導水路トンネル調査・点検システム「MOLE-FMR」の開発と適用

―補修履歴情報等の3Dモデル自動生成とMR技術による見える化で作業時間が半減―

三井住友建設株式会社 (東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 新井 英雄) は、導水路トンネルの調査・点検業務において、当社が独自開発したトンネル補修工事データベース「ジェネシスLTR」(※1)に登録された履歴情報を3Dモデルに自動生成・変換するソフトと、ゴーグル型のMR (複合現実/Mixed Reality)デバイス(※2)を活用して現実空間に補修履歴や調査・点検記録を3D画像表示させて、リアルタイムに現状と比較・確認できるトンネル・メンテナンス・ナビゲーションシステム「MOLE-FMR(モール-Field Mixed Reality)」を開発しました。

そしてこのたび、静岡県富士宮市内の導水路トンネル調査・点検で適用し、補修履歴情報等の見える化で効率化・合理化を図り、作業時間の半減を実現しました。

※1 「ジェネシスLTR(GENESIS/Legacy Tunnel Rehabilitation records)」 当社が独自開発したトンネル補修工事施工情報データベース (2014年12月24日リリース)

※2 透過型ヘッドマウントディスプレイとしてMicrosoft社のHoloLens、MRビューワーとして株式会社インフォマティクスの GyroEyeHolo を使用

 

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【トンネル・メンテナンス・ナビゲーションシステム「MOLE-FMR」】

 

■ 開発の経緯

導水路トンネルの調査・点検は、目視による変状や不具合の確認、その規模・寸法の測定、および記録作業が主体となり、供用開始から数十年経過している場合、既往の蓄積された調査や補修の記録との比較も必要となります。照明設備がない暗渠や隧道内では、ひび割れや漏水箇所の特定が難しいだけでなく、表面の汚れや藻類の繁殖等で損傷個所とコンクリート表面の模様との判別も困難を極め、作業に時間を要してしまう場合があります。また、発電水路や工業用水トンネルは断水時間に制約があり、作業の効率化・合理化が課題となっていました。

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【照明設備がない暗渠内】

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【藻類が繁殖する導水路トンネル】

■「MOLE-FMR」の特徴

[1] 補修履歴情報等を3Dモデルに自動生成

当社が独自開発したトンネル補修工事データベース「ジェネシスLTR」には、調査・点検記録や施工・補修履歴情報が登録・管理されており、これらの線形情報や縦横断情報から3Dモデルに自動生成することで、これまでの履歴を立体的に確認することができるようになりました。

[2] 現実空間に補修履歴情報等を表示

ゴーグル型のMRデバイスに3Dモデル化した調査・点検記録や補修履歴を表示させることで、現実空間における変状や不具合の確認が容易にできるようになりました。また、補修前の状況を重ねて表示して視覚的に比較することが可能で、補修部材の変状があった場合や不具合との関連性についても容易に確認できるようになりました。

[3] 作業環境に左右されない正確な位置情報表示

導水路トンネルの照明設備がない暗渠や隧道内において、僅かな光源(LEDランタン等)でも本システムはトンネルの三次元形状を認識して現実空間に3D画像を表示します。

 

■ 今後の展開

本システムの導入により、補修履歴情報等が現地で簡単に確認できることを実証しました。当社では、今後、最新のICTの活用により本システムの利便性をさらに向上させて、導水路や開水路等の調査・点検および補修工事への導入を促進するとともに、道路トンネル等の社会インフラの維持管理への適用も目指してまいります。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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