太陽光発電ファサードデザインへの独自の取り組みを開始

―"意匠性と創エネの調和" "新技術と創エネの調和" を目指して―

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃2-1-6 社長 則久芳行)は、創エネルギー技術の更なる普及期に備え、曲面加工が可能なフレキシブル太陽電池を外壁面に用いた独自のファサードデザインに取り組み、自社施設への設置と運用を開始しました。

■背景

エネルギー資源の乏しい我が国において、再生可能エネルギーを用いた創エネルギーの普及が欠かせません。 実現が急がれる"建築物のZEB化"においても、省エネ技術や節エネ行動とともに、創エネが非常に重要となります。私たちは、屋上設置の太陽光発電のみではZEBの実現は困難との試算結果に基づき、壁面を対象とした創エネと、建物の顔ともなるファサードデザインとの調和に取り組むことにいたしました。
また今後、化学系素材メーカーを中心とした研究開発により、薄型・フレキシブルな有機系太陽電池の普及が見込まれています。私たちは、印刷技術を利用して電子回路、デバイス等を形成する"プリンテッドエレクトロニクス技術"の進歩により、簡易かつ低コストで、曲面加工が可能な建材一体型太陽光発電が近い将来に実現すると予期し、普及期に備えた建築物への適用性検討を先行実施するに至りました。

■独自のファサードデザインへの取り組み

ファサードデザインの検討にあたっては、当社 技術開発センター(千葉県流山市)本館外壁面の一部(幅5.0m×高さ12.0m 約60.0m2)を対象に社内デザインコンペを実施しました。 フィルム型のアモルファスシリコン薄膜太陽電池(幅594mm×長さ2,652mm、公称最大出力69W)を用い、「都市の景観に溶け込む心地よいファサード」をデザイン要件と定めて公募した社内コンペには10チームからのアイデア応募があり、社内における環境(技術)への関心を高めることにも繋がりました。 審査により採用したデザインは、2種類の建材一体型太陽電池モジュール(straight/air)と、壁面緑化モジュール(green)で構成しており、組合せ自由な3つのモジュールがファサードデザインの可能性を広げ、"意匠性と省エネの調和"を実現しています。
また、試作・設置の過程では "新技術と省エネの調和" に努め、プリンテッドエレクトロニクスの実用化に伴い可能となるモジュール形態を想定し、施工方法・固定方法・配線方法等に関わる課題を先行検討しノウハウを蓄積しています。

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■今後の展開

平成25年度には、同規模の外壁面(3面)におけるファサードデザイン検討と、近い将来に実用化が見込まれているその他の太陽電池の適用性検討、および試験施工を実施する予定です。
当社は今後も、壁面における太陽光発電をはじめとした創エネの普及に備え、"意匠性と創エネの調和"と"新技術と創エネの調和" を目指した活動に取り組んでまいります。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

 

[参考]

「ファサードデザイン」
 ファサード(façade[仏]:建物の正面をなす外観)のデザイン。
 外装デザイン。外観デザイン。

「ZEB」
 Zero Energy Buildingの略。
 省エネ性能の向上や、再生可能エネルギーの活用等により、消費する年間の一次エネルギーを正味でゼロ(または概ねゼロ)とする建築物。

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