高品質化への取り組みを本格始動

― 高品質な「三井住友建設ブランド」確立に向けて、「橋梁高品質化委員会」を立ち上げ ―

三井住友建設株式会社(東京都新宿区西新宿7-5-25 社長 五十嵐 久也)は、「施工プロセスの最重視」という社長方針をさらに具現化するため、当社のつよみである橋梁におけるより一層の品質向上を目的とし、「橋梁高品質化委員会」をこのたび立ち上げました。本委員会は、社外有識者を特別アドバイザーとして招聘することによってより有効性を高めるとともに、建設会社としての独善性を排除し、企業活動によって広く社会に貢献するという本来の企業目的を確固なものとする所存です。

ものづくりへの社会的な不信が大きく広がる現在において、インフラストラクチャの整備に直接関わる建設会社にも、例外なく大きな責任が課せられています。当社は、計画・準備段階から竣工・納品までのプロセスを最重視する、つまり、単に完成品を納めるのではなく誠心誠意のプロセスをお納めするという社長方針に基づき、これまでも高品質化に取り組んでまいりました。しかし、要求された品質を満たすことにとどまらず、一歩先んじた高品質化を実現することによってこそ顧客優位の思想と「三井住友建設ブランド」が確立されるとの信念に基づき、ここに本委員会を始動いたしました。

■概要

三井住友建設株式会社は、橋梁の高品質化を目的とする橋梁高品質化委員会(委員長:則久副社長)を立ち上げ、高品質化に向けての具体策について諸検討を進めています。1月21日に開催した第3回橋梁高品質化委員会には、横浜国立大学の池田尚治名誉教授ならびに京都大学工学部の河野広隆教授を特別アドバイザーとしてお迎えし、社外有識者としての立場で、橋梁高品質化に対する貴重なご意見をお伺いしました。ご両名には、今後も引き続きご指導いただく予定です。

■背景

当社の特化技術である橋梁は、日本へのプレストレストコンクリート技術の導入と同じく、半世紀にわたって培われてきた技術です。この間に様々な技術の進歩がありましたが、団塊の世代の退職にともなう技術の伝承問題、現場における作業員の技能の伝承問題、建築の耐震偽装に対する厳しい批判、そして、海外落橋事故や国内のトラス橋の部材破断事例などにより、橋梁の品質と耐久性に対する社会的な関心が高まっています。

このような状況のもと、国土交通省では有識者会議が設置され、道路橋の予防保全に向け、対策が検討されています。また、次期の道路橋示方書の改訂では、橋の設計供用期間100年の間に求められる
要求性能を明確にする性能設計の概念が大幅に取り入れられる見通しです。

■当社の取り組み

当社ではこういった橋梁を取り巻く環境の変化に対応して、設計、施工のみならず、維持管理までの橋の一生を見据えた、品質や性能および機能に関する技術の高度化を目指す委員会を設置しました。これは、高品質インフラ整備の一翼を担う企業としての姿勢を、社員及び社会へ明確に発信するものです。

■委員会の目的と活動

架設年次ごとの橋の寿命は、規準の改訂や技術の進歩によりその平均値は延びていますが、橋の架設地点の環境や交通量、施工などにより寿命自体はかなりのばらつきがあります。委員会名である「高品質化」とは、(1)設計、施工によるばらつきをできる限り少なくする技術、(2)既設橋を含めた寿命の平均値を上げるための新技術、など橋の機能の高度化までを含んだ技術として定義しています。

したがって、本委員会では、

・次期示方書の標準となる見通しの100年橋梁を確実に構築する技術を蓄積すること
・200年橋梁までのさらなる高品質化技術を開発すること
・橋の一生を見渡した維持管理技術を開発していくこと
を目的としています。

具体的には、橋の品質、性能を決定する要素である材料、設計、施工、維持管理の各々のプロセスにおいて高品質化を図る技術を検討し、必要なものは技術開発を行います。また、竣工後となる維持管理については、アセットマネジメントをサポートする技術が中心になります。さらに、今まで自主的におこなってきた橋梁調査の位置づけを社内制度化して明確にするとともに、橋の一生を対象とした三井住友建設独自の橋梁高品質化システムを構築します。

■今後の展開

当社は、本委員会活動の成果を逐次業務に反映させ高品質化に努めるとともに、高品質な「三井住友建設ブランド」の確立に継続的に注力することによって、これからも社会へ貢献してまいりたいと考えています。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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