トンネル鋼製支保工作業の自動化・省人化技術「離れte支保工」を開発
- 山岳トンネル工事における切羽近傍作業の安全性と生産性を向上 -
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 柴田 敏雄)は、山岳トンネル施工における鋼製支保工の建込作業の自動化・省人化を目的に、SMC-Tunnelingシリーズ 「3次元点群データを用いた鋼製支保工建込システム(離れte支保工)」を、ニシオティーアンドエム株式会社(大阪府高槻市唐崎西2丁目26番1号 社長 北 俊介)の協力のもとで開発しました。今般、屋外での実機による模擬施工を行い、本システムの作業性と建込精度を実証しました。
本システムの導入により、山岳トンネルの鋼製支保工の建込作業において、エレクター付吹付機(※1)の配置から鋼製支保工の建込、支保工天端部の連結ボルトの締結、金網設置までの一連の作業を、切羽(掘削面)から十分に離れた安全な位置(天端から45度の範囲外)で行うことが可能となり、災害発生率が高い鋼製支保工の建込作業の安全性と生産性の向上が図られます。
(※1) エレクター付吹付機とは、本機1台でコンクリートの吹付けから鋼製支保工の建込みまで行える機械です。
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【屋外での実機による実証状況】
■ 開発の経緯
山岳トンネル工事では、切羽からの肌落ち等による労働災害が頻発しており、鋼製支保工(以下、支保工)の建込作業における災害は、切羽作業全体の約40%を占めています(※2)。また、近年の労働者の減少や熟練トンネル特殊工の不足が課題となっていることから、施工の自動化・省人化技術の普及・促進が急務となっていました。
これまで支保工の建込作業は、危険性の高い切羽近傍に複数名のトンネル特殊工が立ち入り、建込位置の確認や支保工の微調整を行っていましたが、今般、これらの危険作業を解消すべく、切羽から離れた安全な位置で一連の建込作業が可能となる「3次元点群データを用いた鋼製支保工建込システム(離れte支保工)」を開発しました。
(※2) 厚生労働省ホームページ
「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に関する検討会報告書 参考資料⑥」より
■ 特徴
本システムでは、肌落ちや崩落等の可能性がある切羽近傍に作業員が立ち入ることなく作業が可能となります。本システムによる作業の特徴は以下の通りです。
- エレクター付吹付機の移動や誘導は、360度見渡せるフルラジアル式カメラシステムを利用することで、前方に誘導員を配置する必要がなく、オペレータが機体の全周囲の安全を確認しながら行います。
- 支保工の建込みでは、エレクター付吹付機に搭載した4台の3D-LiDAR計測器で取得した3次元点群データもとに、当社の3次元点群データを用いた出来形計測技術「トンネル覆工巻厚管理システム(3D-TLIMAS)」を活用し、切羽掘削面、既設支保工やエレクターで移動する支保工の位置情報をナビゲーションモニターに投影します。オペレータはズーム機能を使って天端継手板や底板部の詳細位置を確認し、高機能制御機構(3軸微調整機構付キャッチャー)により、支保工を高精度に目標位置に設置します。また、金網を事前に支保工に取り付けることで、金網の設置作業は不要になります。
【3次元点群データを投影したナビゲーションモニター】
■ 今後の展開
今後は、本システムを積極的に現場適用し、支保工の建込作業から得られる様々なデータや知見を収集していく予定です。また、切羽掘削面の凹凸の判定など、熟練トンネル特殊工の暗黙知をAIに学習させることで、トンネル鋼製支保工作業の全自動化を目指し、安全性と生産性のさらなる向上を実現してまいります。
<お問い合わせ先>
本件についてのお問い合わせは、下記までお願いいたします。
三井住友建設株式会社
経営企画本部 広報室
〒104-0051 東京都中央区佃二丁目1番6号
TEL: 03-4582-3015 FAX: 03-4582-3204