梁のないマンションを実現する "SuKKiT(スキット)ノンスリーブ"

─ 主要構造体である梁のスリーブゼロを実現する画期的な新構法 ─

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 則久 芳行)は、住戸内に全く梁型のない高層板状マンション"SuKKiTノンスリーブ"※1を開発しました。"SuKKiTノンスリーブ"は、バルコニー側と外部廊下側ともに構造架構を部分的に集約した「グリッドフレーム」※2を用いることで、耐震構造ながら住戸内の梁型をなくすことができ、主要構造体である梁のスリーブゼロ、外部廊下側ファサードのデザイン性向上、開口部の自由度向上を実現する画期的な新構法です。15階までの高層板状マンションへの適用を目的として開発し、今後は首都圏をはじめ全国の高層マンション案件に積極的に提案していきます。

※1 特許出願中。SuKKiTは当社の登録商標です。
※2 グリッドフレーム:柱と梁による構造架構を部分的に集約した三井住友建設オリジナルの構造フレーム。

図-1 SuKKiTノンスリーブ 基準階平面図の例
図-1 SuKKiTノンスリーブ 基準階平面図の例

 

■ "SuKKiTノンスリーブ"の特徴

(1)主要構造体である梁のスリーブゼロを実現

一般的な100戸程度の規模の板状マンションでは、設備敷設に伴う構造躯体のスリーブ(開口)は2500か所程度あり(当社調べ)、そのうち主要構造体である梁のスリーブは200か所程度に上ります。今回開発した"SuKKiTノンスリーブ"では、バルコニー側と外部廊下側ともに構造架構を部分的に集約したグリッドフレームを採用しており、住戸の外壁面には梁がありません。そのため梁のスリーブがもとより不要となり、不具合発生の要因を根本からなくします。またスリーブ周囲の補強も不要なため、施工性が格段に向上します。

図-2 SuKKiTノンスリーブ 外部廊下側ファサードイメージ
図-2 SuKKiTノンスリーブ 外部廊下側ファサードイメージ

(2)外部廊下側ファサードのデザイン性向上

従来の外部廊下型板状マンションでは、外部廊下側ファサードは廊下手摺が連続する単調なデザインが一般的です。 しかし"SuKKiTノンスリーブ"では外部廊下外側にあるグリッドフレーム自体が外観デザインのアクセントとなるため、マリオンなどの装飾物を付加することなくバルコニー側と統一感のとれた外観形成が可能です。例えば計画敷地の北側に道路があり、外部廊下側がメインアプローチとなる場合などに最適です。また外部廊下の外側に柱と逆梁があることで、高層階での歩行者の安心感も格段に高まります。

図-3 SuKKiTノンスリーブ 住戸断面の例
図-3 SuKKiTノンスリーブ 住戸断面の例

(3)開口部の自由度向上

"SuKKiTノンスリーブ"では外壁面に梁がないので、バルコニー側リビングでは床から天井いっぱいの高さのハイサッシが設置可能で、従来よりも眺望と採光性に優れた住空間を実現します。外部廊下側では居室のサッシをこれまでより高い位置に設置可能で、換気のために窓を開けた状態でも外から覗かれにくく、快適性とプライバシーを両立させます。また玄関扉上部に梁がないためアルコーブ周りの開放感が向上するとともに、地震発生時の躯体変形による扉開閉の不具合が発生する心配もありません。

 

■ 今後の展開

"SuKKiTノンスリーブ"は、付加価値が高くより使い勝手の良い住空間を実現するために開発した新しい構法です。首都圏をはじめ全国の高層マンション案件に、積極的に提案、展開を図っていきます。今後も当社はこれらの開発を通じて、より一層のマンション価値向上に寄与すべく、安全・安心・快適な住まいの創造を目指していきます。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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