PC床版製作に鉄筋組立自動化システム「Robotaras®Ⅱ」を導入

― 省人化により生産性が3倍に向上 ―

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 近藤 重敏)は、ロボットを活用した鉄筋組立自動化システム「Robotaras®Ⅱ(ロボタラス®Ⅱ/ROBOT Arm Rebar Assembly System Ⅱ)」を、当社の能登川工場(滋賀県)で製作するプレキャストPC床版(※1) の鉄筋供給・配置・結束作業に導入しました。

本システムの導入は、鉄道構造物の軌道スラブ製造(※2) に続くもので、鉄筋組立を85%自動化することにより3倍の生産性向上を実現しました。

(※1) 高速道路リニューアル工事(※3) における橋梁の床版取替用プレキャストPC床版

(※2) 鉄筋組立自動化システム「Robotaras™(ロボタラス)」の本格導入開始(2020年02月06日リリース)

 

20210903_01.png
【鉄筋組立自動化システム「Robotaras®Ⅱ」】

 

■ システムの概要

本システムによる鉄筋組立作業の流れは次のとおりです。

[1] 鉄筋の供給
外周に配置した11種類の「鉄筋供給機」がロボットアーム作業半径内に、鉄筋をコンベア搬送。

[2] 鉄筋の配置
天吊りロボットアーム2台が3種類の鉄筋配置用「鉄筋保持治具」を自動装着し、「鉄筋架台」に鉄筋を配置。

[3] 鉄筋の結束
市販の「鉄筋結束機」に自動脱着した天吊りロボットアーム2台と、装置下部に設置した結束用ロボット1台(計3台)で鉄筋を結束。ロボットアームの先端に三次元カメラを設置し、鉄筋結束時にプログラミング位置との配置誤差を認識・補正して確実に結束。

20210902_02.png
【システムの全体図(イメージ)】 
20210902_03.png
【鉄筋組立完了したPC床版】

■ システム導入の効果

形状が同じPC床版の鉄筋組立は比較的単純作業の繰り返しであることから、担い手不足の解消と作業負担の軽減、生産性向上を目的に本システムを導入しました。作業員は鉄筋供給機への補充と鉄筋結束機へのワイヤ充填などの補助業務と、結束した鉄筋の幅を保つために設ける幅止め筋など一部自動組立対象外の鉄筋組立作業のみとなります。

これにより、鉄筋総重量の約85%が自動組立作業化され、従来6人で2枚/日の組立作業を2人で行えるようになり、省人化による3倍の生産性向上を実現しました。

 

■ 本システムの適用工事概要(※3)

 工事名  : 中国自動車道(特定更新等) 中国池田IC~宝塚IC間橋梁更新工事

 発注者  : 西日本高速道路株式会社 関西支社

 工事場所 : 大阪府池田市神田~兵庫県宝塚市売布
       (川西高架橋の床版取替で使用する標準形状のPC床版に適用)

 

■ 今後の展開

当社では、「中期経営計画2019-2021」において「建設生産プロセスの変革」を基本方針の一つに掲げ、生産性の向上に取り組んでいます。引き続き、本システムの当社プレキャスト(PCa)工場の製造ラインでの適用拡大と更なる開発を進め、自動化技術による生産性の向上を幅広く展開してまいります。

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

一覧ページへ