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  4. #40 陣ヶ下高架橋

橋をつくり続ける会社の橋好き女子、
その名も「橋ガール」!
「橋好き女子」が勝手に橋の魅力を紹介しちゃう
プチプロジェクト。
『お橋見』のためなら日本全国、
いや世界の果てまでいってきまーす!

#40 陣ヶ下高架橋

~ ある日の社内にて ~

キタちゃん
「みやちゃん、さっきから何を読んでるの?」
みやちゃん
「あ、きたちゃん! 大野美代子さんの作品集を見ているんです。おしゃれでスタイリッシュで素敵ですよね~」

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キタちゃん
「大野美代子さんって、全国各地の橋を設計してきた橋梁デザイナーだよね。
あ、この表紙は当社が施工した鮎の瀬大橋(#33)じゃない?他にも小田原ブルーウェイブリッジ(#3)も載っているね」
みやちゃん
「当社施工の橋もたくさん設計されていますね。いいな~、私もお橋見行きたいです!」
キタちゃん
さっきまで打合せしてたから、ハカセはまだこの辺りにいるんじゃないかな
みやちゃん
「なんてグッドタイミング! ハカセ~!!
ハカセ
「びっくりした! みやちゃんときたちゃんでしたか。どうしました?」
みやちゃん
「大野美代子さんのデザインした橋を見てみたくて、お橋見に連れていってくれませんか?」
ハカセ
「お、そういうことでしたら連れていきたいところがありますよ。ここなんてどうですか」
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キタちゃん
「...巨大キノコ?!」
ハカセ
「面白い橋脚でしょう。横浜市にあるので場所も近いですよ」
みやちゃん
「横浜?!横浜といえば港のイメージですけど...こんなに緑豊かな場所があるんですか?」
ハカセ
「そう、秘境のような場所ですよ。明日、最寄り駅で待ち合わせしましょう」
ふたり
「やったー!楽しみです!」

~ 今回の橋ガールはこの2人 ~

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~ お橋見当日 神奈川県横浜市の西谷駅前にて ~

みやちゃん
「ハカセとの待ち合わせ場所ってホントにここで合ってます? 周りは住宅街ですけど...」
キタちゃん
「写真で見たような森は見当たらないね...」
ハカセ
「2人とも、お待たせしました!」

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キタちゃん
「ハカセ遅いですよ~。待ち合わせ場所間違えたかと思いました」
みやちゃん
「橋はどこにあるんですか?」
ハカセ
「ここから少し歩いたところに陣ヶ下渓谷公園という自然公園があって、橋はその中を通っています」
みやちゃん
渓谷!? 私たちこんな軽装備で大丈夫ですか??」
ハカセ
「横浜市では唯一の渓谷ですが、ハイキングコースもあるので大丈夫ですよ。さぁ、さっそく向かいましょう!」
みやちゃん
「あれ、住宅地のなかに橋が見えて来ましたよ」

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ハカセ
「これは横浜市の環状2号線の高架橋です。目的の陣ヶ下高架橋もこの路線の高架橋ですが、実はこの橋も当社の施工なんですよ。せっかくなので少し見ていきましょう」
みやちゃん
「この橋脚のかたち、カクカクしていてロボットの足みたいでなんだか格好いいですね」
ハカセ
「そうですね。これから見に行く陣ヶ下高架橋とは対照的な角ばったデザインですが、これはこれで住宅地のなかにある高架橋としては、周囲の環境に配慮したデザインになって結構いいですよね」

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みやちゃん
「高架橋の下も公園として使われて住民のよい憩いの場となってそう」
ハカセ
「あれ、そういえばさっきからきたちゃんがいないような...?」
みやちゃん
「ハカセ、きたちゃんいましたよ。もう、何してるんですか?!」
キタちゃん
「あっ。つい遊具を見ると遊びたくなってしまって」

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ハカセ
「あはは。楽しんでいますね。それでは、気を取り直して目的の橋に向かいましょう。すぐ近くですよ」
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ハカセ
「ここから先が陣ヶ下渓谷公園です。先に進んでみましょう」
キタちゃん
「すごい!住宅街を抜けると、突然森が現れましたね!」

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みやちゃん
「うわ~!緑の中にコンクリートの巨大建造物...なんだか神秘的でアニメの世界みたい」

ハカセ
「そうですね。北陣ヶ下高架橋と南陣ヶ下高架橋とがあって、今、見えているのが当社が施工した北陣ヶ下高架橋です」

橋の概要

名称
北陣ヶ下高架橋
位置
神奈川県横浜市保土ヶ谷区川島町
構造形式
連続ラーメン中空床版橋
橋長
外回り215.0m、内回り164.0m
架設工法
固定支保工架設工法
竣工年
2001年

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キタちゃん
「これが、写真集で見た巨大キノコのような橋脚ですね!近づいて見てみよう!」

みやちゃん
「よく見ると、橋脚に木目の模様がついていますね」
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ハカセ
「いいところに気付きましたね。杉板を使った型枠にコンクリートを流し込んでつくられているので、杉の木の木目がコンクリートに転写されているんです」
キタちゃん
「ほんとだ。触ってみると木の表面のようなザラザラ感がありますね」
みやちゃん
「わ~見て見て!こっちの橋脚は蔦が絡んで、大自然と一体化してる!」

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ハカセ
「杉板の木目によって表面が粗くなるので、橋脚に蔦が絡みやすくなって、より周囲の景色との調和がとれるんですよね。この渓谷はとても自然豊かで、多くの動植物が生息しています。その生息環境を守るために、外回りと内回りの橋の間を大きくとって、雨水や太陽光が橋の下にも届くようになっています」
みやちゃん
「確かに!見上げたときに隙間から差し込む光もキレイ...!」
キタちゃん
自然と調和することを重視してつくられたんですね。柔らかい丸みのある形が素敵で、森の中に溶け込んでますね」
ハカセ
「橋の上にも行ってみましょうか。二人とも、こっちこっち!」

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みやちゃん
「はぁ、はぁ...。ハイキングってこんなに大変でしたっけ?」
ハカセ
「あともうちょっとですよ。頑張ってください!」
キタちゃん
「ここから橋の上に出れるみたいですよ」

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みやちゃん
「上に出てみると一見普通の道路なので、この下に幻想的な橋脚があるなんて想像がつかないですね」
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ハカセ
「見てください。ちょうどあの辺りから照明が変わっているのが分かりますか?」
キタちゃん
「透明な壁のあたりから街灯みたいな照明がなくなっていますね。光源はどこにあるんでしょうか?」
ハカセ
「道路の上側の少し低いところに緑色の部材が伸びているのがみえますか。あれが道路の照明になっています。先ほど通ってきた公園にはさまざまな生き物が住んでいるので、高いところに照明があると光が橋の下に漏れてしまって、夜行性の生物の生息に影響してしまいます。そのため、この辺りはライン照明になっているんですよ」

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みやちゃん
「生き物にも優しい設計なんですね! 周辺の豊かな自然環境といかに共生するか、色々な工夫が感じられますね」
キタちゃん
「ちょうど公園の入り口に戻ってきたし、"恒例のアレ" やろうか!」

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ハカセ
「周辺の環境にどこまでも配慮しながら、さらに自然と一体化することで荘厳な風景をつくりだしているところがこの橋の魅力ですね。では、そろそろ帰りましょうか」
ふたり
「はーい。今日はありがとうございました」
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2024年8月2日
行った場所:陣ケ下高架橋


気分は森の小人?
観と自然を守る巨大キノコ橋

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―つづく

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