#05 Nga Tu So 高架橋
東京、神奈川、そして静岡、、、つづくはいよいよ西日本?!
そう期待してくださってた方、残念ですがハズレです!!
今回の取材は、、、こちら。
「え、ここはどこ?これって何語???」
そうなんです、ここは日本じゃありません。橋ガールの2人はいきなり日本を翔び出し、海外までやって来てしまいました。なんでも「海外の橋を紹介してほしい!!」というリクエストが殺到している(?)らしく、緊急取材ツアーが決定したんだとか。インターネットの力ってスゴイですね!そんな訳で最初に訪問することになった国は、1994年に事務所を開設しているベトナム国ハノイ市。果たしてどんな橋と出会えたのでしょうか??是非ご期待下さい。
橋の概要
- 名称
- Nga Tu So 高架橋(ガ・トゥ・ソ高架橋)
- 位置
- ベトナム社会主義共和国 ハノイ市 ドンダー区 ガトゥソ交差点
- 橋長
- 全長 237m(4@24m + 45m + 4@24m)
- 形式
- 9径間連続PCエクストラドーズド橋
- 工法
- 固定支保工架設
- 竣工年
- 2006年(橋梁部供用開始)
8:00 AM 成田空港 某ターミナル
- 「あ~、なんとか間に合った~。 あれ?ルナちゃんまだかな。めずらしく私の方が先みたい・・・」
- 5分経過 -
- 「あれあれ?まだルナちゃん来ないなぁ。どうしたんだろう? お、メール着信。もしかしてトラブってたりして?しょうがないなぁ~、どれどれ・・・エッ?『チェックインゲートで待ってますよー!』って、どこよ?もうチェックイン済ませてたり?それなら、わたしもチケットを出してと・・・」
[チェックインカウンターお姉さん]
「あの~、お客様のお乗りになる機体は共同運航便ですので、こちらではなく第1ターミナルになりますが・・・」
- 「じぇじぇじぇ!! なんてこった、航空会社を確認しただけでターミナルなんて気にもしてなかった。あ~、まだ間に合うよね。ルナちゃん、ひとりでなんか行かせないからね。っていうか、いきなり心配かけてごめんなさーい!」
第一ターミナル チェックインゲート前
- 「ルナちゃーーーーーーーーーーーーーん!」
- 「セ、センパーイ! もう、心配しましたよ。おっちょこちょい過ぎです~。」
- 「あー良かった。
♪ あの日 あの時 あの場所で 君に会えなかったら~
ここからはキモチ引き締めて行くナリ。」
- 「なんですか、その「ナリ」って・・・全然引き締まってない感じ!(あー、この先どうなることやら・・・)」
到着してまず向かったのはハノイ市の中心街区。いきなりの海外取材に、いつも以上にハイテンションな二人。果たして「お橋見」取材は無事できるのでしょうか?
- 「さ、いよいよ海外初取材に来たわけだけど、ここで問題。今のハノイで話題の2大プロジェクトって何だか知ってる??」
- 「えー、なんですか?HNI48を結成するとか?」
- 「何、そのHNI48って???違う、違う!!『橋ガールのお橋見』って流れからしてそんな話題の訳ないでしょ。1つ目はね、さっきの空港拡張プロジェクト。で、もう1つが・・・まあいいわ、それはこの先わかるはずだから。」
- 「なんですか、気になる~。もしかして、それってこの『お橋見』に関係あることなんですか?」
- 「えー、本当に知らないの?そんなことも知らないで、よくハノイまで来れたわね!!なんてね。飛行機乗り遅れそうになった私に言われたくはないわよね。実は、私もさっきタクシーのドライバーさんに聞いただけなんだけど。」
- 「なぁんだ、そういうことですか。でも、早速現地の情報収集してるところ、さすがですね。」
- 「でしょでしょ!ルナちゃん、こっから先は安心して私についてきて。どーんとまかせなさい!」
- 「ハ、ハーイ(ってホント大丈夫かな?)。じゃぁセンパイ、まずは前回で好評だった、美味しいものをいただいちゃうパターンでどうですか?」
- 「なにそれ、だれに好評だったって???でも、そういえば私もお腹ペコペコかも。じゃあ、早速美味しいもの探しに行きまフォー!!」
- 「センパーイ、もしかしてフォー食べようって誘ってません?(っていうか、完全にオヤジギャグで訴えてる・・・)まぁ、ベトナムといえばフォーなんでしょうけどね。実はわたしも、現地所員の人にとびっきりの情報を教えてもらってるんですよ。" Pho Bo Bac Linh Dam "っていうフォーのお店、ここなかなか美味しいって。」
- 「フォフォー(ほほう)。ルナちゃん、えらい!ちゃんと下調べしてるじゃない。やっぱり美味しいお店って、ここで暮らしてる人に聞くのが一番だよね。」
- 「これは『Pho Bo』と言って、牛肉のフォー。お店の名前にもなっているだけあってここの名物らしいです。で、この揚げたパン『Quay』、これを上に乗っけてと。このまま食べても美味しいですが、このテーブルに乗ってる調味料を使ってアレンジして食べるのもいいらしい。」
- 「見て見て~、おいしフォー(おいしそう)!!」
- 「まだやりますか?その『フォー』なやり取り。それにしても、なんですかこれ。見るからに辛そうな色。うっわー辛っ!!!!!センパイ舌が、舌が~。」
- 「ちょっとやりすぎ、フォー・ユゥ?ゴメンゴメン。そうだ、口直しにちょっと甘いもの系なんてどう?」
- 「それ、お願いひまふ!このままぎゃ『おはひみ(橋見)』どころぎゃありまひぇん。」
ということで、2人は近くにあるCho Homマーケットへ。
- 「美味しそうなフルーツがたくさーん。あ、センパーイ、ドリアン、ドリアン!!食べてみましょうよ?」
- 「え~、臭くて倒れちゃうかもよ。」
- 「倒れるくらいの思い出作っちゃいましょうよ!」
- 「ルナちゃん、外国だとなんか性格変わったりする?思い出って、まだなんにも仕事してないのに。ま、橋のまわりの様子を取材するってのも大事なミッションだったよね。じゃ、ひとついってみよっか。」
- 「匂いがつかないように、しっかり手袋をはめてと。」
- 「せーのっ・・・お~い~C!!」
- 「何て言うか、今まで食べたこと無いクリーミーさ。ドリアンって『フルーツの王様』って言われているらしいですよ。」
- 「なるほど。ちょっとガスみたいな匂いと思ったけど、この匂いあっての美味しさだね。本当これいい、王様っていうより王子様じゃない?ドリアンはね、出会いが大事なんだって。なんか出会ってしまった、って感じよね。あー、ドリアン王子~!!」
- 「あ、あのぅ・・・今日のところはこれぐらいで(みんな見てる・・・)」
- 「お、そうだそうだ。何しに来たのか、忘れるところだった!
じゃあ、ハノイの味覚を満喫したところでそろそろ本題の「お橋見」と行きますか。」
- 「イエーイ!!!で、その『お橋様』はどこに?」
- 「実はね、このハノイ市には、たとえば『タインチ橋』とか『シティリングロード』とかね、ウチの会社が関わってる、そりゃもうビッグなビッグなプロジェクトが沢山あるんだけどね。今日はね、そこをあえて『橋ガール』らしく、街中にあるカワイイ橋を選んでみたのよ。」
- 「カワイイ橋、ですか?」
- 「その名も『 Nga Tu So 』」
- 「え、なんですって???」
- 「日本人は『ガツソ』なんて呼んだりする。だけど本当はそうじゃないの!!
『ンッガァ~・トゥ~・ソ~』
手をこうやってつけながら言うと言い易い。この手をつけて・・・」
- 「そうやって聞くと、ちょっとカワイイ感じが伝わってきます、かね(一応そういうことに)。」
- 「ンだ~・よ~・ね~!!」
- 「で、そのNga Tu So ってどんな橋ですか?」
- 「えーっと、ほら、あれ、あれ!」
- 「どっかで見たような形じゃない?」
- 「あ、小田原ブルーウェイブリッジ!!エクストラドーズド橋ですね。主塔の高さを抑えてその先端に『サドル』、ってヤツですよね。小田原の橋は漁港をまたいで大迫力でしたけど、こっちはホントに可愛らしい感じ。」
- 「そうそう、『ハンドル』じゃなくて『サドル』よね。」
- 「ここでハカセがいたら、(ハカセ風に)『交通量が多い幹線道路の立体交差橋で、桁下を通りぬける高さを確保しながら緩やかな勾配にするために、桁高を薄く抑えられるこの形式にしてるんだよ』とか説明してくれるんでしょうね。」
- 「うんうん、そうかも。ルナちゃん、ずいぶんわかってきたみたいね。ちなみに、この周辺にも高架橋はいくつかあるらしいんだけど、こういう形式のものはここだけなんだって。だから、『吊り橋の交差点』っていえばみんながわかるランドマークになっているそうよ。」
- 「へぇ、人気者だったりするわけですね。こうやって見てると、なんかセミみたいで愛らしく見えます!」
- 「小田原の場合は、橋桁の両側に斜材を配置した2面吊構造だったよね。でも、そのケーブル張ってる部分2列って車通れないじゃない。この橋はね、一つの橋に上下線合わせて4車線のひろーい道路になっていて中央分離帯が必要なんだけど、、その中央分離帯を利用して一面吊にすることで橋の幅を最小限に抑えてるのよ。」
- 「なるほど。確かに橋の両脇がうすーくなってるから、小田原みたいに吊ったら橋がベローンと曲がって折れちゃいそうですもんね。」
- 「中央分離帯がある橋では、大きな橋でも1面で吊ることが多いんだって。これ、覚えておこう!」
- 「なるほど、勉強になりまーす。」
- 「そうだ、工事をしている途中の写真を預かってきたんだ。コレコレ。 こっちが開通する直前の様子。」
- 「す、す、すごい混雑ですね。 こんなにギッチリで、バスとかちゃんと動けてるのかしら。というか、ちゃんとまわり見えてるのかな???」
- 「で、こっちが開通直後。ちょっとスムーズになってる風じゃない?」
- 「本当だ。渋滞緩和に一役買ってますね!!でも、よく見るとまだ橋の下の工事は終わってないみたいじゃないですか。」
- 「そうなのよ。いままでの橋では、張り出し架設ってことで下の通行を止めずに施工なんて言ってたでしょ。でもここは違うみたい。これが工事中の写真なんだけど、ここは比較的支間が短かめで地上施工だったから、『支保工』っていう支えを一面に組んで、現場で一気にコンクリート桁をつくっていったんだって。」
- 「シホコさん、ですか?このパターンは初めてですね。」
- 「で、橋が完成した時、地上部分はまだまだ工事中だったんだけどね、それから1年くらいして、周辺の整備も含めてこんな風にきれいに立体交差道路を完成させたんだって。写真じゃわかりにくいけど、ここは歩行者のために地下歩道も設置されているんだそうよ。」
- 「センパイ、ずいぶん勉強してきたみたいですけど、それってどこから仕入れたネタなんですか?今日は頼みのハカセも登場しないみたいですし。アレ?もしかしてハカセ、海外取材出張はさせてもらえなかったんですかぁ???」
- 「そうなの、橋ガールメンバーには数えてもらえなかったみたい。で、日本でさびしくお留守番らしいよ。なので、今回は担当してたS所長に、いろいろと情報を教えてもらっちゃいました。S所長は、営業所を開設する当時からベトナム担当だったみたいで、仕事以外のコッチでの暮らしのことなんかいろいろ聞けたのよね。」
- 「あらっ。所長さんも何だかカワイイですねー。今度会ったらお礼言わなきゃ、ですね。おかげでいい『お橋見』になりました。 ということで、今回のベスポジはどうしましょう?」
- 「それなんだけどさぁ、さっきの地上から見上げた姿もよかったんだけどね・・・今回は車で通りすぎるときの Nga Tu Soはどうかなーと。」
- 「え、車から見た、ですか???」
- 「そうそう。実はね、所長からもらった写真があったんだけど、暗くなるとこんな風にいい感じにライティングされてるんだって。ね、なかなかいい雰囲気でしょ?」
- 「きゃー、ステキ。 っていうか、それ写真で決めちゃっていいんですか?」
- 「まぁ、見ていきたいところなんだけどさぁ。実は次のスケジュールが・・・ ということで、Nga Tu So のベスポジは夕暮れ時の橋の上で決まり!さ、つぎ行ってみよう!」
- 「あー、「橋ガール in ベトナム」、こんなことでいいのかぁ!!!(叫)」
(こうしてまだまだベトナム取材は続くのでした)
タノちゃんの絵日記
2013年8月某日 行った場所:Nga Tu So 高架橋
「 やっぱりベトナムだ
3人乗ってもだいじょーぶ !!
Incredible Vietnam !! 」
―つづく