PCa部材のトレーサビリティを実現するRFIDタグ一体型スペーサを開発

― 部材製造から現場受入検査まで生産管理情報を一元管理 ―

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 近藤 重敏)は、プレキャストコンクリート(PCa)部材のトレーサビリティを実現する、RFIDタグと一体化させた鉄筋コンクリート製品用スペーサ(※1、2、3) を開発しました。

本RFIDタグ一体型スペーサを使用することで、鉄筋組立後から生産情報の管理が可能となります。これにより、PCa部材の製造開始から保管、出荷、更には現場搬入時の受入検査に至るまで、生産管理情報の一元管理を実現します。

(※1) 特許出願中

(※2) RFIDタグ:KISCO株式会社製、スペーサ:株式会社未来樹脂製

(※3) スペーサ:コンクリートを打設する際、鉄筋と型枠との間隔(かぶり)を保つために用いるもの

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【開発したRFIDタグ一体型スペーサの取付状況】

■ RFIDタグ一体型スペーサの特徴

これまでPCa部材の生産情報の管理には、PCa部材に貼り付けしたRFIDタグを用いていました。本RFIDタグ一体型スペーサを使用することで、より製造の上流からRFIDタグによる生産管理情報の一元管理が可能となります。さらに、工場でのRFIDタグ貼付作業がなくなり、PCa部材保管時の剥がれなどのリスクも低減され、生産性や品質管理の信頼性がより向上します。

本スペーサの特徴は以下のとおりです。

  1. 通常の鉄筋コンクリート製品用スペーサと同様に使用が可能。
  2. RFIDタグの構造を簡素化し、導入しやすい低価格を実現。
  3. 交信距離が長いUHF帯域のRFIDタグを使用し、コンクリートの特性に合わせてチューニングすることで、2m程度の交信距離を実現。

■ 今後の展開

当社では、「建設生産プロセスの変革」を基本方針の一つに揚げ、建設現場や工場等における生産性向上に取り組んでいます。

これまでPCa部材の生産管理情報の一元管理において、次世代PCa生産管理システム「PATRAC®(Precast Automatic TRACing system)」(※4、5) を開発し、デジタル化による生産性向上に取り組んできました。今後は、本スペーサのPATRACへの活用に向け、実現場で試験導入し、施工時の品質管理などに活用することで、幅広い生産性向上を推進し、少子高齢化社会の労務者不足などの社会問題解決に貢献いたします。

(※4)IoTを活用した次世代PCa生産管理システム「PATRAC」の開発に着手(2018年12月18日リリース)

(※5)PCa部材管理システム「PATRAC-DL」を実現場で運用開始(2021年12月3日リリース)

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【次世代PCa生産管理システム「PATRAC®」の全体像】

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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