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  4. #36 宇多津横断歩道橋 

橋をつくり続ける会社の橋好き女子、
その名も「橋ガール」!
「橋好き女子」が勝手に橋の魅力を紹介しちゃう
プチプロジェクト。
『お橋見』のためなら日本全国、
いや世界の果てまでいってきまーす!

#36 宇多津横断歩道橋 

~ ある日の社内 ~

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えみりん(四国)
「おはようございまーす。
あれ、ゆりりん、何を見てるの?」
ゆりりん
「あ、えみりん、おはよう。
これまで四国支店が施工した物件の作品集が書棚にあったので、身近な建物や橋などがあるなー、って見てました」
えみりん(四国)
「ホントだ。
四国支店は、前身の住友建設発祥の地で歴史があって、PC工場も併設しているから橋も多くつくってるよね。
今度、実際に見に行ってみない?これなんかどう?
『宇多津歩道橋』だって、20年くらい前に完成したって書いてあるよ」

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ゆりりん
「橋ガールですね!!
近々、ハカセが四国支店に来るような話を聞いているので、その時に相談してみましょうよ」

今回の橋ガールは...

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~ 後日 ~

ハカセ
「ゆりりんから支店に来る予定があるか聞かれたけど、何の用事かな...」

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ゆりりん
「あっ、ハカセこんにちは。
この前、四国支店の作品集を見てて気になった橋があるのですが、一緒に行って色々と教えてくれませんか?」

ハカセ
「お橋見ですね。では、行ってみますか」

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橋の概要

名称
宇多津横断歩道橋
位置
香川県綾歌郡宇多津町
構造形式
PC3経間連続吊床版橋
橋長
68.0m
架設方法
クレーン架設工法
竣工年
1991年

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~ 現地でお橋見開始! ~

ゆりりん
「わー、思ってたより大きいですねー!」
えみりん(四国)
「あれっ、よく見る歩道橋とは随分と違う気がします。
橋が水平になってないし、階段部分もあまり見ない形になってるし...」
ハカセ
「この歩道橋は日本で唯一の3径間の吊床版構造の歩道橋です」
ふたり
日本で唯一の3径間?」
ハカセ
「まずは実際に橋を渡ってみましょう」

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えみりん(四国)
「ハカセ、普段目にする歩道橋とどう違うんですか?」
ハカセ
「街中で普段目にするような道路を横断している歩道橋には鋼桁橋が多いですが、この橋はプレストレストコンクリート橋のひとつで、吊床版橋と呼ばれる形式が採用されています。吊床版橋はこれまでの橋ガールでも何度か登場してます。(#12夢吊橋#34梅の轟公園吊橋)」
ゆりりん
「どーして吊床版橋になったのですか?」
ハカセ
「このあたりは、近くの海岸線が瀬戸内海に面していて、大小の島々や瀬戸大橋を望むことができるとても景観がよい地域なんです。その海岸線と内陸側の住宅地の間を通っている道路を横断する歩道橋ということで、周囲の景観への調和が望まれました。吊床版橋は吊り構造ならではの滑らかな曲線を描き、歩行者が渡る部分はコンクリート床版だけの薄い構造になっているので、柔らかくてスレンダーな外観になるんです」
ゆりりん
「そうなんですね。他にも何か特徴があるんですか?」
ハカセ
「歩道橋が横断している道路は、車道部と歩道部をあわせた幅員がけっこう大きくて50mほどあります。3径間のうち車道部が中央径間、歩道部が側径間になっていますが、吊床版橋は薄い床版で大きな支間を渡すことができるので、歩道橋の下を通行する車、歩行者にも圧迫感を与えないすっきりとした外観になっています」

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ハカセ
「吊床版橋は河川や深い谷を渡る歩道橋に採用されることが多く、単径間の橋が一般的です。吊床版部を支える水平力は支間長の2乗に比例して大きくなるので、この歩道橋の様に3径間にすることで、同じ支間を単径間にした場合と比べて水平力を小さくでき、スレンダーな構造にできます。加えて、本橋を支持している両端の橋台に作用する水平力も小さくなるので、橋台の規模も小さくできるんですよ」

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ゆりりん
「すっきりした橋にするために3径間の吊床版構造にする必要があったんですね」
ハカセ
「これが橋台です。橋を渡るための階段にもなっています」

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ハカセ
「3径間の構造は地震のことも考えられていて、道路に隣接する中間橋脚は細くすることができるというメリットもあるんですよ」

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えみりん(四国)
「下から見ると継ぎはぎというか...、筋が入っていますが、これは?」

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ハカセ
「継ぎはぎのうち、大きい幅のほうがプレキャスト版で、四国支店に併設されているPC工場で製作されたものです。そして小さい幅のほうが、プレキャスト版間の間詰め部で、この近隣の生コンクリート工場から出荷されたコンクリートが使われています。これが施工状況の写真で、プレキャスト版を架設した後、プレキャスト版間の間詰め部コンクリートを場所打ちしている状況です」
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ゆりりん
「ところで、この歩道橋って何人くらい乗っても大丈夫なんですか?」
ハカセ
「いい質問ですね。設計上、1m²あたり350kgの重さまで耐えられるので、かなり丈夫につくられてます」
えみりん(四国)
「350kgっていうと、70kgくらいの人が5人だね。
都会の満員電車みたいなものかな? 四国でそんなに混んでいる電車は無いから分からないけど(笑)」
ハカセ
「3人で跳んだら大きな衝撃ですよね!やってみましょう」
さんにん
「せーのっ!!」

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えみりん(四国)
「ちょっとだけ揺れましたよ!」
ゆりりん
「これなら普通に歩くらいでは揺れないですね。安心しました」
えみりん(四国)
「歩道橋として道路を跨ぐだけじゃなく、歩行者に振動で不快感を与えないようにする細部までのこだわりを感じます!」
ハカセ
「では、そろそろ恒例のあれ、やりますか!」
ふたり
「そうですね!はい、ポーズ!」

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ハカセ
「いいですね~」
ゆりりん
「ハカセ、有難うございました!!」

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ハカセ
「ちょっとお橋見しながら気になっていたのですが、向こうに見える金色のビル、あれは何ですか?」
えみりん(四国)
「あれは『ゴールドタワー』ですね。高層ビルに見えますが、ガラス張りの鉄骨タワーで、当社の前身の三井建設が施工したんですよ。展望台からの景色は最高です!」
ハカセ
「ホントですか!
折角なので展望台からの景色も楽しんで帰りませんか?」
ふたり
「はい、そうしましょう!」

―つづく

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