用する架設機は、架設桁と橋の両端部に設置した支持材で構成されています。架設桁は支持材の上部に設けられた横行レールで移動し、架設桁に設置した床版吊り装置を作業場所まで移動させて床版の撤去・架設を行います。この方法により架設機の重量が鋼桁にかからず、架設機の支持材の設置位置を橋端部の強度が高い位置とすることで、鋼桁や橋端部の構造物の補強が不要となります。
■ 工事概要
工事名 | 中国自動車道(特定更新等)蓼野第二橋他3橋床版取替工事 |
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発注者 | 西日本高速道路株式会社 中国支社 |
工事場所 | 島根県鹿足郡吉賀町蓼野 |
工期 | 2019年11月15日~2022年8月30日 |
工事概要 | 鋼橋の床版取替え(4橋)および耐震補強工事 |
■ 今後の展開
今回の施工実績をもとに改良を重ね適用範囲拡大により積極的な現場展開を図ります。
当社では、床版リニューアル工事の省力化・省人化を目標に、施工の自動化を含め更なる生産性向上を図ってまいります。
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