環境配慮型中高層マンションのプロトタイプ 快適できれいでエコロジーなすまい「スキットエコ1500」を開発

■概 要

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃2-1-6 社長 則久 芳行)は、昨年9月より提案を開始しております新しい板状集合住宅システム「SuKKiT(スキット)※1」シリーズ(以降「SuKKiT」)の3方向扁平梁構法「トリプルフラットビーム」に、当社の経営理念から導かれる「環境共創プラットフォーム(E-Comfort Platform)」※2」の概念をプラス。高耐久、長寿命、更新容易性など建物の基本性能を備えた構造体としてのプラットフォーム(土台)に、太陽光発電システム(PV)をはじめとした様々なエコ要素をモジュールとして組み込んだ環境配慮型マンションのプロトタイプ「スキットエコ1500」を開発。14階程度までの中高層マンションをターゲットにし、「省エネ・新エネ活用」「快適環境」「生態系保全」「再生循環」に対応したエコ要素と、「利便性」「防災・安全性」に関連した生活モジュールを標準装備したプロトタイプを施工コスト戸当たり1500万円※3でご提供すべく提案を開始します。

※1 「SuKKiT」は「すまい(Sumai) 快適(Kaiteki) きれい(Kirei) テクノロジー(Technology)」をコンセプトとした造語。商標登録出願中。

※2「環境共創プラットフォーム(別名E-Comfort)」は、環境(Environment)、エコロジー(Ecology)、地球(Earth)の"E"と、快適性(Comfort)を組み合わせたもので、当社の経営理念から導かれる環境商品の根幹(プラットフォーム)をなす概念です。

■開発の背景

2009年9月に開催された国連気候変動首脳級会合において、鳩山首相が2020年の日本の温室効果ガス排出量について1990年比で25%削減を目指すことを表明しました。現在のわが国の温室効果ガス排出量は、京都議定書における基準年比を依然上回っている状況であり、とくに家庭におけるCO2排出量は、産業部門がほぼ横ばいで推移しているのに対し増加傾向にあることから、国の環境政策としてエコポイント制度が導入されグリーン家電の普及促進をはかるとともに、平成21年12月には住宅版エコポイント制度が創設され、低炭素社会に向けた取組みが始められています。

一方、マンション市場においても、環境に関する関心が高まるなかエコの観点で工夫を凝らした商品が増える傾向にあり、マンション環境性能表示の定着により環境性能を示したラベル情報をもとに環境に配慮したマンションを選びやすくなるなど、エンドユーザーのマンション選びの判断にも住まいの快適性だけではなく環境性能が意識されるようになってきています。

外観イメージパース
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■スキットエコ1500」のコンセプト

こうしたニーズを踏まえ、「SuKKiT」シリーズの3方向扁平梁構法「トリプルフラットビーム」を構造体としてのプラットフォームとし、これに「環境共創プラットフォーム(別名E-Comfort)」の概念に基づいて環境要素を組み入れた環境配慮型マンションのプロトタイプ ~快適できれいでエコロジーなすまい「スキットエコ1500」~ を開発しました。

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■スキットエコ1500」の構造フレーム

「スキットエコ1500」は「SuKKiT」シリーズの3方向扁平梁構法「トリプルフラットビーム」を採用しています。構造フレームは連層耐震壁付きラーメン構造とし、主開口側と両妻側の三方向を扁平梁として高さ2.2mのハイサッシを確保し、すまいの快適性を高めると同時に、外部廊下側には開口部下に「パワーアシストウォール」を配置することにより、バルコニー側と外部廊下側の荷重負担を合理的なバランスに調整しています。

住戸内部は、将来的なリフォームがしやすい様に、仕上げ床と構造床とを分けて、間仕切り壁よりも仕上げ床を先行して施工する工法を採用。また床スラブをフラットにすることで施工性を高め、建設時の無足場化や将来的な大規模改修を考慮して全周にバルコニーなどの跳ね出し床を配しています。
(参考例は地上14階、住戸数125戸、平均住戸規模約68㎡、9戸/フロアの構成です。)

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■「スキットエコ1500」に標準装備されるエコアイテム

「スキットエコ1500」はエンドユーザーの立場でのエコライフをイメージし、「手軽でかんたん」・「みんなで協力・共有」・「みんなで楽しみ育てる」・「いつまでも大切に使う」の視点で標準装備するエコ要素を選定しています。

1 「手軽でかんたんなエコ」としては、「エネルギー使用量表示機能付きリモコン」によるエネルギー消費の見える化、「節水型トイレ」、「節水型シャワーヘッド」、「水栓節水コマ」による節水、「潜熱回収型高効率ガス給湯器」による高効率給湯、「Low-Eペアガラス」、「保温浴槽」などが住戸専有部に装備されています。

2・3 「みんなで協力・共有してエコ」・「みんなで楽しみ育てるエコ」としては、「太陽光発電パネル」を屋上に設置し一括受配電サービスによる電力供給、「カーシェアリング」による車の共有化によるオープンスペースの確保、「防災備蓄倉庫」、電気自動車やレンタサイクル対応した「充電ステーション」、ヒートアイランド対策としての「屋上緑化」「保水性舗装材」、「コミュニティ菜園」による住民の交流、「雨水貯留による菜園の灌水利用」「共用部LED照明」などが外構、建物屋上、共用部に装備されています。

4 「いつまでも大切に使うエコ」としては、構造体の耐久性「劣化対策等級3※4」、耐震性を考慮した「パワーアシストウォール」、将来的な間取り可変性を考慮した「床先行工法※5」、耐久性を考慮した「給水ステンレス配管」など将来的に建物の資産価値を高めていく仕様が装備されています。
その他、さまざまなエコ商品の要望にお応えできるよう、「環境共創プラットフォーム」に組み込むエコアイテムのオプションメニューも用意されています。

※3 施工コスト戸当たり1500万円の条件
・敷地条件:東京都23区立地、敷地高低差なし、工期19ヶ月
・構造:RC造(SuKKiT 3方向扁平梁構法「トリプルフラットビーム」)、杭長GL-30m
・建物形状:9戸/フロアの単純板状、外部廊下形式、ELV棟内配置、セットバックなし
・建物及び住戸規模:地上14階(地下なし)、住戸数125戸、平均住戸規模約68㎡
・階高設定:2980mm、居室天井高さ2460mm、ハイサッシ2200mm
・内装グレード:別紙当社スキットエコ1500オリジナル仕様
 ・共用スペース:エントランスホール、防災倉庫、駐車場は屋外平面駐、駐輪場は平面ラック式
・エコアイテム:別紙当社基本仕様(A)を見込む
なお、「スキットエコ1500」は、相当数のエコアイテムを標準装備し、現状でもっともローコストで実現可能にしたプロトタイプの象徴的な名称です。

※4 日本住宅性能表示基準の性能表示項目10分野のうちの一つで、劣化を軽減する対策の程度を評価して等級で表示します。劣化対策等級3は「通常想定される自然条件及び維持管理の条件の下で3世代(おおむね75~90年)まで、構造躯体等に大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するため必要な対策が講じられている」対策の程度を表し、劣化の軽減に関する基準において「劣化対策等級3」は最高の等級です。

※5 床先行工法はマンションの内装工事において、フローリング床仕上げを施工した後に間仕切壁を建て込む工法で、床下地の施工前に壁を建て込む従来の壁先行工法に比べて、間仕切りの撤去などが容易で、リフォーム時に短工期、廃棄物削減のメリットがあります。

■今後の展開

環境配慮型マンションのプロトタイプ「スキットエコ1500」は家庭における温室効果ガスの削減や低炭素社会への転換を背景に、マンション市場やエンドユーザーの環境ニーズの高まりに対して、三井住友建設の経営理念から導かれる「環境共創プラットフォーム(別名E-Comfort)」を用いて開発した環境商品ラインナップのひとつです。今後も三井住友建設ブランドのマンションとして、地球にやさしい建物の開発・提案を続けてまいります。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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