『アルミ屋根スムーズPCタンク』を開発

― PCタンクのコストパフォーマンス向上 ―

三井住友建設(東京都新宿区荒木町13-4 社長 友保 宏)は、三井建設と住友建設の合併後の融合技術として、PCタンク向けに、「アルミニウム合金製屋根工法」と「スムーズPCタンク」を融合させた「アルミ屋根スムーズPCタンク」を開発しました。

「アルミニウム合金製屋根」は、経済的で耐久性に優れ、なおかつ軽量で、リサイクル可能な特長をもち、既に水道用・農業用のプレストレストコンクリートタンク屋根の施工実績は10基に達しています。  
「スムーズPCタンク」は、ピラスター(柱形の円周方向PC鋼材定着突起)を必要としないコンパクトな側壁埋込型のPC鋼材定着具であるXアンカー(X形定着具)と、プレストレスを効率よく与えることのできる摩擦係数の小さいPC鋼材を組み合わせることで、コスト縮減を実現した新しいタイプのPCタンクであり、その施工実績は8基に達しています。
これらの2つの工法を融合させた「アルミ屋根スムーズPCタンク」は、内径と水深の比が 1:3程度のPCタンクで、本体工事費を2,000m3で3%程度、10,000m3では10%程度低減でき、全体工期も10%以上短縮できます。またアルミ合金の高耐久性により、維持管理費も削減が可能です。

【アルミニウム合金製屋根について】
アルミニウム合金製屋根は非常に軽量であるため、鉄筋コンクリートや鋼板を用いた屋根に比べ屋根重量を大幅に軽減(円筒タンクのドーム屋根の場合、鉄筋コンクリート屋根に比べ、 1/30の重量)でき、基礎への影響を低減できるとともに、工場で部材を製作し現地では支保工を用いずに短期間で組立・架設ができます。このため、建設時のコスト縮減および工期短縮が実現できます。  
また、アルミニウム合金は、耐候性に優れ、上水道に含まれる塩素や下水道に含まれる窒素酸化物等に対する耐食性にも優れ、基本的に屋根内外面に防水や防食塗装が不要です。このため、防水・防食塗装の塗り替えなどの維持管理費の削減が可能です。 アルミニウム合金製屋根の工法は、骨組材として、高強度のアルミニウム合金を用いた特殊H形鋼、チューブ等があり、これらにアルミニウム合金製のパネルを貼り付ける構造です。

【スムーズPCタンクについて】  
従来のPCタンクでは、以下の課題がありました。
① PC鋼材を定着するピラスターのためにコンクリート、鉄筋、型枠などの材料と、施工手間を必要とする。
② PC鋼材配置が全周に亘って曲線となるため摩擦によるプレストレス力のロスが大きく、PC鋼材の能力(許容引張応力)をフルに活かすことができないため、円周方向PC鋼材が多く必要となっている。

スムーズPCタンクでは、定着具と接続具の機能を有するXアンカーと、摩擦の少ないPC鋼材を組み合わせることで、これらの問題を解決しています。

経済性
スムーズPCタンクの最大の特長は、経済性に優れていることです。従来のPCタンクと比較し、側壁工事費の1割程度をコストダウンすることが可能です。これは、Xアンカーを用いることによるピラスターの省略でコンクリート、型枠、鉄筋工の工費が削減されることと、低摩擦PC鋼材の採用によるPC鋼材量の減少によるものです。
施工性
従来のPCタンクでは、ピラスターまわりの施工が煩雑でしたが、定着部付近の補強筋も少ないため、施工性が良好です。また、プレグラウトPC鋼材はポリエチレンシースの中に、一定期間の経過後に硬化するエポキシ樹脂が充填されているため、グラウトが不要です。
合理性
スムーズPCタンクでは、従来のPC鋼材と比較してPC鋼材とシースとの摩擦係数が小さい鋼材を使用しています。したがって、円周方向のプレストレスが均一に近くなり、合理的なPCシェル構造を実現することができます。

【今後の展望】
当社は、本工法を、技術面における統合効果を発揮した、営業戦略の中核となる有望商品と 位置づけ、今後のPCタンク施工案件に対し、積極的に営業展開していく方針です。


アルミ屋根スムーズPCタンクのイメージ (1)

アルミ屋根スムーズPCタンクのイメージ (2)

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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