地震に粘り強い集合住宅 "SuKKiT Noah(スキットノア)" を開発

― 地震後もライフライン復旧まで住み続けられ、大規模な補修を要しない超震構造マンション―

■ 概要

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 則久 芳行)は、震度5強程度の地震後も、ライフライン復旧までの1週間程度住み続けられ、また大規模な補修を要しない超震構造※1マンション"SuKKiT Noah (スキットノア)"※2を開発しました。

"SuKKiT Noah"は、 15階程度までのファミリー世帯向けマンションを主なターゲットとし、当社保有技術であるSuKKiTをベースに、耐震性能の向上や住棟1階での駐車場計画など、平常時にはだれもがこれまでより使い易く、そして万が一の非常時にもその効果を発揮するユニバーサルデザインの設計システムです。

※1 商標登録出願中。

※2 商標登録出願中。"SuKKiT"は"すまい(Sumai) 快適(Kaiteki) きれい(Kirei) テクノロジー(Technology)" をコンセプトとした造語です。

SuKKiT Noah 外観イメージパース
SuKKiT Noah 外観イメージパース

■ 開発の背景

3月11日に発生した東日本大震災では、東京都心はじめ首都圏でも震度5弱から5強の地震が観測され、一部の地域では液状化による地盤沈下やインフラ損壊、交通機関のマヒなど大きく混乱したことは記憶に新しいところです。

住宅系の建築に目を向けてみると、杭基礎ではない小規模の建物の傾きや浮き、内外装仕上げ材の損傷、設備機器の不具合やピット式機械駐車場が使えなくなるなど住民の生活に支障をきたす状況が多く発生しました。しかし耐震設計された一定規模以上の中高層マンションは、構造躯体にはほとんど損傷が見られませんでした。

当社はこれらの点に着目し、建築の仕上げや設備の地震に対するレベルを構造躯体と同程度まで引き上げ、躯体・仕上げ・設備が三位一体で機能することで、平常時はこれまで以上に使い易く、万が一の地震後もライフライン復旧を待つ間(1週間程度)住み続けられ、また大規模な補修を要しないマンションを目指して"SuKKiT Noah"の開発に取り組んできました。

■ "SuKKiT Noah (スキットノア)"の構成

【1】マンション1階を駐車場として住戸階は2階以上に設定

"SuKKiT Noah"ではマンションの1階を自走式駐車場として、平常時には雨に濡れずに乗降や荷物の出し入れができ、だれにでも使い易いユニバーサルデザインを採り入れています。マンションの階数に応じて駐車方式を平置き式から機械式まで選択することで、住戸数の6割程度の駐車台数を確保します。杭に支えられた住棟地下ピット躯体は、震度5強の地震後も沈下や変形の恐れがないため、ライフライン切断時も車の出し入れが可能です。駐車場を1階に設定し2階以上を住宅階とすることで、通常時の住戸セキュリティを高めるとともに、突然の水位上昇による冠水に対する安全性を向上させています。

また、外部に駐車場が配置されないため、敷地内にはこれまでにない広い空地を確保することが可能であり、その空地は普段は大規模で緑豊かなコミュニティスペースとして住民に開放されますが、緊急時には周辺住民を含めた避難防災広場として活用できます。

配置図・1階計画図の例
配置図・1階計画図の例

【2】 パワーアシストウォール®の設置による耐震性能の向上

2階以上の住戸階には廊下側にパワーアシストウォール®を設置します。パワーアシストウォール®は柱梁の躯体接合部に腰壁状に設置される新しい構造躯体で、建物の耐震性能を約25%向上させ、国土交通省の定める品確法 ※3の住宅性能表示で耐震等級2とすることができます。

※3 住宅の品質確保の促進等に関する法律

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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