東京都下水道工事を[JUC工法]で施工-分岐・接合トンネルの施工が安全かつ容易に -

三井住友建設株式会社(本社:東京都新宿区、社長:友保 宏)は、シールドトンネル内から安全かつ容易に分岐・接合トンネルの施工を可能にする『JUC工法』(Joints in Underground Conveniently)を、下水道トンネル工事で初めて施工しました。本シールドは昨年9月に発進し、急曲線部(R=15m)に位置する合流部の特殊セグメントを本年1月に組立を完了し、施工性、組立精度とも一般部で使用している標準鋼製セグメントと同等であることを確認しました。

東京都下水道局発注の「杉並区堀ノ内一、二丁目付近枝線工事」は、流域面積約110haの雨水を大深度地下雨水貯留管(和田弥生幹線φ8,500mm、総貯留量約120,000t)に収容するために、φ2,400mm、延長約990mの下水道管渠を泥水加圧式シールドにより施工するもので、発進から約440m地点にφ1,350mmの別の枝線合流の計画があります。しかしながら、地上部は道路幅員
が約5mの狭隘な住宅地区内の生活道路の交差点となっており、しかも、埋設物がふくそう輻輳(四方八方八方から1箇所に集中している)ため、立坑を必要としない技術として『JUC工法』が採用されました。また、分岐部は半径15mの急曲線区間に位置していましたが、特殊セグメントを曲線用セグメントとしても製作できるというJUC工法の特長を活かし、分岐位置を変更することなく施工を完了しました。

急曲線部においても、特殊セグメントの組立(3m区間、計10リング)は施工性、組立精度とも一般部で使用している標準鋼製セグメントと同等であることを確認できたことは、分岐位置が地上条件あるいは線形に左右されずに設定できるJUC工法の特長を裏付けるものといえます。
なお、分岐箇所からの枝線用シールドの発進は平成16年秋頃に施工予定です。


【JUC工法の概要】

『JUC工法』は、分岐・接合により開口となる部分がシールド機で直接切削可能であるとともに、開口時に必要となる補強材を事前に組み込んだ専用特殊セグメントを使用することで、本線シールド施工を止めることなく、また、地上を占有する立坑や分岐部防護のための大規模な地盤改良を必要としないトンネルの分岐・接合工法です。
特殊セグメントは一般の標準セグメントと同様で、一次覆工施工時にシールドテール内でエレクターにより組立てを行うことができます。また、分岐・接合トンネルの施工時には、必要な開口補強が既に完了しているため、坑口工(エントランスシール等)を設置して内面補助鋼板を撤去するだけの簡単な準備作業でシールド機の発進・到達が可能になります。


【JUC工法の特長】
①分岐・接合用立坑が不要
非開削で分岐・接合の施工を行えるため、シールドトンネルの分岐・接合作業を目的とした発進・到達立坑を必要としません。そのため、地表部の開削や地下埋設物の切廻しなどが不要で、地上環境への影響が無くなります。

②工期短縮
シールドトンネル分岐部に必要な開口補強が一次覆工施工時に完了しているため、シールド機の到達はいつでも可能であり、分岐シールドを発進する場合でも1ヶ月程度で行うことができます。また、立坑が不要であるため地下埋設物や地上施設の移設・切廻しに関わる時間が縮減されます。

③コスト縮減
一般的な分岐・接合工法に比べ、立坑が不要になるため、コスト縮減効果は大深度になるほど大きくなります。また、開口補強やセグメント解体が不要であるとともに、地盤改良を省略または削減できるため、立坑を設け地盤改良を行い施工する場合と当工事を比較すると工費が約
2%縮減できます。

④急曲線部からの分岐が可能
特殊セグメントは、曲線用テーパーセグメントとしての製作が可能です。本工事では半径15mの急曲線部分に設置しました。急曲線部においてもトンネルの分岐・接合が可能です。

⑤安全確実な施工
特殊セグメントは必要な補強材が当初から設置されているうえ、セグメントをシールドマシンで直接切削することができるため、地山の開放が無く安全に施工ができます。なお、地質条件や施工条件によっては、止水注入や地盤強化を目的とした補助工法を併用することで、大深度・高水圧下でも安全確実な施工が可能となります。


【開発経緯】

三井住友建設株式会社と石川島建材工業株式会社(本社:東京都千代田区1-12-1、社長:藤本 幸男、TEL03-5221-7211)は、平成13年より本工法の開発に取り組み、マシンで切削する開口部の新素材を各種実験により選定し、特殊セグメントの構造検討および性能確認を行いました。
今回の下水道工事への適用に際しては、通常のセグメントと同様の管理試験(単体曲げ試験、ジャッキ推力試験他)に加え、軸力を導入しての単体曲げ試験や新素材と鋼製セグメントとの接続部曲げ試験および新素材の強度試験、切削性確認試験などを実施し、適用性を確認しました。


【今後の展開】

下水道の再構築や都市再生事業に伴い、枝分かれするトンネルや各種地下施設にトンネルを接続する需要は、今後、増加するものと思われます。
当社は、今回の施工実績をもとに施工性や経済性をさらに向上させ、非開削でのトンネル分岐・接合工事に対して積極的にJUC工法を提案して行きます。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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