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事業概況

事業環境の認識と2022年度の取り組み

国内市場では、防災・減災、国土強靭化関連工事、老朽インフラの更新工事などの発注が堅調であり、当面は一定の発注量が期待可能と見込んでいます。当社の土木事業も高速道路の大規模更新事業やトンネルなどの受注により順調に推移しました。

2022年度の実績は、海外大型工事を受注したこともあり、個別受注高は1,742億円となり、目標の1,550億円を大幅に過達しました。また、生産性向上に向けた取り組みへの注力により、売上高、利益ともに前期を上回り過去最高の利益水準を確保しました。

事業の特徴と強み

橋梁やトンネル、河川改修、土地造成、上下水道施設など社会基盤を支える土木構造物の新設や維持・更新に際し、豊富な実績をもとに最適な設計・施工技術を提供します。

プレストレストコンクリート(PC)橋梁分野では業界屈指の設計・施工実績を誇り、新たな構造形式やプレキャスト(PCa)化による工期短縮・省力化施工などの技術開発を推進し、高品質で耐久性に優れ、維持管理がしやすい橋梁を提供しています。

国内では引き続きP C橋梁等の優位技術を軸としながら、床版取替などの大規模更新や新設トンネルなどに注力していきます。加えて、サステナブル社会の実現に向け、洋上風力発電やアンモニア貯蔵施設などの脱炭素関連分野にも、当社が培ってきた技術を活かし戦略的に取り組みます。海外では地下鉄や高速鉄道などの大型工事の実績を着実に重ね、優位性を確立しています。海外事業は当社の成長エンジンと捉え、さらなる受注の拡大を目指しつつ国内事業とのバランスを考慮し、最先端の施工技術を海外に展開していく好サイクルを構築し、国内、海外ともに土木事業として発展させていきます。

2023年度の方針

2022年度の手持ち工事量が過去最大の3,400億円超であったことを考慮し、2023年度は受注目標を900億円、売上高目標を1,400億円と設定し、質の向上を目指した受注戦略としています。総合評価方式入札における技術提案において好成績を維持し、生産性、利益率の高い案件の受注を目指します。

また、さらなる生産性、利益率の向上に向け、技術開発、DX推進を継続するとともに、本支店連携による作業所支援により現場の負荷を軽減し、働き方改革を実現します。社員一人ひとりが活躍できる基盤を整えることで、事業の着実な成長を目指します。

リスクと機会

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技術の強化 サステナブル社会の実現に向けて

cr2023_doboku_04.png DX技術

鉄筋組立の自動化技術 ロボタラス®Ⅱ

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PC床版の鉄筋組立作業の様子(能登川工場)
確実性の向上
本システムでは配筋作業や結束作業を機械で行うため、人為的誤差を排除でき、作業の確実性が向上
生産性の向上
鉄筋総重量の約85%が自動組立作業化され、従来6人で2枚/日の組立作業を2人で行えるようになり、省人化による3倍の生産性向上を実現
安全性の確保
システム稼働時に人やものが安全柵内に入ると、装置が自動停止するよう設定されているため、安全性を確保

建設生産プロセス変革

PC床版製作に鉄筋組立自動化システム 「Robotaras®Ⅱ」を導入

cr2023_doboku_04.png サステナブル社会の実現に向けた技術

浮体式洋上風力発電プロジェクトの事業性評価への参加

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BW Ideolの実証機(写真出典:BW Ideol / V. Joncheray)
成長分野への挑戦
浮体式洋上風力発電事業が将来の土木事業の一翼を担う成長分野と位置付け、今回の事業性評価に参加
プレキャスト製造技術の活用
大量かつ短工期でのコンクリート部材の製造技術・ノウハウを活用し、大型風車を用いた日本国内の大規模商用ファーム向けコンクリート製浮体基礎の建造に関する部分を担当

持続可能な社会の実現 地球環境への貢献

浮体式洋上風力発電プロジェクトの事業性評価への参加とその成果について