「青雲橋」がfib (国際コンクリート連合) の最優秀賞受賞

― 日本の橋梁として初めての最優秀賞 ―

三井住友建設株式会社(東京都新宿区西新宿7-5-25 社長 宮田 博之)が施工し2004年12月に完成した徳島県山城町の「青雲橋」が、世界的に優れたコンクリート構造物に授与されるfib賞の最優秀賞受賞が決定しました。授賞式は本年6月、イタリアで開催されるfibコングレスにおいておこなわれます。

fib(国際コンクリート連合/federation internationale du beton)はコンクリート及びコンクリート構造において世界で最も権威のある団体であり、4年に一度開催されるコングレスの時期に合わせて賞の選考を行っています。日本のコンクリート橋としては、佳作にあたるSpecial Mentionというカテゴリーでこれまで4橋が受賞しており、うち3橋(※1)が当社施工作品ですが、最優秀賞受賞は日本初となります。また青雲橋は、2005年5月、土木学会田中賞並びにプレストレストコンクリート技術協会賞を受賞しており、今回の受賞と合わせて、まさに日本の橋梁技術が世界のトップレベルにあることを内外に示すことになりました。

青雲橋は、PC吊床版を利用して架設される「自碇(じてい)式PC複合トラス橋」(※2)という曲弦トラス橋の一種で、このタイプの橋梁としては最大規模であり、車道橋としては世界初となります。架設地点が急峻な渓谷沿いに位置し、大型重機の設置が困難な地形条件であったため、支保工や橋脚を設置する必要がないこの斬新な工法が選定されました。そして、渓谷の自然を損なうことなく架設できるこの橋梁形式は、山間に住まう人々の生活を潤すこれからのモデルとして期待されています。

現在当社では、この考えを発展させた「二重張弦桁橋」を開発し、群馬県で施工中です。単径間で架設する場合、桁橋などに比べて経済性に優れ、また景観的にも美しい曲弦トラス橋の普及を今後も図っていく予定です。

橋名 青雲橋
工事名 平成15年度施工 過疎対策町道整備事業 川口中学校線橋梁架設工事
発注者 徳島県山城町
設計者 株式会社エイトコンサルタント
位置 徳島県三好郡山城町大川持
道路規格 第3種 第5級
形式 自碇式PC複合トラス橋
荷重 A活荷重
橋長 97.0m(支間93.8m 設計吊支間90.0m)
総幅員 6.3m(有効幅員5.0m)

 

※1

橋名所在地形式受賞年
別府明礬橋 大分県 RCアーチ橋 1990
亀甲橋 三重県 三方向分岐直路式吊床版橋 1994
小田原ブルーウェイブリッジ 神奈川県 エクストラドーズド橋 1998

 

PC複合トラス橋とは ※2

路面となるコンクリート上床版、曲線を描く下床版、および鋼斜材からなるトラス橋で、吊床版 懸垂架設工法を応用して建設します。PC複合トラス橋は、荷重載荷により下床版に生じる引張力が、橋体の端部から上床版に伝達される自碇(じてい)構造の橋です。 

 

PC複合トラス橋の特徴

  • 幅が60m~100mの渓谷などに、道路橋を単径間で架橋する必要がある場合、桁橋などに比べて経済的です。
  • 支保工を使用せず、張り渡したPC鋼材を利用して懸垂架設するため、深い渓谷でも建設できます。
  • 架設速度が速く、夏場だけでも架設を完了させることができることから、とくに積雪寒冷地で有利です。
  • 自碇構造であることから、架設地点の地盤条件に左右されずに建設できます。
  • 橋体が小さな部材で構成されているため、架橋地点や搬入路が狭くても建設できます。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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