自立型地盤災害監視局GENESIS/FPSを実用化 ~発蓄電量モニタリングと遠隔消費電力制御による災害監視の効率運用が可能に~

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃2-1-6 社長 則久 芳行)は、発電・蓄電機能、消費電力制御機能、通信機能等を統合し、遠隔地での防災監視等を自立して運用できる防災監視局"ジェネシスFPS(GENESIS/Field Power Station)"を、神戸大学芥川真一教授(神戸市灘区六甲台町一丁目 学長 福田 秀樹)、株式会社ケー・エフ・シー(〒530-0047 大阪市北区西天満3丁目2番17号 社長 髙田 俊太)、株式会社オサシ・テクノス(〒780-0945 高知県高知市本宮町65番地3 社長 矢野 真妃)と共同で開発し、その有効性を実証いたしました。

"ジェネシスFPS(GENESIS/Field Power Station)"は、太陽光パネルと蓄電池による冗長的な電源供給機能、パケット通信機能、ならびに発電・蓄電モニタリング回路を統合し、測定機器への電源供給と、測定データ転送と測定制御の双方向通信を可能にした災害監視基地局です。

すでに、トンネル坑口法面の地盤変位・地下水計測、造成工事での気象観測、煙突解体時挙動監視等の地盤災害監視、施工安全管理に大きな効果を挙げています。また、1年以上の安定した連続運用も実証されています。

なお、同研究開発は、一般財団法人日本建設情報総合センター平成22年度研究助成事業「自立型防災監視システムの開発に関する研究(第2010-06号)」の成果の一環です。

※ジェネシス(GENESIS:Geo-Engineering Network Sensors and Intelligent synthesis)は三井住友建設が提唱するIT技術を活用した地盤モニタリング統合システムです。

 

斜面監視のためのジェネシスFPS設置例
斜面監視のためのジェネシスFPS設置例

■ 技術開発の背景

峻険な地形の多いわが国の山間部や沿岸部では、各地で地すべりや崩壊等の地盤災害が懸念され、高密度・高頻度な災害監視網構築が望まれています。災害監視網を構築するためには、監視機器への電源供給網とデータ通信網を整備しなければなりませんが、このような地形条件下における電力・通信ケーブルの敷設には多大な労力と費用を要するだけでなく、敷設作業上の危険性も懸念されます。

また近年、太陽光パネルの急速な普及により、太陽光発電設備を備えた地盤計測システムがいくつか実用化されています。しかし、太陽光発電の効率は天候等の日照条件だけでなく、周辺地形等にも左右されるため、長期間安定した計測を実施することが難しいという問題がありました。

 

"ジェネシスFPS(GENESIS/Field Power Station)"とは

このたび実用化した"ジェネシスFPS(GENESIS/Field Power Station)"では、搭載された発電・蓄電モニタリング回路により、発電量・蓄電量に応じた測定間隔や通信頻度の制御により、消費電力を最適化することで、日照条件に左右されない長期的かつ安定した計測を実施することが可能となりました。

また周辺に分散した監視機器群を特定小電力無線で結ぶことで小域データリンク(ジェネシスFLD:GENESIS/Field Data Link)を構築し、データリンク内の監視機器群を統合的に管理する機能も有しています。

 

技術の特徴

(1)電力モニタリングと消費電力制御

発電量・充電量を、専用回路で、常時モニタリングし、発電・充電量に応じて測定機器や通信機の消費電力を制御できます。

(2)三段階充電制御

バルク充電、吸収充電、フロート充電の三段階充電モードを適時制御することにより、太陽光パネルで発電された電力を無駄なく使用し、電池の長寿命化が可能になりました。

(3)自動停止・復旧機能

充電電圧が一定値以下に低下した場合、システムは自動停止し、電圧回復後、システムは自動復旧します。停止と復旧はメールで通知されますので、点検や復旧作業のための立ち入りは不要となります。

(4)高い耐候性

耐候性に実績のある市販電子部品を主体としたシステム化により、山岳地帯等の激しい気候条件下でも長期の耐久性を保持します。

 

ジェネシスFSP(ENESIS/FPS)のシステム構成
ジェネシスFSP(ENESIS/FPS)のシステム構成

GPS基地局を含む気象観測のためのジェネシスFPS設置例
GPS基地局を含む気象観測のためのジェネシスFPS設置例

斜面監視のためのジェネシスFPSを中心とした小域データリンク網(ジェネシスFLD)
斜面監視のためのジェネシスFPSを中心とした小域データリンク網(ジェネシスFLD)

 

■ 今後の展開

今後、弊社施工中の物件における局地的な気象データや周辺への影響等を継続的に観測し、早期危険予想による事故防止や災害時の被害軽減および現場の早期復旧への利活用を行っていきます。また自治体や顧客等が管理する危険箇所の点検の省力化や局地的な気象データなどをもとにした補強工法の選定など社会インフラのBCM(事業継続マネージメント)サービスの一環としても活用していく方針です。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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