ホタルの舞う里山保全に貢献、長岡京市より表彰うける

― ホタルを育てるための専用水路を整備した西山トンネル工事、自然環境保全に貢献 ―

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 則久 芳行)は、京都第二外環状道路西山トンネル奥海印寺工区工事における自然環境保全への貢献に対して、長岡京市より表彰されました。

本トンネルの工事では、トンネル掘削で発生するトンネルずり(掘削土)で盛土造成を行い、長岡京市公園として整備する工事が含まれていました。この整備予定場所付近には、1984年に結成された「長岡京市ゲンジボタルを育てる会」がホタルの幼虫の餌となる「カワニナ」を毎年育てていた養殖池がありましたが、当初計画では養殖池が無くなる予定でした。そのため、まず工事期間中の3年間ホタルの餌となるカワニナを移設、飼育しました。その後工事が終わった公園内に小泉川から水を引き込み、ホタルを育てるための専用水路と養殖地を整備して、ホタルの舞う里山の復元に取り組みました。

これらの行為が環境保全の推進に貢献していることで、長岡京市より表彰していただきました。

写真-1 ホタル飼育専用水路
写真-1 ホタル飼育専用水路

■経緯

京都第二外環状道路は小泉川沿いに建設されるため、河川改修工事も同時に施工されます。6月になると小泉川には多くのゲンジボタルが見られ、ホタルの餌となるカワニナが生息しています。事業主である国交省は河川改修に先立ちカワニナを捕獲、西山トンネル坑口前の公園用地内に飼育池を設けて仮移設しました。三井住友建設では、工事期間中トンネルで発生する汚濁水を濁水処理施設で浄化してから河川に放流し環境負荷を与えないよう水質測定、監視を継続的に実施すること、カワニナ仮移設池では3年間の飼育管理、トンネル坑口前はホタルが産卵、生育する環境に整備するとともに、餌となるカワニナを育てる水路を作ることを開始しました。

■ホタルを育てるための環境保全の取り組み

現場内のカワニナ仮移設池の周辺草刈りや水量水質管理、地元農家の方にいただいたカワニナの餌やり(ジャガイモやナス)など行いました。3年間の管理の甲斐があり盛土施工前に「カワニナ捕獲大作戦」と銘打ち、7万匹に増えたカワニナを捕獲し小泉川に放流しました。また、長岡京市と奥海印寺ゲンジボタルを育てる会主催の毎年6月中旬に開催される「ホタル観賞の夕べ」に積極的に参加しました。

盛土完了後の公園用地内にビオトープを設置し、トンネルから出てきた自然石を使ったホタルを育てるための専用水路を作って、カワニナ養殖とホタルの育成場所として長岡京市に贈呈しました。

写真-2 仮移設池でのカワニナ捕獲大作戦
写真-2 仮移設池でのカワニナ捕獲大作戦

■ 西山トンネル奥海印寺工区工事の概要

本プロジェクトは、2013年4月開通した京都第二外環状道路の長岡京市奥海印寺地区に位置するトンネル上下線2本の高速道路トンネルです。

  •  工事名: 京都第二外環状道路西山トンネル奥海印寺工区工事
  •  発注者: 国土交通省近畿地方整備局
  •  工事場所: 京都府長岡京市奥海印寺
  •  工 期: 平成22年2月26日から平成25年6月30日
  •  工事内容: 工事延長 L=2,092m(道路改良区間350m、トンネル区間約1,490m)
          トンネル延長 上り線L=1,470m 下り線L=1,507m
          NATM発破掘削方式(坑口部DⅢa区間機械掘削)
          府道切替え工事一式
          長岡京市公園用地造成工事一式

写真 3 西山トンネル
写真-3 西山トンネル

■ 今後の展開

本プロジェクト竣工後、長岡京市公園整備事業が実施され、今回のビオトープが市民の集う公園にゲンジボタルの舞う里山の風景を復元されることになりました。

三井住友建設株式会社は、こうした環境再生の意志と実現に向けての行動を積極的に表明し実行していくことで、生物多様性、豊かな自然環境の保全に貢献していく方針です。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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