サスティナブルな地盤改良材「サスティンGeo™」を開発
― 地盤改良時のCO2排出量と六価クロム溶出量を大幅低減 ―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 近藤 重敏)は、このほどセメントを使用せずに産業副産物などを用いた地盤改良材「サスティンGeo(ジオ)™」を開発しました。サスティンGeoを固化材に用いた実証試験により、地盤改良時のCO2排出量や六価クロム(※1) の溶出量を低減する効果を確認しました。
(※1) 土壌汚染対策法で定められた特定有害物質
【サスティンGeoによる地盤改良(浅層改良)イメージ】
■ 開発の背景
当社は、「2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ」を策定し、脱炭素社会に貢献する技術開発や取り組みなどを推進しています。地盤改良に使用されるセメント系固化材(以下、従来材料)は製造過程におけるCO2排出量が多く、また、腐植土や粘性土などの地層における地盤改良時に六価クロムが溶出するリスクがあります。そのため、従来材料を使用しない地盤改良材の開発に着手しました。
■「サスティンGeo」の特徴
本地盤改良材の特徴は以下のとおりです。
[1] CO2排出量を低減
「サスティンGeo」は、従来材料と比較して材料由来のCO2排出量を低減することが可能です。粘性土を対象とした実証試験においては、目標強度に応じた適切な配合にすることで、従来材料と同程度の添加量で必要強度を満たし、CO2排出量は約5割低減することを確認しました。
[2] 六価クロム溶出抑制
地盤改良時に従来材料を用いると、土壌によっては六価クロムが環境基準を超えて溶出する場合がありますが、「サスティンGeo」を固化材として用いた場合、溶出量は現行の土壌環境基準値(0.05mg/l)未満になることを実証試験において確認しました。
【CO2排出量と六価クロム溶出量の従来材料との比較】
■ 今後の展開
今回は、浅層改良を対象とする粉体混合方式としましたが、中層改良や深層改良への適用に向けて、検討を進め、更なる適用先の拡大を図る予定です。
今後は、地盤改良工事への「サスティンGeo」の適用を進め、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
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