ネアックルン橋(つばさ橋)が開通
―インドシナ半島を横断する南部経済回廊建設に貢献―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 新井 英雄)が、2010年12月に着工したネアックルン橋(正式名:つばさ橋)が2015年4月に開通しました。
4月6日に現地で開通式が行なわれ、式典にはフン・セン首相、トラム・イウテック公共事業運輸大臣らカンボジア側出席者と、日本からは西村明宏国土交通副大臣、隈丸優次駐カンボジア王国特命全権大使らが出席し、盛大に式典が挙行されました。つばさ橋の完成がカンボジアの発展に大きく寄与すると評価され、ネアックルン橋建設工事作業所 北田郁夫所長へカンボジア王国から勲章が授与されました。
去る1月には、橋の中央部で桁を結合する「閉合式」が行われましたが、その際に「つばさ橋」と正式に命名されました。併せて本橋が描かれたカンボジアの新500リエル紙幣(約15円)が発行されるなど、日本とカンボジアの友好のシンボルになると期待されています。
カンボジア国内の主要幹線道路である国道1号線が、大河メコン川を跨ぐ橋として本橋は建設されました。従来はフェリーでしか渡河できなかった道路が本橋により繋がり、大幅な時間短縮が図られ、カンボジア国内の物流の活性化に大きく役立つものと期待されます。
国道1号線は国内幹線道路であるとともに、「南部経済回廊」の一部を形成しています。「南部経済回廊」は、東はベトナムの商都ホーチミンへ、西はカンボジアの首都プノンペンを経て、タイの首都バンコクへ、インドシナ半島南部を国境を越えて結ばれますが、本橋の開通により回廊の大きなボトルネックが解消されたことになります。当社は2006年に、タイとラオスの国境を流れるメコン川に第2タイ=ラオス友好橋を架橋し、インドシナ半島中部を横断する「東西経済回廊」の建設に貢献しました。今回の「南部経済回廊」でも、日本の先端土木技術を駆使して架橋することができました。今後も当社は、東南アジア、南アジアを中心に、発展途上国とその地域のインフラ整備事業に積極的に参画、貢献していきます。
フン・セン首相から勲章を授与される北田所長
■ ネアックルン橋プロジェクトの概要
本橋は、主橋部分は3径間連続PC斜張橋で、高さ121mの主塔2基がコンクリート製橋桁を支える構造です。コンクリート斜張橋での「支間330m(2本の主塔の間隔)」はアジアでも最大級規模を誇ります。アプローチ橋は東側・西側を併せて1,500mを越え、さらにアプローチ道路は全長3,000mに及び、工事総延長は5,460mに達する大規模工事でした。
■ 工事概要
工事名 | ネアックルン橋建設工事 | |
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発注者 | カンボジア王国公共事業運輸省 | |
設計 | 長大・オリエンタルコンサルタンツJV | |
請負者 | 三井住友建設株式会社 | |
施工場所 | カンボジア王国公共事業運輸省 | |
橋種 | 道路橋 | |
形式 | 3径間連続PC斜張橋(主橋) | |
橋長 | 640m(主橋)、1,575m(アプローチ橋) | |
支間 | 155m+330m+155m(主橋) | |
幅員 | 16.98m | |
道路 |
3,245m(アプローチ道路) |
<お問い合わせ先>
リリースに記載している情報は発表時のものです。
フン・セン首相(中央)と西村国交省副大臣(向かって左)によるテープカット
フン・セン首相の挨拶
渡初めの様子