マンション建築向け"プライベートウィンドウ"を開発

― 採光・換気性能を満足させながら、共用廊下からのプライバシーを確保 ―

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 則久 芳行)は、マンション居室の採光や換気性能を満足させながら、共用廊下からのプライバシーを確保する "プライベートウィンドウ" を開発しました。

"プライベートウィンドウ"は、弊社の独自構法SuKKiT(スキット)シリーズ※1を用いて階高を抑えた計画等においても、共用廊下側大梁を扁平梁(フラットビーム)とすることで玄関周りの開放感を保ち、かつ廊下側居室の採光・換気とプライバシーを確保する窓システムです。

今後は、首都圏を中心とした全国のマンション開発案件に、現在展開中のSuKKiTシリーズと組み合わせて、これまでより使い勝手が良くデザイン性に優れた居住空間の提案を進めていく計画です。

注) "プライベートウィンドウ"は特許出願中です。

図-1 プライベートウィンドウのイメージ
図-1 プライベートウィンドウのイメージ

■ 背景

板状片廊下形式のマンションは、各居室の採光と換気が十分に確保でき、使いやすい間取りと効率的な住戸配置が可能なため、日本では最も多く用いられています。

しかし共用廊下に面した居室では窓のすぐ外側を他のマンション関係者が歩行するため、ガラス越しに居室内の様子が窺えたり、窓を開けた時に外部側から居室内を見通せたりする場合があり、日中でもブラインドやカーテンを下したりせざるを得ない状況が散見されます。また、共用廊下と住戸玄関との間に構造躯体である大梁が設置されていることが多いため、階高を抑えたマンションでは大梁をくぐって住戸に入るような圧迫感や、玄関扉の高さが大梁寸法によって制限されるなどの課題もありました。

そこで当社では、構造躯体を含めた共用廊下側壁面の構成要素を再検討することにより、より使い勝手が良くデザイン性に優れた居住空間を実現する "プライベートウィンドウ"の開発に取り組んできたものです。

■ プライベートウィンドウの特徴

[1] 共用廊下からの視線をカットし、プライバシー性を向上

プライベートウィンドウでは、廊下側居室の窓を足元に設置する、いわゆる「地窓」形式としています。また窓上部の外部側には、花台を兼ねた"バイザー"を設置しています。これにより、在室時に換気のために窓を開けていても、共用廊下を歩く人の視線を効果的に遮ることが可能で、これまでより格段に落ち着きがあり過ごしやすい空間づくりが可能になります。

[2] パワーアシストウォールにより共用廊下側大梁を扁平梁に

プライベートウィンドウ上部の外壁は"パワーアシストウォール"として、構造躯体として利用しています。これにより共用廊下側の大梁を扁平梁にすることが可能となり、階高を低く抑えた計画においても玄関ポーチの天井高さを高くして圧迫感を和らげ、玄関ドアの高さを確保することができる等の効果が期待できます。
室内側では、プライベートウィンドウ上部はフラットな壁面となっていますので、エアコンを設置する・家具を固定する・絵や写真を飾るなど自由な活用が可能で、居室の使い勝手が格段に向上します。


図-2 プライベートウィンドウ採用住戸の参考平面図 (7階建て程度の場合)

[3] SuKKiTと組み合わせて梁型の出ないマンションを実現

プライベートウィンドウは当社独自の新構法"SuKKiT"と組み合わせることで、住戸内に梁型の出ないマンションを実現します。例えばバルコニー側にも扁平梁を用いてハイサッシに、住戸境は梁内蔵耐震壁で天井までフラットな壁面を、妻側外壁にはスリットレスウォール※2を用いることで窓を設置しながら間柱や梁の無い耐震壁とすることが可能です。


図-3 プライベートウィンドウ採用住戸の参考断面図 (7階建て程度の場合)

■ 今後の展開

"プライベートウィンドウ"は、現在展開中のSuKKiTシリーズと組み合わせることで、より使い勝手が良くデザイン性に優れたマンションづくりが可能になり、これまで以上にユーザーニーズに沿ったマンション開発を実現可能な商品です。

今後もこのような提案を通じて、より一層のマンションの価値向上に寄与すべく、安全・安心・快適な住まいの創造を、当社は目指していきます。

※1 SuKKiTシリーズ:開放感や自由度などの付加価値を持つ住空間を実現する中高層マンション向けの新構法。多数のバリエーションで様々なマンション計画に適応可能。

※2 スリットレスウォール:サッシ開口を確保しながら住棟妻側の外壁を耐震壁化する技術。構造スリットや間柱、梁が不要になり、有効空間拡大や工期、コストの低減に効果がある。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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